2016年7月7日更新

【獣医師監修】犬の接触アレルギー〜原因・症状と対策

犬が発症するアレルギーの中には、接触アレルギーと言われる特定のものに接触することで発症してしまうアレルギーがあります。アレルギーはすべての犬が発症するものではなく、何らかの原因で免疫系に異常が起きてしまうことで発症してしまう病気です。その症状や辛さは、どれくらい深刻なアレルギー反応を起こしているかによって変わってきます。犬のことを大切に思っていても、アレルギー経験者でないとその辛さは分かりにくいものです。今回はそんな接触アレルギーについて詳しくご紹介しましょう。

犬の接触アレルギーの原因

犬の接触アレルギーはある特定のものや物質などに体の一部が接触することで接触した部分にかゆみや発疹、脱毛などの症状を引き起こすアレルギーです。原因となってしまうものは犬により様々ですが、ある程度どういったものがアレルギーの原因となるのかを推測しておくことが症状軽減のためには必要です。

アレルギー源によるもの

アレルギー症状は、アレルゲンと呼ばれるアレルギーのもとと接触してしまうことにより引き起こされます。原因となる物質は犬が持つ免疫系が何に反応するかによって変わってきますが、具体的には植物、土、ウッドチップ、繊維片、絨毯、プラスチック、ゴム、革製品、金属、コンクリート、シャンプー、石鹸、洗剤、脱臭剤、除草剤、駆虫薬、ノミとり首輪、薬物などが考えられます。

アトピー性皮膚炎によるもの

既に疾患としてアトピー性皮膚炎を発症している犬では接触アレルギーを発症しやすいといわれています。

ハウスダストによるもの

ダニやカビ、花粉や建材などに使用されている化学物質が原因で接触アレルギーを発症してしまうことがあるといわれています。

犬の接触アレルギーの症状

犬の接触アレルギーはアレルゲンに接触した部分で痒みや発疹、脱毛などの症状が起きます。特に顎下や首、腹回りやわきなどの被毛の少ない部分で発症しやすい特徴があります。他の部分でも症状は出ますが、分厚い被毛で皮膚が守られているため発症しにくくなっています。接触アレルギーを発症するまでには時間がかかり、長期間に渡りアレルゲンに接触し続けていることで徐々に症状が悪化し、飼い主の目にも見えるほど症状がわかるようになります。症状が出るまでに時間がかかるためアレルゲンの特定を行うのは難しく、多くの場合でアレルゲンの特定が行えません。

主な接触アレルギーの症状としては接触部分に痒みが出たり、発疹が出たりし、ひどい痒みのため愛犬が接触部分を引っ掻いたり、頻繁に舐めたりするようになります。また赤い斑点のように接触部分が変化することもあり、場合によっては皮膚に血がにじんでしまうこともあります。接触部分の被毛が抜け落ちることでアレルギー症状が全身に広がっていきます。

犬の接触アレルギーの対策

犬の接触アレルギーの治療では何よりもアレルギーの原因となるアレルゲンを生活空間から取り除くことが重要です。しかし多くの場合でアレルゲンの特定は難しく、長期に渡る病気との付き合いが必要になります。

アレルゲンの特定と除去

アレルギーを引き起こしているアレルゲンを生活環境から取り除くことで症状の軽減が期待できます。アレルゲンとして考えられるものを一つずつ犬の周りから取り除き、アレルゲンの特定を行います。これには注意深い観察と根気強さが必要になります。アレルゲンとして考えられるものを一つ取り除いて一定の期間様子がどうなるのかを観察し、症状が軽減されるようであれば完全にその物質を犬の周りから取り除くようにしましょう。

内服薬による治療

皮膚に起きた炎症や発疹を軽減させるために内服薬を投与します。主に使用される薬物にはステロイドや抗ヒスタミン剤などがあります。副作用が起こる場合もあるので薬による治療の場合は獣医師に相談し、根本的なアレルゲンの除去を行うようにしましょう。

環境の改善

アレルゲンの接触を避けるために、シャンプーなどを行い体についたアレルゲンを取り除きます。また生活環境の改善を行うのもアレルゲン除去に効果があると考えられます。ダニやほこり、花粉を除去するためにもこまめに掃除をし、愛犬の環境を清潔に保つようにしましょう。

まとめ

犬の接触アレルギーは治療が難しく、なかなか改善へと向かわない非常に難しい病気です。劇的な治療薬があるわけでもなく、アレルゲンを特定するのも非常に難しいのが現状です。しかし根気よく愛犬と向き合っていくことで症状が改善されることもあります。異変に気づいたら早急に獣医師に相談し、どのような改善策があるのかを一緒に考えながら付き合っていきましょう。

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