2017年6月16日更新

猫の通常の膀胱炎との違いは?猫の特発性膀胱炎〜原因・症状と対策【獣医師監修】

猫の特発性膀胱炎という病気をご存知でしょうか。特発性膀胱炎は尿を一時的に貯水しておく膀胱という器官で炎症が起こってしまうことで発生する病気です。通常の膀胱での炎症なら、よく耳にする膀胱炎というものですが、特発性膀胱炎は通常の膀胱炎とは若干性質が異なります。今回は通常の膀胱炎と特発性の膀胱炎との違いも踏まえながら、愛猫が発症してしまった時にすぐに対応できるように詳しくご紹介しましょう。

猫の特発性膀胱炎の原因

猫の特発性膀胱炎は尿をためておく膀胱で炎症が起こってしまうことで発症してしまう病気です。特発性膀胱炎と通常の膀胱炎との違いはこの発症原因で大きく変わってきます。通常の膀胱炎であれば、尿検査、レントゲン検査、超音波検査などを行うと膀胱で炎症を起こしている原因の結石や細菌が見つかりますが、特発性膀胱炎ではさまざまな検査を行っても明確な原因がわからない特徴があります。そして特発性膀胱炎は原因が特定できないため、難治性、慢性疾患と言われることがあり、治療が難しい特徴があります。

特発性膀胱炎の研究はさまざまな大学病院で行われていますが、現在のところ推測の域を出ない答えしか見つかっていません。神経系、副腎、膀胱、環境因子などさまざまな要因が複雑に絡み合っていることで発生し、決定的な原因が特定できないのではという説が現在のところ最も有力です。系統で見ればこの特発性膀胱炎は特にオス猫で発生しやすく、肥満体形の純血種に多いと考えられています。また飲み水の量が極端に少なかったり、ストレスが多かったりする環境が招いているとも考えられています。

猫の特発性膀胱炎の症状

特発性膀胱炎は通常の膀胱炎と同じ症状と調べてみると通常の膀胱炎と違う症状との2通りのタイプに症状を分けることができます。特発性膀胱は難治性があり、慢性疾患と言われる病気ですが発症した猫の半分程度は1週間程度で症状が改善していきます。しかし一度改善したように見えてもおよそ半数で再発が見られるが報告されています。

通常の膀胱炎と類似する症状

飼い主が症状を見てそれが特発性の膀胱炎なのか、通常の膀胱炎なのかの区別をつけるのは非常に難しいです。それは特発性膀胱炎の特徴である原因がわからないにもかかわらず、症状だけが出ている状態というところに関係しているからです。主な症状には、尿の回数が増える、尿をするときに痛がる、尿の1回量が少ない、もしくは尿をするポーズをとっても尿が出ない、尿に血が混じるなどがあります。また尿の回数が増えるためトイレ以外でも粗相をしてしまったり、陰部の違和感からしきりに陰部を舐めたりといった行動も見られます。

特発性膀胱炎特有の症状

特発性膀胱炎特有の特徴は素人では判断しにくいものがほとんどで、獣医師によって検査などを受けた結果わかるものがほとんどです。主な症状には膀胱が小さく固くなっていて、膀胱内の壁が分厚くなっているのが見られます。X線検査や超音波検査を行ってもポリープや腫瘍、結石などが見当たらず、尿検査でも細菌が検出されません。また膀胱鏡検査を行うと膀胱の粘膜での出血が確認でき、グリコサミノグリカンと言われる成分が少なくなっているのがわかります。

猫の特発性膀胱炎の対策

猫の特発性膀胱炎の治療は基本的には対症療法になり、症状を抑えるものとなっています。原因が不明なため効果的な治療が行えず、出ている症状を緩和していくことを目的とした治療になります。

投薬治療

症状に合わせた投薬にて治療を行っていきます。主に使用されるのはブプレノルフィンやブトルファノールなどの鎮痛剤や抗炎症剤、痙攣を緩和する薬や抗生物質、抗うつ剤などです。

食事療法

特発性膀胱炎は原因が不明なため治療方法もまだまだ手探りな状態ですが、それでも食事は非常に重要なものだと考えられています。猫ではドライフードを多く食べている猫が特発性膀胱炎を発症している傾向にあり、ウェットタイプの食事やドライフードをふやかして食事を与えることで予防ができると考えられているからです。

水分の摂取

膀胱内に尿をためすぎないように多飲することで頻繁に尿を出す治療です。膀胱の中身が頻繁に外に出ればそれだけ膀胱の中に尿をためなくて済みます。

ストレスの軽減

ストレスが特発性膀胱炎を引き起こしているのではないかという観点から、ストレスを与えない環境づくりが重要だと考えられています。実際に、他の病気においてもストレスが原因でないにしても病気の進行具合にかかわっているケースは多く、特発性膀胱炎でも同じように作用していると推測されるからです。愛猫に過度なストレスを与えないようにし、過ごしやすい環境を整えてあげましょう。

まとめ

猫の特発性膀胱炎は原因が解明されていないため、治療をするにあたっても予防をするにあたっても難しい病気だとされています。根本的な治療方法もまだわかっておらず、まだまだ研究が行われている非常に難しい病気ですが、愛猫が発症してしまった場合には根気よくこの病気と向き合っていくことが何よりも重要です。治療方法がはっきりと分からない病気ではありますが、完治している猫も多いので獣医師に相談しながらしっかりと愛猫と病に立ち向かっていきましょう。

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