2016年12月22日更新

ペットは8週齢まで親元に!「8週齢規制」札幌市で全国初めて条例化

子犬や子猫の成長には母親の存在は不可欠です。特に生後8週間は、人間との生活に無理なく馴染める社会性を身につけ、健康な体を作るためにも親兄弟と一緒に過ごすことが望ましいとされています。2013年9月1日には動物愛護法の改定により、子犬、子猫を56日間親元で過ごさせる「8週齢規制」が定められました。しかしながら、この措置には緩和条件が付帯しており、実際には8週より短い45日程度でも売り買いができると解釈されてきました。そんな中、札幌市が全国で初めて「8週齢規制」を条例に盛り込み話題を呼んでいます。今回は、「8週齢規制」と札幌市の取り組みについてご紹介しましょう。

「8週齢規制」とはどんな規則?


人間と同様、犬や猫の場合も生まれてからすぐに、親元から離れてしまうとその後の成長に大きな影響があると言われています。子犬や子猫は生後8週間の間に親や兄弟と過ごすことで攻撃する際の手加減や仲間との共生などの社会性を身につけていきます。

また、医学的にも生後すぐに母親から飲ませてもらう母乳には幼い動物を病原菌から守る免疫力があると言われていますが、この効果は約8週間続くと言われています。こうした具体的見地から定められたのが、動物保護法の「8週齢規制」です。「犬猫等販売業者(販売の用に供する犬又は猫の繁殖を行う者に限る。)は、その繁殖を行った犬又は猫であって出生後56日を経過しないものについて、販売のため又(また)は販売の用に供するために引渡し又は展示をしてはならない」という法律でした。

せっかくの法律に実は抜け穴が!

しかしながら、この法律にはブリーダーやペットショップに配慮した抜け穴がありました。同じ動物愛護法の中には別に「法施行後3年間は45日、その後法律に定める日までの間は49日と読み替えて適用する。」という条項が設けられています。この条項に従えば2016年8月までは45日、それ以降でも暫定的に49日になったら子犬、子猫を販売しても良いということになり、せっかくの「8週齢規制」は実は絵に描いた餅になってしまっていたのです。

ちなみに欧米では「生後8週間はペットを親元で育てること」という規制が常識として守られており、8週齢前に子犬や子猫が売られることはありません。

札幌市が条例で塞いだ抜け穴

あやふやな状況が続く中で注目されたのが、北海道札幌市の議会に提案された条例案。この条例では、「犬と猫の飼い主(ブリーダーやペットショップ含む)に対して生後8週間は、親子を共に使用するように努めることを義務付ける」と一歩突っ込んだ表現になっています。

現在、札幌市ではブリーダーやペットショップに「犬猫等健康安全計画」の提出を義務付けていて、そこに生後何日まで飼養したのかを記入するように指導していますが、条例施行後はその日数が「8週間以上」になるようさらに指導するとのこと。8週に満たない子犬や子猫を売る業者には一層厳しい目が向けられるようになるでしょう。この条例については自民党、民主党・市民連合、公明党が党派を超えて賛成の意向を示していますので、条例施行の可能性は非常に高いと言えるのではないでしょうか。

「8週齢規制」は他の自治体にも広がるか?

「8週齢規制」を現実的に意味のあるものにしようとする動きは過去に他の自治体にもありました。例えば東京都では一部の都議や動物愛護団体が2013年~2014年にかけて都条例による「8週齢規制」の実施を試みましたが、「地方自治体の条例を国の法律を上回る内容にすることはできない」という理由で実現しませんでした。

大阪府でも同様に「8週齢規制」を条例化することを模索していますが、国の法律が49日ルールを認めていることが壁となって条例化が進んでいない現状があります。国の法律に一歩先んじた札幌市の動きはこうした状況に影響を及ぼす可能性がある事例として、今後注目を集めるでしょう。

何よりも生まれてくる子犬、子猫のために


「8週齢規制」の必要性についてはその真偽を問う声もあがっていますが、子犬や子猫にとって生後しばらくは親と一緒にいた方が良いことは多くの獣医師が認める事実です。幼い方が売れるからと、2ヶ月足らずでショーケースに入れられ、売りに出されてしまう現状はやはり再考しなければならないでしょう。長い目で見れば飼い主さんにとっても社会性があって健康に育った犬や猫の方が良いはずです。札幌市の動きが今後どのように発展していくのか見守りたいですね。

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