2016年3月26日更新

犬や猫の不妊・去勢手術に助成制度があるって知ってた?

若干古いデータになりますが、環境省が平成23年に行った調査では、飼っている犬に不妊・去勢の手術をしていないと答えた飼い主さんは全体の半数以上、猫の場合は犬よりは手術割合が高く、手術をしていない飼い主さんは全体の20%でした。手術をしない理由としては「必要がない」「かわいそう」という飼い主さんの気持ちを反映していることが多いようですが、中には「費用が高いから」という理由で手術をしていないという飼い主さんも。そこで、今回は不妊・去勢の助成金制度についてご紹介しましょう。

なぜ飼い犬、飼い猫の避妊・去勢手術が推奨されているのか?


現在、環境省では動物愛護に関する法律の中で「犬または猫の所有者は繁殖により適正な飼養ができなくなる恐れがある場合は、不妊・去勢手術をしなければならない」と定めています。

不妊・去勢に関しては道徳的な観点から反対する意見もあるのは事実です。しかしながら、平成26年度に飼い主自ら保健所に子犬を持ち込んだケースが902件、子猫に至っては7704件(いずれも環境省調べ)もある事実は、飼い犬や飼い猫の不妊・去勢の意義をもう一度見直さなければならいことを物語っています。

捨て犬や地域猫の問題も深刻

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もちろん、保健所に持ち込まれるのは飼い主さんがいる子犬、子猫だけではありません。平成26年度だけで所有者のいない子犬が8873匹、子猫に至っては61618匹も保健所送りになっています。

猫の数が断然多いのは、それだけ地域猫の数が多いことや、一度交尾すると何匹も妊娠してしまう猫の性質に影響しているのでしょう。こうした状況を改善するためにも、助成金は地域猫の不妊・去勢に対して、もっとも手厚くサポートしている場合が多いようです。

不妊・去勢の助成事業のいろいろ

実は不妊・去勢への助成金はさまざまな団体が実施しており、地域によって条件や助成される額も異なります。いくつかの例をご紹介しましょう。

自治体が実施している助成金

自治体によって条件がさまざまですが、今回は東京都に例をとってその一部をご紹介しましょう。東京都には助成金の制度はありませんが、都内の市区町村で不妊・去勢に対する助成制度があります。

  • 千代田区/飼い主のいない猫のみ【不妊2万円(妊娠中2万5000円)/去勢1万7000円】
  • 中央区/飼い主のいない猫のみ【不妊2万円(妊娠中2万5000円/去勢1万7000円】
  • 港区/区内で飼育されている猫【不妊8000円上限/去勢5000円上限】
  • 文京区/飼い主のいない猫【不妊2万5000円(妊娠中3万円)/去勢1万5000円】
  • 武蔵村山市/市民の飼養している犬・猫【一律3000円】

ご覧のように助成制度の内容は自治体によって金額や対象が異なります。飼い主のいない猫に対してだけ助成している自治体もあれば、飼い猫・飼い犬に対しても助成する自治体もあります。

共通しているのは、飼い主のいない猫の場合は飼い猫でないことの証明が必要であること、保護ボランディアの場合は認定が必要なこと、去勢よりも避妊の方が助成金額が高いことなどでしょう。

助成を受けるためには自治体の指定病院でなければならない場合もありますので、助成制度を利用する場合には、事前に自治体の関係部署(区市役所の生活衛生課や保健所など)に連絡し、詳細情報を入手しておきましょう。

日本動物愛護協会の助成事業

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2016年1月から新たにスタートしたのが、公益財団法人日本動物愛護協会の「犬および猫の不妊去勢手術助成事業」です。この事業の場合、対象は全国一律で下記の金額が助成されます。

  • 犬の不妊手術/1万円
  • 犬の去勢手術/5000円
  • 猫の不妊手術/1万円
  • 猫の去勢手術/5000円

申請受け付けは4月~翌年3月までですが、毎年予算が無くなり次第終了しますので、現在、手術を検討している方は早目に申し込むと良いでしょう。申請手続きは術後1か月以内に行う必要があります。

申請方法

申請は動物病院で手術を行った後、支払いを済ませた後に行います。申請書、手術証明書、請求書(振込先指示)、領収書(原本)、地域猫の場合は耳カット写真(術前・術後の両方)、申請者の名前・住所を記載したハガキなどを同封して、日本動物愛護協会に送る必要があります。詳細についてはホームページに詳しい説明がありますので、事前にチェックしておきましょう。
日本動物愛護協会 犬および猫の不妊去勢手術助成事業

不妊・去勢は不幸な犬や猫を増やさないためのひとつの選択


年間15万匹以上の犬や猫が保健所に持ち込まれている負のスパイラルをどこかで断ち切らなければならないとしたら、不妊・去勢は一番効果的な手段です。確かに手術台に乗り痛い思いをする犬や猫は可哀想ですが、その代わりに生まれてきた命が絶たれることはあってはならないことです。もし、あなたがペットの不妊・去勢をまだ行っていないのなら、助成金も視野に入れてもう一度、手術について考えてみてください。

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