2016年6月27日更新

ボクサーの寿命はどのくらい?長く一緒にいるためには?

幅の広い頭と短く丸みのあるマズル、ちょっと用心深げな表情が特徴のボクサー。優雅さと力強さを併せ持った姿形が魅力ですね。近年は犬の健康への関心も高まり犬の寿命が延び、高齢化も進んでいるといわれています。

健康で長生きをするためにはどうしたらよいか?長寿の秘訣やシニアの注意点などを調べてみました。

ボクサーの平均的な寿命は?

ボクサーの平均的な寿命は10歳~12歳だといわれています。ブルドッグが8歳~10歳、ロットワイラーが8歳~10歳といわれているので、同じような犬種の中では寿命の長い犬だといえるかもしれません。

ただしあくまでも平均寿命は1つの目安であって、犬の寿命はその犬の持っている体質や病気、育った環境によって異なります。とくに最近は犬の医療も充実してきていますし、市販のドッグフードも種類も質も向上していますので、寿命を越えて長く生きている犬も増えてきています。飼い主との生活の仕方次第では、長く一緒に過ごすことができるかもしれませんね。

元気で長生きのポイントは?

どうしたら少しでも長く健康でいられるのでしょう?健康寿命を延ばすためのポイントをいくつかご紹介します。

心臓の疾患が多い

ボクサーは心臓疾患が多い犬種だといわれています。主なものは次の2つです。

突発性の拡張型心筋症

ボクサーのような大型犬に多い病気です。大型犬は体の大きさの割に内臓が小さく、小型犬よりも臓器への負荷が大きいといわれています。そのなかでももっとも負担がかかるのが全身に血液を送っている心臓です。小さな心臓で大きな体に血液を送っているので、普通に生活していても負担が大きくなってしまうのです。そのため突発性の拡張型心筋症になるケースが非常に多いようです。

拡張型心筋症は明確な予防方法がなく初期段階では特に目立った症状が見られないため、気が付いた時には手遅れになっていることが多くあります

心房中隔欠損症

心房中隔欠損症は拡張型心筋症とは異なり先天性の病気で、胎児や出生後に心臓の左心室と右心室を隔てている中隔が十分に成長せずに、孔が空いたままになってしまう病気です。孔が小さい場合は特に症状が現れるようなことはないのですが、孔が大きかったり他の病気と併発しているような場合は、チアノーゼをおこしやすい、意識障害がおこるなどの症状がみられるようです。

この病気も予防することが難しく、気が付かずにフィラリア症などと併発した場合などは重篤な状態になってしまいます

犬の癌にも注意が必要!

ボクサーは癌の発症も多いといわれています。主なものは次の2つです。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫とは、免疫力が低下していたり体が弱っているような状態の時に、本来リンパ節が排除するべき癌細胞を撃退することができずに、リンパ節がガン化してしまうことで発症する病気です。犬の悪性リンパ腫の場合は、癌細胞が増殖をしながらリンパ管をとおって血液に流れ込み、やがて全身に癌細胞が広がっていってしまいます。このことから血液の癌ともいわれています。

悪性リンパ腫になる原因は解明されていないためはっきりとした予防法はありません。免疫力を上げるような生活を心がけること、早期に発見することで早い段階で抗がん剤の治療を始めることが、最善の方法だといわれています。

悪性リンパ腫ができやすい個所は顎や脇、足のつけ根のリンパ節だといわれています。毎日犬のブラッシングや口腔内のケアをしながらできやすい個所を中心に、全身に腫れやしこりがないかをチェックしてあげましょう

骨肉腫

骨肉腫は骨にできる癌のことで、激しい痛みが生じ足を引きずったり、患部の骨が腫れるなどの症状がみられます。また進行がとても速く転移しやすいので、気が付いた時にはすでに肺などに転移してしまっていることが多いようです。

