2016年10月2日更新

【獣医師監修】猫の水腎症〜原因・症状と対策

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編集部

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猫の病気で水腎症という病気をご存知でしょうか。水腎症は腎臓から膀胱につながる尿の通り道のどこかが塞がれてしまうことで腎臓内部に尿がたまって腎臓が膨らんでしまう病気です。それほど頻繁に発症する病気ではありませんが、発症してもほとんどの場合で飼い主が症状に気付くことがなく、気づいた時にはすでに手遅れになっていることも多い危険な病気です。愛猫を守るためにも水腎症がどういった病気なのか詳しく見てみましょう。

 

猫の水腎症の原因

水腎症は腎臓内で作られた尿が尿管や尿路が何らかの原因で塞がれてしまうことで正常に膀胱に流れず、腎臓内に溜まって膨らんでしまう病気です。尿路が塞がれてしまう原因には先天的なものと後天的なものがあります。

先天的な要因

生まれつき尿管の奇形などが原因で尿路が塞がれてしまうことで水腎症を発症してしまうことがあります。多いのは尿管と膀胱の接続部分が先天的に細くなっていたり、狭くなっていたりすることです。先天的な場合、症状は子猫の頃からみられます。

後天的な要因

何らかの病気などが原因で尿路が塞がれてしまうことで水腎症を発症してしまうことがあります。主には尿路が結石などによって詰まってしまうことや、腫瘍による圧迫、尿路周辺部が炎症を起こすことで尿路が押しつぶされてしまうことなどがあります。ほかにも外傷やヘルニアなどから尿管が圧迫されてしまったり、血液の凝固障害や神経障害などが原因となってしまったりすることもあります。また極まれに避妊手術の際に尿管を傷つけてしまうことで尿管が塞がれてしまい水腎症を発症してしまうこともあります。

猫の水腎症の症状

水腎症は毒素の排出された尿が膀胱を通って排出されず、腎臓内に滞り続けることでさまざまな症状を引き起こしてしまいます。また尿に毒素が含まれているということもあり、放置され続けることで最悪の場合には命にまで危険が及んでしまいます。それほど危険な水腎症ですが、多くの場合で飼い主がその症状に気づくことができません。それは腎臓が体内に2つあることが関係しています。水腎症は多くの場合で2つある腎臓のどちらかで発症しているケースが多く、もう片方の腎臓が代償的に働くためなかなか症状が現れにくいからです。

初期の症状

食欲が多少落ちることがありますが、極まれです。ほとんどの場合で無症状で飼い主が気付けないケースが多い傾向にあります。よく見るとお腹が膨らんでいることを確認できますが、大きく腫れあがっているわけではないので気づきにくくなっています。

進行状態の症状

症状が進行するにつれて、腎臓がどんどん大きく膨れ上がるようになります。急激な腎不全に陥り、尿毒症などを発症していきます。この頃になると著しい食欲の低下や下痢、嘔吐、貧血、口臭、便秘、ふらつきなどの症状が見られるようになります。さらに進行すると低体温症になり、痙攣を起こすようになります。この状態になってくると昏睡状態に陥ることもあり命が非常に危険になります。また腎臓に尿がたまり続けることで細菌が繁殖し、腎盂腎炎などを引き起こすこともあります。

 

猫の水腎症の対策

水腎症はいかに早く病気に気づき、治療に取り組めるのかによって愛猫の負担も手術の方法も大きく変わってきます。基本的にはなぜ水腎症を発症しているのかの原因を突き止めるところから行い、水腎症の要因を取り除き治療を行っていきます。

基礎疾患に対する治療

水腎症の原因が何らかの疾患によるものの場合は、水腎症の症状が悪化しないように治療を行いながら基礎疾患の治療を行っていきます。

片方の腎臓が悪い場合

水腎症を起こしているのが片側の腎臓だけの場合は、悪いほうの腎臓を摘出してしまうことがほとんどです。悪いほうの腎臓は肥大し、他の臓器や血管を圧迫していることもあり、そのまま残しておくのは危険だからです。

両方の腎臓が悪い場合

両方の腎臓が水腎症を発症している場合には急性腎不全と同じ症状が出ていることが考えられ、この場合には完治は見込めなくなります。症状の悪化を防ぐ治療と透析やホルモン剤の投与などが行われ延命措置が取られるようになります。

まとめ

猫の水腎症は、いかに早く飼い主がその症状に気づき、早く病気を発見できるかでその後の猫の生活が大きく変わってくる病気です。先天的な要因による水腎症を予防する手立ては現在のところありません。後天的な要因となる病気を発症している場合は水腎症の発症率が高くなるので注意し、年に1回は動物病院の定期検診を受け、早期発見ができるように努めましょう。

 
 

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