2016年3月24日更新

【動物看護士が解説】老犬の散歩で気を付けるべきことはなに?詳しく解説します!

老犬になり、歩くのが辛くなると寝てばかりの犬が多くなります。そんな姿を見ていると、「そっとしておいて寝かせていた方が良いのかな?」なんて思いがちですが、自分で起立できる筋力や体力があるうちはどんなに少ない時間でも良いので散歩に出してあげてください。
ただでさえ歳を重ねると筋力や体力が低下し、関節の滑りも悪くなるので、動かさなくなってしまうとすぐに動かなくなってしまいます。

動かなくなるとはどういうことか?

動かなくなる、というのは自力で体を動かすことができなくなることです。

数日全く動かないだけでも筋肉は衰え、関節が固くなるのは人間も同じで、みなさんもよくご存じかと思います。犬も同様で、動かすのが可哀想だからとご飯を口元へ運んであげたり、トイレへ抱っこして連れて行ってしまうと、あっという間に動けなくなり寝たきりになります。

寝たきりになってからの介護は非常に大変です。そして重力が犬の大きな負担となります。いつかは寝たきりにはなってしまいますが、その時間が少しでも短くなるように、身体を動かせるうちは出来るだけ動かしてあげてください。

気温や地面の温度に注意する

若い頃のように、極端に暑かったり寒かったりする気温には身体がうまく付いていきませんので、なるべく飼い主さんが快適と思う時間に散歩に連れ出すようにしてください。

夏に向かう頃は、日差しは強いけれどもまだ風は涼しいなんて時もありますよね。そんな日は快適と思いがちですが、犬にとっては違うかもしれません。犬は体高が低いので地面の照り返しを受けやすく、また、日差しで熱せられたアスファルトの上を素足で歩いているので、地面の温度には十分に注意を払ってください。

雨の日やあまりにも暑い日、寒い日はきちんと対策をして連れ出すか、家の中を十分に歩かせるようにしてください。

いつもと同じルートを

老犬になると、目に見えて異常がなくても、視力は衰えてくるものです。

いつも歩いている散歩コースであれば、万が一見えていなくてもそれなりに安心して歩くことができますが、「今日は思い切って初めて行く公園に!」と連れて行ってしまうと、知らない匂いに、知らない景色がぼんやりとだけ見えているととても不安になってしまいます。

散歩に連れ出したのに、結局不安で全く歩かなかったということも起こり得ますので、なるべくいつもと同じルートを同じように散歩してあげてください。

平坦な道を

もしいつもの散歩道に、デコボコ道や道なき道を選んで通っていたのであれば、整備されたなるべく平坦で歩きやすい道を選んで歩くようにしてあげてください。
老犬になると筋力も低下し、ヨロヨロと小股で歩くようになります。デコボコ道でバランスを崩したとしても、体勢を正すことができず、転倒すると骨折や捻挫をする危険性があります。
また、固くなって動く範囲が狭くなっていた関節を、バランスをとるために咄嗟に動かそうとすると、筋や関節を痛める原因にもなります。

散歩をする際は、なるべく平らで障害物の少ない道を選んで散歩するようにしてあげてください。

散歩が観察の機会に

ただ、ゆっくりゆっくり散歩していても、上の空にならず、犬の姿をよーく観察してみてください。「あれ?目が見えていないのかな?」と思う瞬間や、「脚が痛いのかな?」と思う仕草が見られるかもしれません。

家ではあまり立って動かないから気付かなかったことも、散歩に出たほんの数分の中で気付くことができるかもしれません。犬の苦痛を察知して早期に治療することが出来れば、苦しんで毎日を生活させることもありません。

何か異常があればすぐに見つけられるように、散歩をする愛犬の姿をじっくり観察してみてくださいね。

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

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