2016年4月2日更新

【獣医師が解説】シニア犬になっても健康でいるために、今からできること

飼い主さんの健康維持に対する意識の高まりや、獣医療の進歩とともに、犬も以前に比べて長寿になってきました。愛犬には長く健康でいてほしいものですよね。今回のテーマは、シニアになっても健康でいるために、若い時期から心がけておきたいことについてです。

シニア期の犬に見られる徴候

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シニア期に入ると、全身に様々な変化が現れ始めます。目の周囲から頭部にかけて白髪が増えてきたり、毛艶や皮膚の弾力が低下したりといった変化がその一例です。

目や耳の機能が低下するほか、歯周病も増えてきます。また、筋力が低下し、活発さがなくなります。中でも、生活をする上で問題になることが多い変化は、足腰の力が衰えることです。後ろ足が震えやすくなり、時には、立ったり歩いたり、排泄したりする時に介護が必要になることもあります。

そのほか、加齢を原因のひとつとする様々な病気にかかりやすくなるほか、免疫力の低下による感染症のリスクも上がります。加齢に伴って起こるこうした変化のほとんどは、完全に防ぐことはできないものです。そのため、少しでもこうした変化を抑えて快適に暮らせる期間を伸ばすには、若い時期からの健康的な生活習慣が大切です。

健康的なシニア期を迎えるため、若い時期から心がけたいポイント

足腰を強く保つためには?

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加齢に伴う筋力の低下や関節炎などが原因で、シニア期には歩行が難しくなることがよくあります。シニア期に入ってもできるだけ足腰を強く保つためには、若いうちから、肥満を防ぎ、必要な筋肉をしっかりとつけておくような生活習慣を心がけてください。

体重コントロールを行い、適度に運動をさせましょう。大型犬などの関節炎を起こしやすい犬種の場合は、特にこうしたことを心がけておくことが大切です。ただし、関節や脊椎などに疾患のある犬の運動については、必ず獣医師の指示に従うようにしてください。また、体調が優れない場合や、持病がある場合も無理は禁物です。

★関連記事【関節を健康に保つためには予防が大切!愛犬のための手作りレシピまとめ♪

毎日の健康チェック

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毛、皮膚、目、口、耳をはじめとして全身をよく観察しましょう。シャンプーやブラッシングをしながら、毎日全身のチェックを行なうといいでしょう。体全体を触られることに若いうちから慣れておくようにしてください。

若い時は1年に1回、シニア期は半年に1回は健康診断を

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問診から血液検査、尿検査、心電図検査などを含めた健康診断を定期的に受けるようにしてください。若いうちは1年に1回、シニア期に入ったら半年に1回は健康診断を受けましょう。加齢とともに徐々に進行する内臓機能の低下は、外から見ただけではわからないものです。

また、加齢が原因のひとつとなるほとんどの疾患は、慢性経過をたどることが多く、治療にも時間がかかります。定期的な健康診断を受けることで病気の早期発見に努めましょう。

予防できる病気は予防する

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予防できる病気は予防するようにしましょう。各種伝染病の予防接種、フィラリア症対策、ノミ・マダニ対策は、必ず獣医師の指示どおりに継続してください。また、繁殖を望んでいないのであれば、適切な時期に不妊手術を受けておくことも大切です。ただし、疾患をかかえている場合のワクチン接種については、獣医師とよく相談するようにしてください。

毎日の歯磨きを習慣づける

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シニア期の犬は歯周病を起こしやすくなります。歯周病は歯や歯肉に問題を起こすだけではありません。繁殖した細菌が血流に入り、内臓に悪影響を及ぼすこともあるのです。歯石の沈着は毎日の歯磨きの習慣で予防できます。若いうちから、口を触られることに慣れさせておき、毎日の歯磨きを習慣にしましょう。

若い時期からの心がけで快適なシニア期を迎えましょう

愛犬の健康は飼い主の手にかかっているといってもいいほどです。快適なシニア期を迎えるために、若い時期から日々の健康管理に努めましょう。

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