2016年10月2日更新

【獣医師監修】猫の大腸性下痢症〜原因・症状と対策

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編集部

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猫はさまざまなことから下痢をしてしまう動物です。そのため下痢という症状一つを見て、その症状が何が原因で起こっているのかを読み取るのは非常に難しいものです。しかし、下痢といっても下痢にも種類があり、目の前で起きている症状がどういった下痢なのかを把握しておくことで原因を特定する手がかりとなることがあります。今回は猫でみられる下痢の一つで大腸に起因する大腸性下痢症について詳しく見ていきましょう。

 

猫の大腸性下痢症の原因

猫の大腸性下痢症はその名の通り、大腸に何らかの異常が起きることによって引き起こされる下痢のことを言います。大腸は各部位によって細かく名称がついており、小腸に近いほうから盲腸、結腸、直腸と言われる部分になります。この部位のどこかに異変が起きることで水分のバランスが崩れてしまい下痢を引き起こしてしまいます。

病気に起因するもの

何らかの病気を発症している場合、それにつられる形で大腸性下痢症を引き起こしてしまうことがあります。具体的には慢性腸炎やポリープ、リンパ腫、腺癌、平滑筋種、アジソン病、尿毒症などがあります。

感染症によるもの

何らかの菌や寄生虫による感染症が原因となり大腸性下痢症を引き起こしてしまうことがあります。具体的な菌や寄生虫にはヒストプラズマ、サルモネラ、クロストリジウム、ピシウム、ジアルジア、鉤虫などがあります。

異物の誤飲によるもの

刺激物や異物の誤飲をしてしまうことで、それらが大腸に達し大腸性下痢症を引き起こしてしまうことがあります。具体的には鶏の骨や魚の骨、被毛やプラスチック片などがあります。

アレルギー反応によるもの

体がアレルギー反応を示した際に大腸性下痢症を引き起こしてしまうことがあります。具体的には食物アレルギーや抗生物質、抗コリン剤などの薬剤に対してのアレルギー症状です。

猫の大腸性下痢症の症状

大腸性下痢症は大腸の水分バランスが崩れてしまい、その結果として起こる下痢症のことです。腸管内における水分バランスが崩れてしまっているので水のような下痢をすることもあります。基本的には下痢以外の症状がほとんどでなく、下痢の症状だけではどの下痢症かの判断を見極めるのは非常に難しいものがあります。そのため下痢以外の症状を他に発していないときは大腸性下痢症と診断されることが多く、3週間たっても改善されない場合には大腸性の慢性下痢症と診断されることもあります。

大腸性下痢症の特徴としては、トイレの回数が増え1日に何度も下痢を繰り返します。出すものがなくなってもお腹の調子が悪いので便を出そうと踏ん張ることもあります。また場合によっては嘔吐することもあり、頻繁に下痢をするためおしりを痒がることもあります。大腸に傷ができてしまっている場合には下痢の中に粘液や血が混じっていることもあり、肛門に近いところでの出血の場合は鮮血が出ることもあります。

 

猫の大腸性下痢症の対策

猫の大腸性下痢症は大腸の中の水分バランスが改善されれば治る病気です。しかし下痢の回数がひどく食欲不振を起こしてしまっている場合には脱水症状を起こしてしまったり、著しく体力を消耗してしまったりすることもあるので早期に獣医師に相談することが大事です。可能であれば便のサンプルを取り、医師の診断を仰ぎましょう。

内服による治療

下痢の症状を改善するために下痢止めの薬を内服します。著しく体力を消耗してしまっているような場合には点滴や輸液などを行うこともあります。

基礎疾患の治療

何らかの病気によって大腸性下痢症が誘発されている場合には、優先的に病気の治療が行われます。感染症や寄生虫が原因の場合には抗生剤や駆虫薬などを投与し、アレルギーが原因の場合には食事療法などを取り入れ治療を行っていきます。異物の誤飲などの場合には腸の中にある異物が出てくるのを待ち、出てこない場合には外科的に摘出します。

応急対策

急性で大腸性下痢症を発症した場合には、大腸への負担軽減が最も早い治療法になります。具体的には12時間程度一切の水分補給を辞め、丸1日は絶食を行います。

まとめ

猫の大腸性下痢症はその症状だけではなかなか素人が何の病気かを判断するのが難しい病気です。命にかかわる病気ではありませんが、場合によっては一刻を争うときもあります。またアレルギーが原因の場合、アレルゲンを取り除かない限り愛猫を救ってあげることができない病気です。少しでも下痢の症状が見られた場合には医師の診断を仰ぎ、治療を行っていくようにしましょう。

 
 

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