2016年7月7日更新

【獣医師監修】犬のレッグパーセス病〜原因・症状と対策

小型犬に多い病気でレッグパーセス病という病気を聞いたことがありますでしょうか。レッグパーセス病は別名、レッグペルテス病や大腿骨骨頭壊死症などと言われることもある病気で、大腿骨頭と言われる太腿骨の先端部分に血液が流れなくなってしまうことで骨が壊死してしまう病気です。小型犬で発生しやすい病気で一度壊れてしまった骨は二度と戻ることがありません。発症すると恐ろしいレッグパーセスがどのような病気なのか詳しくご説明しましょう。

犬のレッグパーセス病の原因

レッグパーセス病は何らかの原因で太腿の先端の大腿骨頭と言われるところに血液が流れなくなってしまうことで骨が成長しなくなり、そのまま骨が死んでしまう病気です。このレッグパーセス病は体重が10㎏に満たない小型犬でよく発症する病気で、生後4か月から1年未満に多発して引き起ります。まだ詳しいことは解明されていませんが、レッグパーセス病を引き起こす主な原因は遺伝性のものがほとんどだと考えらえています。

遺伝によるもの

ある一定の犬種での発症が高いことから発症には何らかの遺伝的要因が関与しているのではないかと考えられています。主な犬種にはトイプードルヨークシャーテリア、ミニチュアダックスフント、ウェストハイランドホワイトテリア、ミニチュアピンシャー、シェットランドシープドッグ、コッカースパニエル、ケーアンテリアなどがあります。

大腿骨頭での異常

レッグパーセス病は大腿骨頭に血液が送られなくなることで発症する病気ですが、なぜ血液が送られなくなるのかという原因はまだ解明されていません。それでも何らかの疾患や感染症が影響していると考えられており、外傷や内分泌、炎症、栄養失調、循環異常なども関係しているのではないかと考えられています。

犬のレッグパーセス病の症状

大腿骨骨頭の一部に血流が送られなくなることで、骨の組織が死んだ状態になるレッグパーセスは非常に激しい痛みを伴う病気です。しかし、この痛みが出るまでには時間が多少かかることがあり、すぐに飼い主が気付けない場合がほとんどです。通常、骨の組織が壊死するだけであれば痛みが伴うことはありませんが、壊死が起こった骨が体重負荷や何らかの衝撃でつぶれることにより痛みが現れるようになります。つまり非常に体重が軽い犬でほとんど運動もしない犬であれば骨が壊死していても骨がつぶれることがないので痛みが出ることもなくそのまま過ごしてしまうこともあるということです。またずいぶんと時間がたって骨がつぶれることもあり、それにより足に痛みが生じ飼い主が気付くケースもあります。

主な症状

レッグパーセスの主な症状は、骨が壊死した段階ではほとんど現れることはありません。症状は骨が壊死後、潰れることにより足を引きずるように歩きだします。骨がつぶれた後では非常に激しい痛みが伴い、筋肉の萎縮も起こっています。思うように歩けなくなるので元気がなくなることもあり、足をかばって歩くためそのほかの部分に負担がかかり、腰痛や前足の痛みなどを伴うこともあります。基本的には片足どちらかでの発生が多く、両足で発症することは極まれです。

犬のレッグパーセス病の対策

一度死んでしまった骨を元に戻すことは基本的には不可能です。生活に支障がなければそのまま鎮痛剤だけを飲み過ごす犬もいますが、外科手術を行い人工関節を付ける犬もいます。若齢の犬であれば症状もそれほど悪化していない場合が多いですが、高齢になればなるほど症状は悪化しやすく重症化しやすい傾向にあります。

投薬による治療

大腿骨頭の変形が少ない場合で、症状がそれほどひどくない場合には鎮痛剤による投薬治療で絶対安静を行いながら様子を見ていきます。投薬治療の場合、完治する保証はなく、半年以上に渡る経過観察が必要になります。症状の悪化を抑えられるわけでもないので良く獣医師と相談のうえ、今後の治療方針を決めていくことが重要です。

外科手術による治療

大腿骨頭の壊死が広範囲に及んでいて、症状が重篤な場合は、外科手術によって治療を行っていきます。手術は関節を切り開き、壊死した大腿骨頭を切除し、そこに人工関節を取り付ける方法になります。術後はリハビリなどを行い運動機能の回復を図っていきます。以前のような歩き方に戻れる場合は少ないですが、走ったりしても問題ないくらいに回復することができます。

予防

レッグパーセス病は普段の生活の中で予防が行える病気ではありません。遺伝的要因が非常に強く関与しているといわれている病気なため、レッグパーセス病を防ぐ手立てとしては病気を発症した犬の繁殖を行わないことです。

まとめ

犬のレッグパーセス病は一度発症してしまうと一生愛犬を苦しめてしまう病気です。予防する方法がない以上、レッグパーセス病を発症した犬を繁殖させないことが重要ですが、既に発症してしまった場合はしっかりと愛犬とともに病気と向き合っていくことが何よりも大事になります。足を引きずっていても痛みさえ感じなければ犬は元気に過ごしてくれます。少しでも愛犬に異変を感じた場合は早急に獣医師に相談するようにし、早期発見・早期治療につなげましょう。

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