2016年3月31日更新

【動物看護士が解説】老犬と暮らすために必要な『生活環境』とは?

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

 

老犬になると、普段普通に過ごしていた空間でも生活しにくくなってしまうことがあります。置いてある家具は障害物となり、廊下は狭く、床は歩きづらくなってしまいます。少しでも愛犬に快適に生活してもらうためには、どんな工夫をしたら良いのでしょうか。

 

通路は広くする

今まで普通に通れていた廊下や家具と家具の間の通路でも、老犬になると通ることができても途中で方向転換のしにくい狭い通路になってしまいます。

若い犬であれば、首を後ろに捻って楕円のような道筋でUターンすることができますが、老犬になるとそういうわけにはいかなくなります。老犬は関節が固くなりもちろん首の動きも悪くなりますので、Uターンしようとしても大きく円を描くようにして動くようになります。

このように動くためには広い通路が必要になり、Uターンできないとなるとその場から動かなくなってしまいます。老犬に限らず、犬にとって後ろ歩きは非常に難しいからです。

広さの変えられない廊下は仕方ありませんが、家具の配置などが変えられるようであれば少し通路を大きく取るようにしてあげましょう。

滑らない床にする

できれば家中クッションフロアやカーペットなどを敷いて、しっかりと爪で地面をつかめるようにするのが理想ですが、かなりお金がかかったり、カーペットは清潔を保つのが難しいので現実的ではありませんよね。

しかし、立ち上がったり、寝転んだりの運動が多い犬のベッドまわり、トイレ、ソファから降りた時の着地点等を滑らないように工夫してあげるのが良いでしょう。

老犬は筋力が低下しているので、滑る床の上で踏ん張って立ち上がったり、寝転んだりすることが出来ません。滑って脚を捻挫したり、小型犬で骨が痩せている犬だと簡単に骨折してしまいます。防ぐことのできる怪我は是非時前に手を打って防ぐようにしてください。

 

家具の角に気をつける

老犬になって視力が悪くなったり、目が見えなくなったりすると歩きながら物にぶつかることが多くなります。それぞれ犬種によって、ぶつかると怪我をする場所は異なりますが、鼻の短い犬種は特に注意が必要です。

物があるかどうかは、体を添わせたり、鼻がぶつかって初めて気付きますので、鼻の短い犬種だと鼻をぶつけるのと同時に眼を傷つけてしまうことがあります。

角膜に穴が開いたり、感染を起こしたりして、なかなか完治しない状態に陥ることもありますので、家具の角はなめらかになるようにガードしたり、緩衝材を付けておくことをお勧めします。

木の家具を使っていて、むかし犬が家具をかじっていた、なんてことがあると鋭い木の破片が飛び出ていることがあるので非常に危険です。一度犬と同じ目線になってみて、危険なところはぶつかっても衝撃を和らげられるような工夫をすると良いでしょう。

動ける範囲を区切るのも1つの手段

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老犬になり、家に様々な工夫をすることができない場合は、思い切ってケージで動ける範囲を決めてしまうのも1つの手段です。

ぶつかったり滑ったり、つまづいたりしない範囲で動けるようにしてあげると、留守番中や様子を見ていられない時間も安心して過ごすことができます。ただし、ケージで区切って運動量が減ってしまうのはあまり望ましくないので、様子を近くで見ていられる時間は家中を好きに歩かせてあげたり、散歩に連れて行ってあげると良いですよ。