2016年12月2日更新

【獣医師監修】【全身の症状】猫の体重減少・やせてきた時に考えられる病気

ペット生活

ペット生活

編集部

ペットとの暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

 

人間と同じく、猫の体重も毎日多少の増減はあるものです。でも、急激に体重が減少したり、もとの体重に戻らず徐々に減っていく一方という場合には、何らかの病気が疑われます。体重は、ことばが話せない猫にとって、健康状態のバロメーター。単純に生理的な現象なのか、病気によるものなのか確実に把握をする必要があります。放置して手遅れになることがあっては、大変です。
猫がやせる原因や、考えられる病気について見ていきましょう。

 

猫の平均体重は?どんな状態なら正常?

猫_素材
猫も種類によって平均体重は異なりますが一般的な猫の場合、生まれた直後は100~120gほど。生後1ヶ月くらいまでは、約100gずつ増加していきます。1ヶ月を過ぎると急激に成長が加速し生後6ヶ月では、約2.5~3.0kg。1年で大人の体重に達します。1歳以降の猫の平均体重は3.5kg~4.5kg。この時の体重が基本となり、年齢を経てもあまり変化しないのが理想的です。健康的な猫は、一時的に食欲が落ちるようであっても、体調の改善とともに体重も元に戻ります。飼っている猫の平常時の体重を、確認しておくことが必要となります。1度きりではなく毎月定期的に計ることで、季節ごとのおおよその推移の目安にもなります。

猫の体重が減少する原因

猫の体重は、季節やさまざまな要因でも多少の推移がみられます。体重の減少が元の体重の5%未満であれば、正常な変化の範囲です。猫の体重が減ってしまう原因としては、夏場の食欲不振が挙げられます。その他には、下痢をして脱水症状を起こしている場合や、胃腸障害、栄養の吸収が何らかの要因で妨げられている、などが考えられます。同じ体重の減少であっても病気によっては、「餌の量が変わらないのに体重が減り続ける」、「急激に大きく体重が減る」というように違いがあります。また、体重だけが減っていて他の様子は変わらない場合と、毛の艶が失われ目にも力が無いなど、全体症状が現れる場合とがあります。

 

猫の体重が減り続ける時に考えられる病気

猫の体重に減少がみられる際、疑われる病気には次のようなものがあります。

腎不全

水を以前よりもたくさん飲んでいて、体重が減っている場合は腎不全の可能性があります。腎臓が正常に働かず、尿毒症を併発します。急性の場合は食欲が落ちて、水を良く飲む割に尿の量が減ります。元気がなくなって、おう吐が多くなることもあります。猫は年齢が高くなるにつれて、腎臓病のリスクが高くなります。7歳頃から定期的に健診を受け、予防に努めましょう。

甲状腺機能亢進症

代謝を促進する甲状腺ホルモンの分泌量に異常起こる病気です。心臓の活動が激しくなり、人間でいうところの頻脈になります。エネルギー消費が多くなるため、多食多飲になりますが、体重は減っていきます。大量に糞をするのが特徴です。肝臓・腎臓の病気としばしば間違われるようです。一種の興奮状態が続くため、鳴き声が大きくなったり。異常行動が見られる場合もあります。

肝リピドーシス

脂肪肝とも呼ばれます。脂質代謝異常がおこり、肝臓に脂肪が蓄積した状態です。ほとんど何も食べなくなり、下痢やおう吐、便秘がくり返されます。目や口の粘膜が黄色くなる黄疸が見られる場合もあります。一日中眠ってばかりいるようになり、痙攣を起こすこともあります。これまで太り過ぎていた猫が、何も食べず急激に痩せてきたら、この病気の可能性があります。

猫免疫不全症

猫エイズとして知られる病気です。潜伏期間が長く、一度感染すると完治しません。発症後、急激にやせ始めます。半数の猫には歯茎やのどの奥、目の周囲などに炎症が見られます。進行すると抵抗力が落ちて、さまざまな病気にかかりやすくなります。免疫力が低下することによって身体中にガンが発生する場合もあります。

糖尿病

体内のインスリンの働きが悪くなり、血液中の糖の数値が高くなる病気です。水を大量に飲み、餌も欲しがりますが、体重が減少していきます。尿の回数・量ともに増えるのが特徴です。肝臓が腫れることで、おなかが膨らむ猫もいます。進行すると白内障を起こしたり、四肢がえそを起こす場合があります。

ガン・腫瘍

身体のいたるところに発症する可能性があります。おなかなどを触っていて、飼い主さんが異常に気付くケースを良く耳にします。遺伝的に腫瘍が発生しやすい体質もあり、詳細を調べるためには検査を重ねる必要があります。部位の特定に時間がかかるので、ようやく確認できたときには、手遅れである場合も多いようです。進行するにつれ、体重が激減していきます。

体重の減少は猫の身体からのSOS

猫 ごめん寝
老齢の猫は青年期と比較して筋肉量が落ちるため、体重が減っていきますが、急激な変化には注意が必要です。また、若い猫が理由もなく痩せていく場合は、内臓疾患の可能性が高くなります。体重の減少は身体の悲鳴です。日頃からきちんと体重管理を行い、異常を早期にとらえてあげるようにしてください。