2016年10月2日更新

【獣医師監修】猫の白血病〜原因・症状と対策

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編集部

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猫の白血病は猫特有の病気で、感染すると命の危険もあるほど恐ろしい病気です。予防接種を受けることで発症を防ぐことができ、命も守ることができる病気ですが、いまだにその病気の危険性が飼い主に認識されておらず、手遅れになってしまうこともあります。正しい知識を持っていれば愛猫を守ってあげられる。今回はそんな危険で恐ろしい、猫特有の病気である猫の白血病について詳しくご紹介しましょう。

 

猫の白血病の原因

猫の白血病は血液のガンともいわれている病気で、遺伝子変異を起こした細胞が骨髄で増殖し、血液が正常に作られなくなり、体のあちこちでさまざまな異常を招いてしまうものです。猫が白血病になってしまう原因が猫白血病ウィルスというものです。猫白血病ウイルスはウイルスの一種で、このウイルスに感染することによって白血病を発症してしまうとしられています。この猫白血病ウィルスは英語名のFeline Leukemia Virusの頭文字をとってFeLVとも言われます。このFeLVはレトロウィルス科ガンマレトロウィルス属に属するRNAウィルスで、このウィルスに感染している猫の唾液や血液、体液に触れることで感染が拡大してしまいます。またこのウィルスに感染している母猫から子猫が生まれた場合にも感染してしまいます。

このウィルスは猫にのみ感染するウィルスで、人間や犬などに移る心配はありません。接触感染の場合は飼い主の知らないところで感染してしまっていることも多く、猫同士のケンカや白血病を発症している猫との接触、多頭飼育で食器などを共有している場合などで感染してしまうことがあります。

猫の白血病の症状

猫が白血病を発症するとその元となるウィルスの増殖具合によって症状は変わってきます。猫白血病ウィルスが口や鼻から入ると、のどに存在するリンパ組織を通り血液に流れ、体中をめぐるようになります。その後、骨髄にまで広がり体のさまざまな組織で増殖していきます。免疫力が十分な場合では、リンパ組織に侵入するまでにウィルスが排除されてしまいますが、免疫力の低い猫では骨髄にウィルスが侵入してしまい体のあちこちでさまざまな病気を発症させてしまいます。

急性症状

猫白血病ウィルスに感染してしまうと免疫力の低い猫では症状が急激に悪化していきます。感染してから1か月くらいするとウィルスが全身で増殖するようになり、食欲不振や体重減少、貧血、下痢、発熱、脱水、鼻水、口内炎、リンパ節の腫れなどを発症してしまいます。白血病が進行していくとリンパ腫や腫瘍性疾患、トキソプラズマ症やクリプトコッカス症、ヘモバルトネラ症などの病気を併発してしまうこともあります。

慢性症状

猫の白血病は症状が現れないこともあれば、一度症状が現れたのちに回復したようにみえ、ウィルスが体内に潜伏し続けることがあります。その場合、そのまま寿命を全うする猫もいますが、1~2年後に再発してしまうこともあり、リンパ腫や腎臓病、慢性口内炎、再生不良性貧血、白血球減少症などの症状がみられることもあります。また、白血病に感染している雌猫が妊娠した場合には流産や死産、子猫が早期に死亡するということもあります。

 

猫の白血病の対策

猫の白血病は主にウィルス感染が原因であることがわかっているため、ウイルス感染を予防できるワクチンを接種することで高い確率で発症を防ぐことができます。発症してしまうと高い確率で死に至ってしまう猫白血病ですが、治療方法は基本的にはなく、対症療法になります。

急性白血病の治療

白血病の症状に合わせてインターフェロンや抗生物質、抗がん剤などを使用した治療を行っていきます。貧血がひどい場合には輸血や点滴なども同時に行いますが、最終的には自己治癒力を頼る以外の方法はありません。

慢性白血病の治療

急性白血病から一度回復したのちに再発した場合などには、早急に治療が進められます。再発の場合での死のリスクは非常に高く一刻の猶予もありません。抗がん剤を投与し、化学療法を行うなどしながら余命を伸ばしていきます。

猫白血病ウィルスに感染させないこと

猫の白血病の根治方法がない以上、猫をまずは白血病にさせないことが非常に大事です。予防のためのワクチン摂種を行うだけでなく、白血病ウィルスを持っている猫との接触を避けたり、外での放し飼いを辞めたりすることが重要です。

まとめ

猫の白血病は一度発症してしまうと完治させる方法がない非常に危険な病気です。血液がガンになってしまう白血病は体中の様々なところでその猛威を振るうようになり、非常に速いスピードで愛猫を苦しめて死へと近づけていきます。飼い主が正しい知識を持って愛猫をしっかり守ってあげることが何よりも大切なことで、唯一愛猫を白血病から守れる方法だといっても過言ではありません。どういった病気なのかを良く知り、異変があれば早急に獣医師に相談するようにしましょう。

 
 

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