2016年3月1日更新

外猫と家猫で違いがある…!?ネコの『発情期』について獣医師が教えます!

春が近づいてきた夜、突然外から「フギャー!」という猫の大きな鳴き声を聞いたことのある人は多いでしょう。また、まだ幼いと思っていた愛猫が突然「ウァーオ!」と独特の鳴き声を出して驚いた人もいるかもしれません。 これらの声は猫が発情期を迎えたサインですが、室内で暮らす猫と、屋外で暮らす猫で発情を起こす時期に違いがあることを知っていますか?また、初回の発情を迎える時期が猫種により違いがあることを知っていますか?

今回は悩まされる人も少なくない、猫の発情について解説します。

発情とは?

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性成熟した動物の雌が、繁殖可能な状態にあることをいい、この時期を発情期と呼びます。雌猫がある日突然、「フギャー!」「ウァーオ!」といった、人間のこどもが泣くような声を出し、身をよじって仰向けになったり、お尻を高く挙げたり、頭をすりつけたり、執拗に飼い主に甘えたりしはじめると、発情が始まったサインです。このとき、雄猫と出会って交尾を受け入れると、交尾の刺激により排卵が起こり、高い確率で妊娠します。 雄猫と雌猫が出会って交尾をするのは発情期だけで、発情期以外に交尾をすることはありません。ただ、雄猫は発情期の雌猫がいれば常に交尾が可能です。つまり、雄猫に「発情期」はないのです。

猫の性成熟

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性成熟とは、雌猫の場合、妊娠および出産が可能になること、雄猫では交尾をして雌猫を妊娠させることが可能になることを指します。雌猫は多くの場合、6〜10ヶ月齢で性成熟を迎えます。早ければ4〜5ヶ月齢で最初の発情を迎える猫もいます。一方、雄猫は去勢をしなければ、9〜12ヶ月齢で交尾が可能になります。

性成熟の遅い猫種は?

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一般的に猫は6〜10か月齢で初回の発情を迎えますが、長毛種や大型種の猫はこれより遅い傾向があります。なかでもペルシャ猫には、1〜1歳半になるまで発情しない猫もいます。

猫の発情期はいつ?猫の繁殖期、性周期とは?

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猫の繁殖期は、日照時間に左右されます。地域にもよりますが、日本では、日照時間が徐々に長くなる1〜7月が猫の繁殖期であることが多いようです。しかし、現代社会では、様々な照明の影響があり、繁殖期は必ずしも一定しているわけではありません。猫はこの繁殖期の間に、2〜3回の性周期を繰り返します。

猫の性周期

交尾をしなかった場合、多くの猫では1〜3日間の『発情前期』ののち、4〜10日間の『発情期』、1〜3日の『発情後期』、その後数日〜1週間、時に数週間の雄猫に無関心になる『発情休止期』を経て、再び『発情前期』に入るという性周期を、繁殖期中に2〜3回ほど繰り返します。発情期に交尾をした場合には、交尾が刺激になって排卵して、すみやかに発情は終了します。

発情前期

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ゴロゴロところがったり、いつもと違う声を出し始めたりしますが、この時期はまだ、それほどはっきりとした行動の変化ではありません。発情前期の猫は、『尿スプレー』と呼ばれる行為をすることもあります。この尿中に含まれるフェロモンにより雄猫が引きつけられますが、この時期はまだ雌猫は雄猫を受け入れません。猫では、犬のように外陰部が腫れたり、発情出血が見られたりすることはありません。

発情期

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発情前期に始まった行動の変化がよりはっきりとして、雄猫との交尾を受け入れるようになります。「フギャー!」「ウアーオ!」といった人間のこどもの泣くような声をしきりに出すのはこの時期です。交尾をした場合には、排卵が起き、発情期は終了します。交尾をしなかった場合には、発情期が続き、やがて発情後期に入ります。猫は、交尾の刺激によって排卵する動物であり、発情しても交尾をしなければ排卵はしません。

発情後期

発情期のあとに続く発情後期には、再び雄猫との交尾を受け入れなくなります。

室内で暮らす猫と屋外で暮らす猫で発情の時期に違いがある?

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日照時間による影響を受ける猫の発情ですが、室内の明かりやその他の照明による影響も受けます。そのため、猫の発情は、必ずしも日照時間が長くなる時期だけに集中するわけではありません。特に室内で暮らす猫では、繁殖期が長くなる傾向があるようです。また、地域にもよりますが、 屋外で暮らす猫は繁殖期が年1〜2回であることが多い一方、室内で暮らす猫は年3〜4回繁殖期を迎えることもあると言われています。

繁殖期、特に発情期の雌猫の行動に注意しましょう

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発情期の雌猫は、飼い主が驚くような大きな声で鳴くだけでなく、非常に行動的になることがあります。中には雌猫が雄猫を求めて脱走してしまうこともありますので、戸締まりをしっかりするように気をつけましょう。繁殖を希望していない場合には、発情期のストレスから解放し、望まない妊娠のリスクを回避するだけでなく、病気を予防するという観点からも、あらかじめ避妊手術を受けておくことをお勧めします。

★犬の発情期についてはコチラ【犬種ごとに『発情期』に違いはある?獣医師が解説します!!

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