2016年3月29日更新

ペットも要注意?! 獣医師が教えるワンちゃんネコちゃんの正しい花粉症対策

春になると、目のかゆみ、鼻水などの花粉症の症状に悩まされますが、犬や猫にも花粉の影響はあるのでしょうか。「犬・猫ともに花粉症になることが分かっています。ヒトと違って、皮ふ炎の症状が多いのが特徴です」と話すのは、獣医師で、V.C.J.代官山動物病院(東京都渋谷区)の朴永泰(パクヨンテ)院長。詳しいお話を聞いてみました。

犬・猫には、花粉が原因の「アレルギー性皮ふ炎」が多い

ヒトと犬・猫の症状の違いについて、朴獣医師は、次のように説明します。

「ヒトの場合は目や鼻の粘膜に花粉が付くことで、主に目のかゆみ、くしゃみ、鼻水などの症状が現れます。一方、犬・猫には、花粉が皮ふに付着して目や口の周り、耳、脚、おなかなどに、かゆみ、赤み、腫(は)れ、脱毛などが生じる『アレルギー性皮ふ炎』の症状が多く見られます。また、犬にはまれですが、猫には鼻水やくしゃみ、せきなど呼吸器の症状が出ることがあります」

犬・猫の体に皮ふ炎の症状が出た場合、花粉症かそうでないかを見分けることはできるのでしょうか。朴獣医師はこう続けます。

「犬・猫の花粉症が多い時期は、スギ花粉が飛ぶ2月~3月頃、ヒノキ花粉が飛ぶ4月~5月頃、イネ科植物の花粉が飛ぶ5月~6月頃、ブタクサ花粉が飛ぶ8月~10月頃です。
これらの時期に急にかゆがる、散歩に出たときや家族が帰宅した直後にかゆがるといった様子が見られたら、花粉が原因のアレルギー性皮ふ炎の可能性があります」

犬・猫は皮ふに花粉症の症状が現れるということです。次に、防ぐことができるのかが気になるところです。

花粉が多い時間帯の散歩を避け、家に入る前に花粉をはらう

ヒトの場合はマスクをする、空気清浄機を使うなどの花粉症対策がありますが、犬・猫ではどのような方法が有効なのでしょうか。

「ヒトと同様に、花粉に接触しないことがポイントです」と言う朴獣医師に、「自宅でできる犬・猫の花粉症対策」を挙げてもらいました。

(1)花粉が多い日、時間帯の散歩、外出は避ける

花粉の飛散は、昼の14時前後と日没後18時~19時までに特に多く、早朝や深夜には少ないと言われています。また、気温が高く晴れた日、空気が乾燥していて風が強い日、雨上がりの翌日も、飛散量が増えると言われています。
花粉の飛散が多いと予想される日や時間帯には、犬の散歩は避け、猫は外に出さないようにしましょう。外飼いの犬は、花粉が多い日や花粉の季節だけ玄関先に入れるといいでしょう。

(2)花粉をなるべく室内に入れない

散歩や外出から帰宅したら、屋外でヒトの衣服、犬・猫の体をはらう、タオルで拭く、ブラッシングするなどして、花粉を落としてから家に入りましょう。それでも室内に入ってくる花粉は、空気清浄機を使う、こまめに掃除をするなどして除去してください。

(3)全身を覆う洋服を着せる

散歩や外出時に犬・猫の全身を覆う洋服を着せると、花粉が毛や皮ふに付くのを防ぐことができます。帰宅時には衣服に付いた花粉をはらい落としましょう。

(4)皮ふの乾燥を防ぐ

皮ふが乾燥すると、花粉や細菌などの異物の侵入を防ぐバリア機能が弱まり、皮ふ炎の症状が起こりやすくなります。対策としては、犬・猫専用の保湿スプレーを使う、体を洗うときは洗浄力の弱い敏感肌用のシャンプーを使う、加湿器を使って室内の湿度を40%以上60%以下に保つなどの方法があります。

これらの対策をしても、皮ふ炎、くしゃみ、せきなどの症状がおさまらない、花粉症かどうかの判断がつかない場合について朴獣医師は、「動物病院を受診し、症状を伝えてください。花粉が原因かどうかを探るアレルギー検査を行う、皮ふのかゆみを抑える抗炎症剤を処方する、症状に合うシャンプーを勧めるなどの診療をします」とアドバイスを加えます。

2月末頃から筆者がくしゃみをし始めると、飼っている犬にも、目の周りをかく、おなかをかゆがる、皮ふが赤くなるなどの症状が見られました。「(1)から(3)は、ヒトの花粉症対策にもなります」(朴獣医師)とのことなので、散歩は花粉が少ない早朝に済ませ、散歩後に体や衣服をはらう、こまめに部屋の掃除をするといった対策を徹底し、犬・猫とともに症状を改善したいものです。

