2016年3月21日更新

【動物看護士が解説】飼い主必見!老犬介護に大切なポイントをお教えします。

昔は体力が有り余っていたずらばかりだった愛犬もついに老犬の仲間入り…。もしも、愛犬が寝たきりになってしまったらどうすれば良いのかわからないあなた。愛犬と楽しく、幸せに余生を過ごしてあげるために、介護のことをちょっとお勉強しておきませんか?

寝たきりはそのままにしない

筋力が衰え、立つことが難しくなったらついに寝たきりとなります。立ち上がることが出来なければ、寝返りを打つことすら出来ません。ですので、飼い主が『体位変換』という、寝返りのような作業を定期的に行う必要があります。

寝たきりの犬は大抵左右どちらかの側面を下にして横になっています。下の面になっている体表は、体重の重さで血流が悪くなりがちです。また、骨盤や、肘、飛節(後ろ足のかかとのようなところ)といった、関節の形が外見でもよくわかるような場所は、他の部分よりも出っ張っているので、体重がそこに集中しがちです。

重さが一箇所に乗り、血流も悪いと、皮膚が壊死していき、『床ずれ・褥瘡』と呼ばれる傷になります。褥瘡は非常に完治しにくいので、予防することが最も大切です。

床ずれを防ぐには?

小型犬や中型犬であれば、2~3時間に一度。体重の重い中型犬や大型犬であれば1~2時間に1度は、下になっている面を上にするように、寝返りを打たせてあげる必要があります。こうすることにより、重さで滞っていた血流が回復し、床ずれ・褥瘡もできにくくなります。

寝返りを打たせてあげた後は、体の表面をさするようにマッサージしてあげると、血の巡りをよくする助けになります。

食事は伏せで与える

寝たきりの犬に食事を与える時、頭を少しだけ体より高くして食べさせがちですが、気管や肺に異物が入りやすくなるので絶対にしないでください。免疫力が下がっている時の肺炎は命取りになります。

食事を与える時は、必ず伏せの姿勢にして、頭を少し持ち上げるようにしてください。頭を上げ過ぎるのも、喉の方へご飯が滑り落ちやすく、飲み損なう危険がありますのでやめてください

水を与える時も要注意!

特に気をつけてほしいのが、水を与える時です。1日に何度もあげることがあるので、いちいち伏せにするのは面倒かもしれませんが、水は特に気管に入りやすく、『誤嚥性肺炎』と呼ばれる肺炎になるリスクが高いので注意が必要です。

伏せの姿勢にしても、老犬はむせやすいので、多量の水をいっきに与えるのではなく、少量ずつをつぎ足しながら与えるのが良いでしょう。

床は柔らかく

寝ている床が硬ければ硬いほど、褥瘡はできやすく、体重も数カ所に集中しがちです。できれば、低反発のマットレスか何かを用意し、寝かせてあげるのが良いです。柔らかいものに寝かせてあげれば、体の凹凸に床面がフィットし、接している面積が広ければ広いほど体の負担が少なくなります。

また、体の厚みにより、横向きに寝ると上側にある手足が下へダランと垂れてしまうので、タオルやクッション等を抱かせるように挟んであげると少し楽になります。特にコーギーやダックスなどの足の短い犬種や、フレンチブルドッグパグ、ブルドッグなどの胴が太い犬種は、クッションやタオルを抱かせておかないと関節を痛める可能性があるので注意してください。

介護は1日つきっきり

体位変換をすることを考えると、1日中つきっきりでいなければなりません。飼い主さんがずっと家にいる場合は可能ですが、仕事をしているとなかなか難しいですよね。だからといって仕事の間同じ姿勢で寝かせておくと体にかなりの負担がかかってしまいます。日中預かってお世話をしてくれる動物病院もあるので、相談してみるのも良いかもしれません。

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

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