2016年3月14日更新

【動物看護士が解説】愛犬が老犬になったら、あなたがしてあげられること

犬の寿命はここのところ延びていて、10歳を超えても病気ひとつせず、健康に年を重ねている犬も少なくはありません。しかし、どんなに健康な子でも身体の老化には勝てません。いつか、自分の愛犬が食事やトイレも自分一人で出来なくなったら、あなたはどうやって助けてあげれば良いのでしょう。今回はトイレの介助についてお話しします。

歩けるうちは、歩かせる

老化が進むと、身体を動かすのが億劫になり、食事とトイレ以外は寝てばかりという犬も多いことでしょう。「動くのが大変でしょう?」と散歩をしなかったり、食事を口元へ運んであげたりする飼い主もいますが、その優しさが身体の老化を加速させているかもしれないのです。

まだ自分で身体を動かすことができるのであれば、補助をしつつ積極的に身体を動かしてください。運動をしなくなり、体力や筋肉量が激減すると、あっという間に起立も出来なくなり寝たきりになります。老犬の場合、寝たきりになってしまったらそこから筋力を回復させるのはかなり難しいことです。

まだ立てるうちは、腰辺りをバスタオルなどで支え、歩くのを少し補助してあげてください。起立するまでが大変なので、起き上がる時も補助してあげると良いでしょう。

食事やトイレも同様に補助をし、必ず起立した姿勢を保ってあげてください。まだ動けるんだ、と犬の気持ちを前向きにすることが大切です。

寝たきりになったら

寝たきりになってしまったら、排泄は飼い主さんの助けが必要です。寝たきりになったとしても、簡単に身体が起こせる小型犬、中型犬は身体を起こして排泄させてあげてください。

排泄のタイミングが掴めず、寝たまましてしまうこともあるのでオムツやマナーベルトを使用しても構いません。付けっ放しにしていると蒸れて皮膚炎になったりするので、外す時間が長ければ長いほど良いです。留守番や、夜間はオムツを利用して、その他はオムツを付けずに飼い主さんが介助してあげてください。

起立の姿勢で犬を保つ時は、背中側から手を回し、開いた掌で胸骨、肋骨辺りを支えます。(※柔らかいお腹を支えるのは犬が苦しいのでやめましょう)もう片方の手で後肢の付け根、鼠径あたりを支えるとキープしやすいです。介助する飼い主と犬は同じ方向を向いて抱えるようにして支えると飼い主さんも楽でしょう。

排泄のタイミングをつかむには

若い時から外でしかトイレをしない犬であれば、寝たきりになったとしても起立を補助してあげて外に出せば排泄するのがほとんどです。必ず朝晩外に出して、排泄をさせましょう。

難しいのはそういった習慣がない場合です。排泄しやすいタイミングは食事や水を飲んだあとなのでその頃を狙って起立補助をし、トイレへ連れて行ってあげましょう。はじめは全くしないと思いますが、決まった時間にトイレに連れて行き、パターン化することが大切です。補助している時に排泄が成功したら、よくよく褒めてあげてください。それを繰り返すことで、トイレに連れて来られたら排泄をすると犬が覚えてくれるでしょう。

中には、排泄がしたくなったら声を出したり、ムズムズ動いたりしてサインを送ってくれる犬もいますから、そのサインを見逃さずに受け取ってあげてください。

もちろんタイミングを掴むのが難しく、補助が出来なければ、体の下にペットシーツを敷いていつ排泄しても良いようにしても大丈夫です。しかしその場合は、下になっている方の体の側面が汚れやすいのでかならず清潔を保つようにしてください。

圧迫排尿を指導されたら

場合により、獣医師から圧迫排尿を指導され、家で実施する飼い主さんもいると思います。

排尿は必ず指導通りに行い、不安がある場合は獣医師や看護師に相談しましょう。経験があるからといって、直接病院側から指導されていない飼い主にやり方を教えたりするのは絶対にやめてください。

正しい方法で行わなければ、膀胱破裂などの危険性があります。お腹の中に尿が漏れ出すと感染が起こり、腹膜炎になり最悪の場合は死亡することがあります。

1日に数回マッサージを

寝たきりの身体を起こして動かすことで、血流が改善され全身の巡りが良くなります。巡りが良くなると手足の冷えや内臓機能の低下を防ぐことができるので是非実践してみてください。起こしたついでにマッサージをしたり、つま先を揉んであげたりすると関節が硬くなるのを防げるので、犬の身体もだいぶ楽になりますよ。

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

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