2016年10月22日更新

【獣医師監修】猫の食道炎〜原因・症状と対策

ペット生活

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編集部

犬や猫との暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

 

猫の病気に食道炎があることをご存知でしょうか。食道炎は食べ物の通り道である食道に炎症が起こる病気で、人間ではよく見られる病気です。この病気は猫でも発症する可能性があり、愛猫をひどく苦しめてしまうこともあります。命にかかわる病気ではありませんが、様態が悪くなってしまうと愛猫の体力を著しく消耗してしまう病気です。普段から早期発見ができるように注意しておきましょう。

 

猫の食道炎の原因

猫の食道炎は食べ物の通り道である食道に炎症が生じた状態で、さまざまなことが原因で炎症が起こってしまいます。原因の中には飼い主の不注意によるものもあります。原因を良く知り、事前に防げるものに関してはしっかり予防を行いましょう。

基礎疾患によるもの

咽頭炎や喉頭炎を発症してしまっている場合、炎症が食道部分にまで広がって食道炎を発症してしまうことがあります。

誤飲によるもの

食道を傷つけてしまうようなものの誤飲や薬品の誤飲によって発症してしまうことがあります。鶏の骨や魚の骨、プラスチックや木片の誤飲や洗剤、人間の薬品などさまざまなものが原因となりうります。特にボタン電池は食道が焼けただれてしまう危険があるので早期の治療が必要となります。猫の身近に危険なものを置かないように気を付けましょう。

感染症によるもの

ウィルスや細菌などによる感染症にかかってしまうことで、炎症が食道粘膜に広がってしまうことがあります。具体的な感染症としては猫カリシウィルスやピシウム、カンジタなどがあります。

猫の食道炎の症状

猫が食道炎を発症すると、食道に痛みを感じるため嘔吐や吐き出すしぐさが増えるようになります。症状の進行度によっても猫の様子は大きく違ってくるのでしっかり把握しておきましょう。

軽度の症状

食道炎の軽度の症状では、食べた直後に吐いてしまったり食欲不振になったり、物がうまく呑み込めなくなることでよだれが垂れるなどといった症状が見られます。徐々に状態が悪化してくると、つばを飲み込むのも痛がるようになり、何度も飲み込もうとするしぐさをしたり、嚥下困難になったり、痛みのために声を出して鳴くといった様子も見られます。

重度の症状

食道炎を放置しておくと食欲が著しく低下し、体重減少や脱水症状なども見られるようになります。元気がなくなり、食べ物を食べることができないので見る見る痩せていってしまいます。それでも放置しておくと、炎症を起こした食道が食道を修復しようと線維化してしまい、結果的に食道狭窄という別の病気を引き起こしてしまうこともあります。

 

猫の食道炎の対策

体重が著しく減ってしまうと、愛猫の体力を消耗してしまい寿命を縮めてしまう原因になります。正しい治療を行いながら、愛猫が食道炎にならないように飼い主が気を付けていくよう心がけましょう。

基礎疾患の治療

基礎疾患が原因となっている場合は、基礎疾患の治療を行いつつ食道の炎症を緩和するための投薬治療を行っていきます。

内服による治療

症状が軽い場合では抗炎症剤や抗生物質などの投薬により治療を行っていきます。場合によっては胃酸の分泌を抑える抑制剤の投与や食道の粘膜を保護する保護剤を投与します。

外科劇治療法

食道炎が進行し、食道狭窄などを併発している場合には外科手術による切除を行う必要があります。

食事療法

症状が軽い場合には食道への刺激が少ない流動食を用いての食事を行っていきます。症状が重い場合では食道に負担をかけないために胃に直接チューブを通してそこから栄養補給や水分補給を行うこともあります。

食道炎にならないための予防

食道炎予防には何よりも愛猫に刺激の強いものを与えないことが重要です。愛猫の手の届くようなところに刺激物を置くのを避け、食事にも魚の骨などが入らないように注意しましょう。

まとめ

猫は私たちに自分の症状を口で伝えることができない生き物です。人間であっても我慢できないことがあるほど痛みを伴う食道炎が猫で発症しているとあれば猫が身もだえるほど痛いのは間違いありません。飼い主がいかに早くその症状に気づいてあげ、早急に治療を開始できるかが重要です。食道炎は猫で発生の多い病気でもあります。普段から猫の様子に注意し、発生させないようにしっかりと正しい飼い方を学びましょう。

 
 

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