2016年10月2日更新

【獣医師監修】猫の低血糖症〜原因・症状と対策

ペット生活

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編集部

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人間ではよく耳にする血糖値ですが、血糖値が低くなり過ぎてしまうことで発症する低血糖症が猫にも発生するということをご存知でしょうか。血糖値が低くなり過ぎてしまう低血糖症は血液中の糖分が少なくなることで体に栄養が回らなくなってしまう病気です。低血糖症がどういう病気なのか詳しく見ていきましょう。

 

猫の低血糖症の原因

低血糖症はさまざまなことが要因となって発症してしまう病気です。栄養失調や飢餓、また病気などが原因となって発生してしまいます。発生の原因は年齢によっても異なり、若齢よりも高齢で発生しやすくなっています。

1歳未満で発症の原因

1歳未満の子猫が低血糖症を発症してしまう主な原因としては、体の冷えや空腹、胃や腸などにおける栄養吸収不良などが考えられます。特に生後間もない子猫の場合、肝臓での糖の補てん機能が働きにくいため、半日の絶食でも低血糖症を簡単に引き起こしてしまいます。

1歳以上での発症の原因

1歳以上の猫が低血糖症に陥ってしまう主な原因としては、空腹や栄養失調がありますが、他にも極度な興奮や過度な運動が要因となることも多くあります。

高齢での発症の原因

7歳以上の高齢の猫が低血糖症を発生してしまう主な原因には基礎疾患の存在が考えられます。主な原因となる病気には膵臓の腫瘍や糖尿病、不整脈、胃下垂、肝障害、肝がんなどがあります。直接的にこれらの病気が原因となっている場合もあれば、これらの病気に対する治療の副作用として低血糖症が発症することもあります。

糖尿病の猫が低血糖症を発症する原因

病気の中でも特に糖尿病を発症している猫は低血糖症を引き起こしてしまう恐れが高い傾向にあります。その要因には糖尿病の治療で使用しているインスリンの注射料の間違いがあります。インスリンの量が多すぎると血糖が不足するようになり低血糖症を引き起こしてしまいます。

猫の低血糖症の症状

通常、血液には糖分が含まれており、その糖分がさまざまなところに廻ることで体が機能するようになります。しかし、糖分の量が多すぎると糖尿病を引き起こしてしまうようになり、逆に低すぎると発症してしまうのが低血糖症です。基本的にこの血液中の糖の濃度は一定になるように保たれているので食事に含まれる等の量が直に影響することはなかなかありません。しかし、低血糖症に陥ってしまうと体に栄養が供給されなくなり、さまざまなところで障害が起きるようになります。

自律神経系の症状

血糖値が急激に下がってしまうことで自律神経に影響が出て、自律神経の支配を受ける器官で症状が出るようになります。主な症状には全身の震えや、気の動転、動悸、失明などがあります。特に糖尿病などが原因で低血糖症を引き起こしている場合には中枢神経系の症状が出やすくなります。

中枢神経系の症状

血糖値がゆっくりと下がっていくと中枢神経の症状が強く出ることがあります。主な症状には意識の混乱や、ふらつき、ぐったりする、怒りやすくなる、痙攣、昏睡などがあります。

 

猫の低血糖症の対策

猫の低血糖症はきちんと治療を行い予防を行っていくことで回復が見込めます。何らかの疾患が原因となっている場合には、病気の進行状態によっては低血糖症と一生付き合っていかなくてはいけないこともあります。

糖分の補給

低血糖症の主な治療方法は糖分を補給することです。食事のバランスを考え血糖を補えるような食事に変えていきます。しかし砂糖をそのまま与えるような場合はかえって糖尿病を招いてしまうこともあるので、獣医師にしっかり相談しガムシロップなどを処方してもらいましょう。

基礎疾患の治療

低血糖症を引き起こしている原因が何らかの疾患による場合、優先的に基礎疾患の治療を行っていきます。低血糖症で著しく衰弱している場合には、点滴や輸液などが行われることもあります。

予防

子猫や幼い猫の場合、体の器官が十分に発達していないため低血糖症を引き起こしてしまいやすくなっています。体を冷やさないようにし、こまめに食事を与えて低血糖症にならないように予防を行います。老猫の場合は何らかの疾患を抱えている場合がほとんどで、場合によっては根治が難しいこともあります。症状が悪化しないように十分注意しながら過ごしやすい環境を作ってあげましょう。

まとめ

猫の低血糖症は十分な栄養が摂れていないことで発症してしまう、すべての年齢の猫が発症する可能性のある病気です。症状がそれほど強く出ないこともあり、飼い主が気付かないこともありますが、普段からよく愛猫の様子を観察し、異変があればすぐに獣医師に相談できるようにしておきましょう。