2016年7月7日更新

【獣医師監修】犬の水頭症〜原因・症状と対策

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犬の水頭症という病気をご存知でしょうか。水頭症は読んで字のごとく、頭の中に水が溜まっている状態で神経機能にさまざまな影響をもたらす病気です。犬でもまれに発症することがある病気で、愛犬の生活に支障をもたらします。命にかかわる恐れは低いものの付きっきりの介護が必要になることもある病気です。今回はそんな犬の水頭症について詳しく見ていきましょう。

 

犬の水頭症の原因とは?

犬の水頭症は脳に脳で分泌される脳脊髄液と呼ばれる液体が何らかの理由で増えてしまい、脳を圧迫して脳が異常に拡張してしまう病気です。脳脊髄液は脳周辺から脊髄にかけて循環している体液の一種で、脳の水分量を調整するなどの役割を持っています。脳脊髄液が増加してしまう理由は代謝によるものと閉塞によるものの2つのタイプがあります。また水頭症の発症原因には先天的なものと後天的なものとに分けられます。

代謝によるもの

脳細胞が何らかの原因で破壊されたり、発育が不足してしまったりすることで脳脊髄液が吸収されずにどんどん脳腔内に貯留していきます。

閉塞によるもの

脳脊髄液が何らかの原因により滞ってしまい、その場に貯留してしまいます。

先天的遺伝による発症

出生前のウィルス感染や発育不良により発症してしまうことがあります。特にアップルドーム型の頭を持つチワワやトイプードル、ラサアプソ、パグ、ポメラニアン、ペキニーズ、シーズー、マルチーズ、ブルドッグ、ボストンテリア、ヨークシャーテリアなどの小型犬の発症率が極めて高いです。

後天的要因による発症

頭部の外傷、ウィルス感染による脳炎、脳腫瘍、脳内出血、髄膜炎などが原因となり、脳脊髄液が過剰に増えたり、停留してしまうことで発症してしまいます。

犬の水頭症の症状について

水頭症を発症すると神経系や記憶に障害が出始めるようになります。主な症状にはトレーニングを覚えられない、ぼーっとしやすく、睡眠時間が増える、などです。突然奇声を上げるようになり、興奮なども見られます。視点が定まらなくなり、元気がなくなり、食欲不振や過食、視力障碍などが起こることもあります。運動能力にも影響が出るようになり、まっすぐ歩けなくなったり、転倒や立ち上がれないなどといった症状もみられるようになります。さらに悪い状態では痙攣をおこすようになり、場合によっては昏睡状態に陥ることもあります。

脳の内部に水がたまっているので、見た目では脳が膨らんだように見えることがあります。頭のてっぺんに溝ができ、ポコポコとすることもあります。通常であれば脳の中を正常に流れている脳脊髄液ですが、脳の中で流れが断たれてしまうため脳室と言われる脳の内部を内側から押し広げるように膨れ上がっていきます。ほかの病気の場合でも似たような症状を発することがあるため、診断は脳のレントゲンやMRIをとって脳室の拡大が起こっているかどうかで判断していきます。

 

犬の水頭症対策

予防が難しく、一度発症してしまうと完治させるのも難しいといわれるのがこの水頭症の特徴です。脳内の脳脊髄液が減っても一度異常をきたした神経などは回復することなく、症状がずっと続くようになりますが、悪化させないためにも治療を行っていきます。治療には内科的治療と外科的手術が用いられますが、どちらも対症療法でしかありません。そのため水頭症を疑うような症状が見られた場合には早急に医師の診断を仰ぐことが急務です。

内科的治療法

脳脊髄液の量を減らし、脳圧を下げる副腎皮質ホルモン薬や降圧利尿薬などを用いて治療を行ってきます。

外科的手術法

脳室腹腔シャントと言われる脳と腹腔をつなぐ手術を行っていきます。この手術を行うことで脳内に貯留してしまった脳脊髄液をおなかに逃がすことで、脳にかかる圧を軽減します。しかしこの手術には危険も多く伴い、愛犬にかかる負担も大きいので獣医師とよく相談することが必要です。

基礎疾患の治療

ウィルス感染による脳炎、脳腫瘍、脳内出血、髄膜炎などによって水頭症が発症された場合は、水頭症の治療とあわせてこれらの疾患を治療していくようになります。水頭症の症状自体は解消されませんが、命の危険を防ぐことにつながります。

まとめ

犬の水頭症は特に小型犬の頭の大きな犬種で発症しやすい病気として知られていますが、もちろんそれ以外の犬種でも発症してしまうリスクは十分にあります。命の危険はないにしても一度発症してしまうと、症状が回復に向かうことはなく、場合によっては介護生活を強いられることもあります。そうなる前にも水頭症の原因を取り除くようにし、症状が感じられた場合でも早い段階で獣医師に診せることが重要です。

 
 

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