骨肉種が発症する原因は分かっていませんが、ボクサーなどの大型の犬種に多いことから、過重による骨の消耗が原因ではないかといわれています。

はっきりとした原因がわかっていないため予防することは難しいのですが、滑りやすい床にはカーペットを敷く、寝床には低反発のクッションを置いてあげるなど、できる限り足や腰に負担をかけないように生活することが大切なようです。また早期発見・早期治療が大切な病気でもあります。異常を見つけるためには健康な状態をしっかりと把握しておくことが必要です。日ごろから犬の様子をよく観察しましょう。

大型犬にとってもっとも恐ろしい胃捻転

ボクサーのような大型の犬種の急死の原因で多いのが胃捻転です。症状が現れてから数時間で死に至る可能性のある病気で、気が付かずに放置をすれば確実に命を落としてしまいます。

胃捻転とは胃の1部が何らかの原因で捻じれをおこし、血流が止まって壊死を起こしてしまう病気です。捻じれる際に脾臓などの周囲の臓器を巻き込んでしまうことがあり、巻き込まれた臓器も一緒に壊死をおこしていきます。胃捻転が発生するメカニズムははっきりとわかっていませんが、生活の中でいくつかのポイントを注意することで、発症を抑制することができるといわれています。主なものをいくつかご紹介します。

  • 1度にたくさんの量を食べさせないように何回かに分けて食事をさせる
  • 犬の首が水平な状態で食べられるように、高さのあるスタンドを用意する
  • 食事の前後1時間は安静にさせる
  • 運動後の飲み水の量は400cc程度と決めておく
  • ドライフードを食べさせるときはふやかしてから与える

とにかく胃捻転は時間との勝負の病気です。吐き気があるようなのに吐しゃ物を出すことができない、落ち着きなく動き回る、腹部を舐め続けるなどの症状がみられたら、すぐに動物病院へ連れて行ってあげましょう。ただあまりはっきりとした症状を表さない犬もいるようですので、骨肉腫と同じように日ごろからよく犬の状態を観察し、いつもの様子を把握しておくことが大切です。

ボクサーの場合はこの他にも熱中症やクッシング症候群など、注意しておきたい病気が多くあります。子犬を迎え入れたときから定期的に心臓なども含めた検診を受けることをおすすめします。

また胃捻転の場合は緊急を要することと、経験がないことなどから発症している状態なのに診察を断られてしまうようなケースもあるようです。大型犬の診察経験が豊富で、胃捻転や拡張型心筋症など大型犬がかかりやすい病気に精通し、24時間夜間も診察してくれる病院を見つけておくことも重要です。

シニアになったら注意してあげたいこと

はっきりとした理由はいまでもわかっていませんが、ボクサーのような大型犬は小型犬より老成が早いといわれています。そのため大型犬は小型犬よりも早い5歳~6歳からはシニア期に入ったと考え、少しずつ生活を切り替えていくとよいようです。

ボクサーは若いころはとても多くの運動量を必要としますので、1日2回1回1時間のジョギングや自転車で並走するような早や足での散歩が必要になります。しかしシニア期に入ってもこのペースを続けていると、足や腰に負担が大きく椎間板ヘルニアなどを誘発してしまいます。急に運動量を減らすのはストレスの原因になってしまう可能性もありますので、ジョギングや自転車の使用をやめて歩くペースの散歩に切り替えるなど、少しずつ年齢にあわせた運動量にしてあげましょう。

また食事も硬さとカロリーに注意した、シニア食へと切り替えてあげるとよいようです。

ボクサーの場合は子犬の頃から定期的に健診を受けることをおすすめしましたが、シニア期に入ったら健診の回数を増やしてあげるとよいですね。できれば半年に1度くらいのペースで受けるとよいでしょう。

長く一緒にいるためには

ボクサーは色々と気をつけなければならない病気があることをご紹介しましたが、だからといって体が弱い犬種だというわけではありません。

長く一緒に過ごすためにはかかりやすい病気を理解し、日常生活の中でできることをしっかりとやっていくことと、定期検診を忘れずに受けることが必要なのです。

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