2016年12月4日更新

【獣医師監修】【耳の症状】猫の耳が腫れている時に考えられる病気

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猫の耳がパンパンに腫れているのは、病気のサインです。腫れるのはピンと立った耳介と呼ばれる部分で、厚みが通常の倍ほどになることもあり、立っていた耳が重みで垂れてしまうこともあります。腫れた部分を触るとブヨブヨとしていて、いつもと違う感触に飼い主は驚くかもしれません。

猫の耳はなぜ腫れるのでしょうか。猫の耳が腫れている時に考えられる病気について取り上げます。

 

耳介の構造と腫れる仕組み

猫の耳介は人間でいう耳たぶの部分にあたり、軟骨の両面を皮膚が覆っている構造になっています。しかし軟骨と皮膚との結合はそれほど強くなく、耳介に衝撃を与えるなどして内出血が起きると、容易にはがれてしまいます。

すると、皮膚と軟骨の間に血液がたまり、耳介がパンパンに腫れあがります。腫れをそのまま放置すると、治っていく過程で軟骨が変形して耳の形が悪くなります。

耳介が腫れる原因は?

猫の耳介は、耳の病気、皮膚炎、ケンカによる外傷、硬いものに耳をぶつけたり、耳を強くかき過ぎたりしてなど、様々な原因で腫れます。また、近年、自己免疫疾患によって耳介に内出血が起きている可能性も示唆されていますが、定かではありません。

続いて、耳介が腫れる病気や、腫れるきっかけを作る病気について見ていきましょう。

 

耳が腫れている時に考えられる病気

耳血腫

猫の耳血腫は、耳介の皮膚と軟骨の間に血液がたまって腫れてしまう病気です。耳血腫そのものに痛みはありませんが、猫は耳に違和感を覚えて、後ろ足で引っかく、壁などに腫れた耳をこすりつける、頭を振るといった行動をとります。

耳介の中にたまっている血液のために、患部を触るとブヨブヨとした感触があり、時に熱を持つこともあります。また、耳介が重くなって立ち耳が垂れてしまうこともあります。

しばらく経てば自然治癒しますが、軟骨が変性して耳の形がくしゃくしゃになるため、放置せずに動物病院で治療を受けたほうが良いでしょう。

細菌性外耳炎

耳の穴からL字型に鼓膜まで続く外耳道が、細菌に感染して炎症を起こすことがあります。飼い主が猫の耳掃除をした際に誤って外耳道を傷つけてしまったり、水などが耳に入って外耳道がジメジメしたりすると起きやすく、かゆみがあります。

猫はかゆみを気にしてしきりに後ろ足で耳を引っかいたり、硬いものにこすりつけたりします。すると耳介の血管が破れ、耳血腫を発症してしまいます。

真菌性外耳炎

真菌性外耳炎は、主にマラセチアという真菌(カビ)によって引き起こされる外耳炎です。マラセチアは皮膚や粘膜の常在菌で、免疫が正常なら害はありません。ただし、細菌性外耳炎やアトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が低下すると、一気に増殖して外耳炎を起こします。猫はかゆくて耳を気にするしぐさをし、その結果、耳血腫になります。かゆみの他に、耳から甘酸っぱいにおいがするのがこの外耳炎の特徴です。

耳ダニ感染症

耳ヒゼンダニ(耳ダニ)というダニの一種が猫の耳に寄生することで起こる外耳炎です。耳ダニは繁殖力が強くどんどん増え、猫の外耳道は、耳ダニの出すフンや死骸が混ざった大量の黒い耳垢に埋め尽くされます。非常に強いかゆみを伴うため、猫が自分で耳を引っかくなどして耳血腫を引き起こします。

疥癬

疥癬は、ネコショウセンコウヒゼンダニというダニの一種が猫に寄生することで起こる皮膚炎です。頭や耳などに強いかゆみが起こることが多く、猫が患部をかき壊すことも珍しくありません。その過程で耳血腫を発症する可能性があります。

疥癬になると、かゆみの他、患部に赤みや脱毛、フケが見られます。

ニキビダニ症

猫の毛穴に寄生しているネコニキビダニというダニの一種が、免疫が落ちた時などに増殖して起こる皮膚炎です。頭部や耳、首を中心に、皮膚の赤みや脱毛、フケが現れます。この時点では痛みもかゆみもほぼありませんが、細菌などに感染しやすく、二次感染後は一転してかゆみが強まります。猫はかゆみを気にして頭部や耳などをかいたりこすりつけたりし、耳血腫を発症することがあります。

アトピー性皮膚炎

ダニ、真菌、花粉といったアレルゲンと接触することで起こるアレルギー性の皮膚炎です。炎症が耳の裏に出たり、耳の中に起きて外耳炎を発症したりすることがあり、いずれもかゆみを伴います。猫は耳をこすりつけたり、後ろ足でかいたり、頭を振ったりし、その衝撃で耳血腫を引き起こしやすくなります。アトピー性皮膚炎の患部には、かゆみの他に脱毛や毛が薄くなるといった症状も見られます。

食物アレルギー

特定の食べ物がきっかけとなってアレルギー反応が起こり、皮膚に炎症を生じることがあります。それが猫の食物アレルギーで、耳の裏は皮膚炎が出やすい場所です。また、耳の中に炎症が起きると外耳炎になります。どちらもかゆみがあるため、猫が後ろ足で引っかくなどして耳血腫を起こす可能性があります。

なお、食物アレルギーになると、かゆみの他に患部の赤みやかき過ぎによる脱毛、下痢などが見られます。

ノミアレルギー性皮膚炎

ノミの唾液に対するアレルギー反応で起こる皮膚炎です。おなかやお尻の他、耳の後ろにも炎症が起き、強いかゆみや脱毛が現れます。耳に炎症が出ると、猫はかゆくて後ろ足で患部を引っかいたりこすりつけたりし、耳血腫を起こすこともあります。皮膚炎が起きた部分には、発疹やかさぶたも見られます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?猫の耳が腫れる耳血腫の背景には、外耳炎や皮膚炎といった他の病気が潜んでいる可能性があります。猫の耳が腫れていたら動物病院に行き、たまった血液を抜くとともに、原因となっている病気の治療も行いましょう。

また、耳血腫には猫同士のケンカの際に引っかかれるなどしてなることもあります。完全室内飼育にすると耳血腫の予防につながりますが、難しい場合は、外から帰ってきた猫の耳をチェックして、異常が見つかったら動物病院での受診をご検討ください。

 
 

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