2016年3月29日更新

【動物看護士が解説】お口の中から健康に!猫の歯磨きの重要性とは?

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

 

飼い猫の歯磨きを習慣づけている飼い主さんはどれくらいいるでしょうか?「そもそも猫に歯磨きなんて無理」と考えがちですよね。しかし、小さい頃から口周りに触ることに慣れさせておけば、猫の歯磨きだって容易に出来るのですよ。口の中の汚れは万病の元です。自宅で出来る限りのケアを初めてみませんか?

 

歯石がもたらす害とは?

人間でも歯石で悩んでいる方は多くいますが、猫や犬も実は歯石が付いて口臭や歯肉炎の元になることがあります。特に猫は犬のように、デンタルガムを噛んだり、ロープをかじって遊んだりもしないので、歯垢は溜まり放題になります。

歯垢は3日で歯石になる

食事をとれば、必ず歯にネバネバした垢、歯垢がへばりついてしまいます。ドライフードを食べる猫よりも、ウェットフードを好んで食べる猫の方が歯垢が付着する量が多いとされています。

この歯垢を付着したまま放っておくと、約3日で石のように硬い歯石になるとされています。歯石になってしまうと、取ることは難しく、専門の医療器具が必要になります。

鼻に穴を開ける

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歯石は歯肉(歯茎)に炎症を起こす原因になります。歯垢は雑菌の集まりですから、歯石も同様に雑菌の塊と言えます。雑菌が歯肉にずっとへばりついていると、感染や炎症を起こすことは容易に想像できると思います。実はこの感染が歯石の一番怖い力なのです。

感染を起こすと、歯の根元まで到達し、歯や周辺の骨を溶かしてしまいます。他の組織も感染によって炎症を起こし膿を溜めます。上顎の上には、鼻腔が通っていますが、特に上の歯が炎症を起こし膿が溜まると鼻腔に穴が開きます

くしゃみや、鼻詰まり、黄色や緑の鼻水を頻繁に出しているときは注意が必要です。風邪を引いているのではなく、歯から来る膿が鼻の外へ出ている可能性があるのです。似たような症状が見られたら、すぐに動物病院に受診してください。

心臓や腎臓も悪くなる

歯石からの細菌感染が広がると、危害が及ぶのは歯周辺の組織だけではありません。細菌が血液にのると、当然全身に広がることになります。特に心臓や腎臓の働きを悪くさせることが知られていて、心不全や腎不全を起こす引き金になりかねません。

健康に気を使っていても、歯が悪ければ内臓も悪くなります。口の中の健康がどれほど大切かおわかりいただけたでしょうか?

歯磨きはしつけが肝心

個性が確立した成猫や老猫に、いきなり歯磨きをしようとしても出来ない猫が多いと思います。本当は子猫の時からしつけるのが一番楽なのですが、だからといって歯磨きを諦めることもしなくて大丈夫です。根気よくしつければ、できるようになります。

スキンシップで慣れさせる

いつものようにスキンシップをする時間がやってきたら、まず背中や頭、猫が好むところをよく撫でてリラックスさせましょう。ある程度時間が経って、猫が安心しきったら、鼻先や口周りを少し撫でてみましょう。

猫はヒゲを触られるのが嫌いな子が多く、これだけでも嫌悪感を示す猫も多いでしょう。口先が触れたら、あまりしつこくせず、いつも通りまた頭や背中を撫でてください。しつけ1回目はこれで終了です。

どさくさに紛れて、歯に触ってみる

口先が容易に触れるようになったら、つぎは少し唇をめくって犬歯あたりに触れてみてください。これもあまりしつこくせず、1回触れたらいつものスキンシップに戻ってください。おやつが好きな猫であれば、触れたらおやつ、というふうにご褒美をあげても良いです。

気長に1つの動作ずつ慣れさせる

焦りは禁物です。意外と簡単に口や歯を触らせてくれたとしても、どんどん先の動作へ進むと嫌がって二度と触らせてくれなくなるかもしれません。

歯が触れたら、歯を撫でてみる。
撫でられたら、奥歯を触ってみる。
というふうにちょっとずつ動作を分割して、しつけていってください。最終的には、ガーゼを巻いた指で歯磨きができるようになったら上出来です。

猫の口は小さいですから、歯ブラシで無理やり磨く必要はありません。ガーゼで歯垢を取り除いてあげれば十分です。

 

すでにある歯石は病院で取る

付いてしまった歯石は自宅で取ることは出来ません。必ず動物病院へ受診して、獣医師に除去してもらってください。歯石除去には全身麻酔や鎮静が必要です。

まだまだ歯が綺麗な子猫や、歯石除去をしてもらった後に、もう麻酔をかけて歯石を取ってもらう必要がなくなるように自宅で頑張って歯磨きをしてみて下さい。

また、自宅でガーゼ磨きが出来たとしても完璧とはいえません。歯周ポケットに歯垢が入り込んでいるので、病院で定期的にかき出してもらう必要があります。自宅で歯磨きになれている猫であれば、病院での処置もスムーズに出来るため、丁寧にやってもらえるメリットがあります。どうしても暴れてしまったり、噛んでしまったりする場合は、丁寧に処置したくても出来ないことがあります。

愛猫の健康を守るためにも、歯磨き習慣をつけてみてくださいね。

 
 

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