2016年11月2日更新

【獣医師監修】猫の腎結石〜原因・症状と対策

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編集部

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猫の腎結石は腎臓内に石ができてしまう病気です。腎臓は体の中でも特に重要な器官で、腎臓に石ができてしまうと場合によっては命にかかわるようなこともあります。早期発見・早期治療ができれば軽く済む病気です。愛猫を苦しめないためにも腎結石について詳しく知り、愛猫の異変に普段から気づけるように、どういったサインが愛猫が放っているSOSなのか勉強しておきましょう。

 

猫の腎結石の原因

猫の腎結石は腎臓の内部にある腎盂と言われる部分に石ができてしまう病気です。この石ができてしまうのにはさまざまな要因がありますが、中高齢期の猫で特に発生しやすい病気です。石に成分にはシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、ストルバイトなどがあります。

尿の酸塩基平衡のバランス悪化によるもの

偏食や栄養の偏りにより尿がアルカリ性や酸性のどちらかに傾いてしまうことで結石ができてしまうことがあります。アルカリの尿になるとストルバイト、リン酸カルシウムなどを主成分とする石が形成され、酸性の尿になってしまうとシュウ酸カルシウム、尿酸塩、シスチン、キサンチンなどを主成分とする石が形成されます。猫にドッグフードを与えてしまっている場合、猫にとって必要な栄養素が摂取できず尿の酸塩基平衡のバランスが取れなくなってしまいます。

尿路感染症によるもの

尿が通る尿路に細菌が感染してしまうと、尿路の壁から剥がれ落ちた表皮が結石の核となり、同時に尿がアルカリ性に傾いてしまうので結石が生じやすくなり発症してしまうことがあります。

遺伝によるもの

一部の種の猫で遺伝と尿結石の発症に関連があるのではないかと現在研究が進められています。特に短毛種での発症率が長毛種に比べ倍近く高いという報告があります。結石を発症しやすい品種としてはスコティッシュフォールド、アメリカンショートヘア、ヒマラヤンなどがあります。

猫の腎結石の症状

腎臓内に結石ができることで発症する腎結石ですが、腎結石には腎杯結石、腎盂結石など石がどこにできるかによって名称が細かく分かれています。結石が腎臓にできてもほとんどの場合で症状があまり出ないのがこの病気の特徴です。尿路感染症などを併発している場合では尿に濁りが見られますが、それ以外ではほとんど症状は分かりません。特に石が小さい場合では無症状なことも多く、腎臓から結石が流れて尿管に移動してしまったり膀胱に移動してしまったりし、そこで詰まってしまうと非常に激しい痛みを伴うようになります。

腎臓内の石が大きい場合では腎臓の機能を障害してしまうことがあり、急性の腎不全を発症してしまうこともあります。急性の腎不全を発症してしまうと腎臓の機能が急激に低下してしまい、食欲不振や嘔吐、下痢などの症状がみられ、高窒素血症や尿毒症、代謝性アシドーシスなどを発症してしまうこともあり、最悪の場合には命を落としてしまうこともあります。

 

猫の腎結石の対策

どんなに詰まっているのが小さな結石で、見た目では無症状であったとしても、腎臓内に結石が見つかった場合は治療を行っていくのが大切です。医師によっては経過観察とする場合もありますが、腎臓内の結石が原因で急性腎不全を発症してしまったり、尿管内に移動してしまって尿管結石を発症してしまったりしては危険です。経過観察と指示を受けた場合はこまめに結石の状態を観察し、いつ何が起きても備えられるようにしておきましょう。

体外衝撃波結石破砕術による治療

腎臓内にできた結石に対し、体の外から衝撃波と言われる超音波を当てて結石を砕いていく方法です。この方法は安全性が高く猫にかかる負担も少ないため、最も一般的な方法ですが、病院によっては治療するための設備のないところもあります。体外衝撃波結石破砕術によって結石の玉砕が十分でない場合や石片が残ってしまった場合には外科手術治療を行うこともあります。

外科手術による治療

体外衝撃波結石破砕術で効果が出ないような結石ができてしまった場合や閉塞を伴ってしまっているような場合には外科手術により結石を摘出していきます。この場合、猫の体ににかかる負担は大きく、高齢の猫では体力がなく手術が行えないこともあります。

投薬による治療

尿路感染症を引き起こしてしまっている場合、抗生物質の投与などを行います。

食事療法

バランスのとれた食事を摂ることで尿の極端なアルカリ性、酸性への傾きを改善していきます。猫にとって必要な栄養の取れる食事に切り替えましょう。

まとめ

人間でも発症してしまうことがある尿路結石ですが、一度発症したことのある人はそれがどれほど痛い病気かはご存知かと思います。腎結石の場合症状が出にくく、痛みもほとんどないといわれていますが、いつその結石が猫の命を危険にさらしてしまうようになるのかは誰にもわかりません。日ごろから愛猫の健康チェックをしっかり行い、早期発見・早期治療ができるように心がけましょう。

 
 

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