記事提供:ペットも要注意?! 獣医師が教えるワンちゃんネコちゃんの正しい花粉症対策

ペット生活 獣医師



獣医師

ペット生活編集部の獣医師アカウント。ペットとの暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

関連記事

【ドッグトレーナーのためになるお話】春の散歩とマナー

2016年の春。みなさんはどのようにお過ごしですか。 例年に比べ今年は長く桜が楽しめました。 イヌのトレーニング(しつけ)とマナーについてコラムを書かせていただきます、Dog index……

犬に関する春の注意

正しい散歩、できてますか?小型〜大型犬、季節ごとの散歩のルール

愛犬にとってお散歩は運動不足やストレスを解消し、健康的な生活を送るためには不可欠なものです。しかしただ歩けばいいという訳じゃなく、散歩の中できちんと愛犬との関係性を保ってルールを教えていくこ……

犬に関する夏の注意

【獣医師監修】実は危険な「春の愛犬の熱中症」に要注意!症状・対策法をご紹介します。

だんだんと暖かくなってきて過ごしやすくなってきたこの時期、愛犬とのお出かけが増えた人も多いのではないでしょうか。 この時期に増えてくるのが熱中症の症状を訴える犬たちです。熱中症は真夏だ……

犬に関する春の注意

ストレス?換毛期?病気?犬猫の抜け毛について獣医師が詳しく教えます!

春に増える、犬や猫の抜け毛。犬種・猫種によっては、ごっそり大量の毛が抜けることもあり、家の中が毛だらけで毎日の掃除が本当に大変、という方もいるでしょう。春は換毛期といって、犬や猫の毛が生え変……

ペットも要注意?! 獣医師が教えるワンちゃんネコちゃんの正しい花粉症対策

春になると、目のかゆみ、鼻水などの花粉症の症状に悩まされますが、犬や猫にも花粉の影響はあるのでしょうか。「犬・猫ともに花粉症になることが分かっています。ヒトと違って、皮ふ炎の症状が多いのが特……

犬に関する春の注意

意外と多い『春先の熱中症』について獣医師が解説!!

寒かった冬も終わりが近づき、暖かい日が増えてきましたね。実は春先は、『熱中症』を起こしてしまう愛犬が増えてくる時期でもあります。熱中症は、暑い夏だけの問題ではないのです。今回は、意外と多い、……

望まない妊娠を防ぐため。発情期の雌犬について獣医師が詳しく教えます!!

避妊をしていない雌犬の多くは、年に2回の発情期を迎えます。避妊をしていない雌犬が避けては通れない、発情期のケアについて一度見直してみませんか?発情期を迎えた雌犬には、発情出血が見られたり、神……

見た目よりもよく食べる?ヨークシャー・テリアのエサの量について

動く宝石ともいわれる美しい被毛を持つヨークシャー・テリア。気品のある風貌から食事も上品にちょこちょこっと食べるのかな?というイメージがありますね。実は意外と食欲旺盛な犬が多いようなのです。今……

犬に関する秋の注意

犬猫の花粉症。春の訪れとともに現れる体調不良…

冬が終わりを告げ桜の開花予想や様々な花が咲き始めると春の訪れを感じられるようになります。 外が暖かくなると窓を大きく開けて気持ち良い空気をお家の中に取り込む様になるのですが、外の空気を吸う……

犬に関する春の注意

『春』は冬に溜め込んだ不要なものをデトックスする季節

東洋医学は、中国を中心とする東アジアで行われてきた伝統医学です。犬のケアとしてツボ経絡マッサージ、温灸、薬膳などご家族ができる補完・代替療法として注目されています。 東洋医学では、自然界の……

犬種ごとに『発情期』に違いはある?獣医師が解説します!!

犬は年に2回発情期があるということを聞いたことがある人は多いでしょう。それでは、年に1回しか発情期を迎えない犬種があることは知っていますか?また、初めての発情を迎える時期に小型犬と大型犬で違……

メス犬の去勢手術

犬や猫も花粉症になるの…?そんな疑問に獣医師がお答えします!!

くしゃみが止まらない。鼻水が止まらない。目がかゆい。毎年春になると、花粉症の症状に悩まされる人も多いでしょう。今年も、辛い花粉症の季節が近づいてきました。ところで、犬や猫に花粉症があるのか、……

暖かくなる春先は特に注意!愛犬の拾い食いをやめさせるコツ

今月より、コラムを担当させていただくことになりましたDog index ドッグトレーナーのMIKIです。家庭犬と暮らすみなさまの、身近でよくあることや不安に思うことをわかりやすくお伝えしたい……

【獣医師が解説】なんだか気分が落ち込む『五月病』もしかして犬猫にもあるの…!?

ゴールデンウィークが近づく頃になると、なんとなく気分が優れない、なんとなく憂鬱になる、無気力になる、食欲が落ちる、といったいわゆる「五月病」に悩む人もいるでしょう。ところで、犬や猫にも「五月……

引越しや模様替え…環境の変化による愛犬の『粗相』に対するしつけとは?

「トイレさえできれば・・・」犬と暮らしはじめたら誰もが一度は感じることだと思います。粗相や、その後の片付けにストレスを感じる人も少なくありません。 春になり、お引越しをする方や、新しい……

犬に関する春の注意