2016年11月2日更新

【獣医師監修】猫の血管肉腫〜原因・症状と対策

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編集部

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猫の血管肉腫は読んで字のごとく、血管に腫瘍ができてしまう病気のことです。体中に張り巡らされている血管に腫瘍ができてしまうということは、腫瘍ができる場所によってさまざまな影響を体に及ぼすようになります。また血管にできる腫瘍は転移しやすく悪性である可能性も非常に高いものです。愛猫に血管肉腫ができてしまった場合に早期発見・早期治療が行えるように備えておきましょう。

 

猫の血管肉腫の原因

血管肉腫は猫特有の病気ではなく人間でも起こりうる病気です。腫瘍細胞は1日におよそ6000近くも体内で生まれているものですが、通常であれば免疫力が働くことでガンになることなく過ごすことができます。しかし何らかの原因で免疫力が低下してしまうと、腫瘍細胞が排除されずに増殖を続け、ガンを発症してしまいます。腫瘍細胞ができる原因自体は実はまだ研究段階で詳しく特定されているわけではありません。それでも現在腫瘍の原因としていくつか考えられているものがあります。

紫外線によるもの

太陽光に含まれている紫外線はUVA、UVB、UVCと言われる波長に分けられます。UVCはオゾン層を通過することなくほとんど地上に届くことがありませんが、UVA、UVBは90%以上も地上に届きます。そのうちUVAは皮膚の真皮層に作用しタンパク質を変性させ、細胞の物質交代を進行、機能を活性化させてしまいます。その過程で異変と異常をきたしてしまうことで腫瘍が発生すると考えられています。血管肉腫は特に被毛の薄い腹部や内腿で発症しやすくなっています。

遺伝によるもの

ある特定の種での血管肉腫の発生が多く確認されているという報告があり、詳しいことについてはまだ研究中ですが、遺伝的要素が関係しているのではないかと言われています。

原因不明

猫の血管肉腫の多くは原因不明とされることが多く、まだその解明がなされていません。

猫の血管肉腫の症状

猫の血管肉腫は皮膚、皮下、内臓の3つで区別することができます。どこで発症するかによって症状も大きく変わり、内臓系であれば嘔吐などの症状が見られることもありますが、皮膚や皮下での発生の場合症状がほとんど現れないこともあります。

皮膚の場合

皮膚で血管肉腫が発生すると皮膚の色が赤黒っぽい暗い色に変わって見えます。特に被毛の少ない腹部や内腿で発生します。周辺に炎症があるわけでもなく、発生した部分だけが大きく腫れあがったり、変色したりして見えます。

皮下の場合

皮下血管肉腫は体のすべての個所で発生する可能性がありますが、特に血管が集中している個所で発生しやすい傾向にあります。腫瘍はやわらかいものもありますが、コリコリと固く触れられるものもあります。

内臓の場合

内臓血管肉腫は臓器の中でも特に心臓と脾臓に発生しやすいものです。内臓血管肉腫は局所浸潤しやすく、他の場所への転移や波及が起こりやすい特徴があります。特に10歳前後の猫や短毛種の猫での発症率が高く、嘔吐や下痢、腹痛、呼吸困難、咳、無気力、食欲減退などの症状があるとされていますが、症状の出方は一定ではありません。腫瘍は大型化してしまうことがあり、突然破裂してしまい猫が意識を失ってしまったり、死んでしまったりすることもあります。

 

猫の血管肉腫の対策

猫の血管肉腫の治療はどこに腫瘍が発生しているのかによって大きく異なってきます。

外科手術による治療

血管肉腫の多くの場合で外科的手術により直接腫瘍を摘出していく方法が行われます。しかしガンが大きすぎる場合や転移が認められる場合、猫の体力がない場合には手術を行わないこともあります。手術を行っても劇的に状態が改善することはまれで、術後に化学療法が必要になることもあります。

化学療法による治療

ガンの進行度が高い場合や切除が難しい場合、猫の体力がない場合では手術が行えないので、化学療法や薬物療法がおこなわれることがあります。この治療法での完治は難しく、抗がん剤などを服用するのでその副作用が出る恐れもあります。

早期発見による早期治療

血管肉腫の治療で最も大切なのが、早期発見・早期治療を行うことです。ガンがそれほど進行しておらず早期発見ができれば愛猫を守ってあげることも可能です。早期発見を行うためにも日ごろから飼い主が猫の体にマッサージなどを施してあげていると異変に気づきやすくなります。しこりが見つかった時に、むやみに押さえたり、触ったりしているとガン細胞がリンパ管を通って広がってしまう危険があります。異変に気付いた際には早期に獣医師に相談しましょう。

まとめ

猫の血管肉腫はガンの中でも特に厄介なものです。どこにできるのかもわからなければ、気づかないうちに病状が進行してしまっていることもしばしばあります。発症してしまうとほとんど手立てがないといっても過言ではない病気です。愛猫を守るためにも血管肉腫という病気についての知識を深め、普段からスキンシップを測りながら猫の変化に気づいた場合には早急に獣医師に相談するように心がけておくことが大切です。

 
 

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