2016年4月11日更新

トラブルを避ける工夫が必要! 獣医師が教える、犬とネコを一緒に飼うときのコツ

犬と猫はあまり仲が良くないイメージがありますが、家族の中で犬派と猫派がわかれていて両方を飼いたい家庭が増えていると言います。「犬と猫は、種が異なる動物です。同居させるには、それぞれの習性を理解し、住環境や生活スタイルを整える必要があります」と話すのは、V.C.J.代官山動物病院でペットの行動問題の治療やしつけ方の指導を専門に行う行動診療科担当の藤井仁美獣医師。詳しいお話を聞きました。

犬は生後3~12週、猫は2~9週が「社会化」に最も適した時期

藤井獣医師はまず、犬と猫の習性の違いとお互いに慣れさせるのに最適な時期について次のように説明します。

「犬は群れで生活する社会性のある動物ですが、猫は単独行動をとる動物です。犬と猫が同じ家で、自分にとって害のない相手として容認し合うには、幼少期に互いに慣れさせる『社会化』を行う必要があります。社会化に適した時期は、犬では生後3~12週、猫では生後2~9週です」

その時期を逃すと、犬と猫をいっしょに飼うことは難しいのでしょうか。「猫には専用の静かな部屋を用意する、犬は毎日散歩や遊びでストレスを発散させるなど、それぞれの習性に合う環境を整えれば、同時に飼うことはできます。ただし、社会化期を過ぎてからでは、犬と猫が自然に仲よく遊ぶことは難しくなってきます。また、犬が猫をしつこく追いかける、猫が犬を引っかいてケガをさせるなどのトラブルが起こりやすいので、飼い主がそうならないように管理を徹底する必要があります」と、藤井獣医師。

次に、環境の整備や管理は具体的にどのようにすればいいのかをお尋ねします。

犬と猫の生活空間を分け、猫には専用スペースを用意する

「トラブルなく暮らすためには、飼い始める時期に関わらず次に挙げる点に注意してください」と話す藤井獣医師は、「犬と猫をいっしょに飼うためのポイント」を5つ挙げます。

(1)犬と猫の生活空間を分ける

犬が1階、猫が2階というように生活空間を明確に分けられる住環境が望ましいです。マンションの場合、ワンルーム、1LDKではお勧めできませんが、2LDK以上の部屋数があれば、1部屋を猫用の部屋にして、犬と猫の生活空間を分けるように工夫しましょう。

(2)猫専用スペースを用意する

猫には、犬が入れない専用の部屋を用意するか、室内にベビーゲート(室内での事故防止のために使う乳児用の柵)を設置して専用スペースを作り、排泄と食事はそこでさせます。また、猫は静かな環境を好むので、洗濯機、水洗トイレのそばなど、大きな音がする場所は避けてください。

ただし、猫専用のスペースを用意しても、犬がにおいに誘われて侵入して、猫の食事や便を食べる、猫のトイレを荒らすこともあります。対策として、トイレには尿で固まるタイプの猫砂を使用して汚れた部分はすぐに除去し、7~10日に1度はトイレを洗って猫砂を入れ替えましょう。食事は、出窓や家具の上など、犬が届かない高い場所に置くと安心です。

(3)犬には、指示で犬小屋(ハウス)に入るしつけをする

犬は飼ったその日からハウスに入る練習をさせ、留守番、就寝時はもちろん、家族が家にいるときも、指示を出せばハウスに入るようにしつけます。あわせて、散歩や遊び、トレーニングなどを毎日行って犬の欲求を十分に満たすと、猫に対する余計な興奮を抑えることができます。

(4)共同のスペースにキャットタワーを設置する

リビング、ダイニングルームなど、犬も猫も出入りする部屋の眺めのよい場所に、キャットタワー(寝床や遊び場、上下運動に使えるタワー型の猫用品)を設置します。すると、猫は高い場所から部屋の様子を観察し、犬から距離を置くことができます。猫が犬を避けながら移動できるよう、壁沿いの高い位置にキャットウォーク(猫の通り道)を作ってもよいでしょう。

(5)飼育・管理に十分な時間を割く

(1)から(4)の環境の整備や管理には、時間と手間がかかります。犬と猫がケンカをしないように、どちらかが嫉妬しないように愛情を注ぐには、飼い主の生活時間や心にゆとりがないと難しいでしょう。仕事や学校で日中は家を不在にしている場合や、動物たちを1日6時間以上、週5日以上留守番させることになる場合は、犬・猫をいっしょに飼うのはお勧めできません。

最後に藤井獣医師は、次のようにアドバイスを加えます。「すでに犬と猫の両方を飼っていて、猫が攻撃的、または、犬が猫を追いかけ回す、猫のトイレを荒らす、猫の食事を食べるなどのトラブルが発生している場合は、環境や管理の仕方に改善が必要です。(1)から(5)を実践しても解決しないときは、獣医師に相談してください」

犬と猫が仲よく遊ぶ姿はほほ笑ましいものですが、お互いが快適に過ごすには、慣れさせる時期や生活環境の管理など、配慮するべきことが数多くあるようです。飼う前に(1)から(5)のポイントを慎重に検討し、すでに両方を飼っている場合もこれらのことを見直しましょう。

記事提供:トラブルを避ける工夫が必要! 獣医師が教える、犬とネコを一緒に飼うときのコツ

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