2016年5月2日更新

【動物法務のプロが解説】賃貸住宅でペットをベランダに出してもOK?考えられるトラブルとその対処法

近年ペット飼育を可とする賃貸住宅が増えてきています。ペットは共に生活していく家族の一員であると捉え、ペット共生賃貸住宅と表現されるところも見られます。当初からペット飼育可や専用とする物件や、空室に悩む物件のオーナーさんが対策として後からペット飼育可とする場合など、始め方は様々あるようです。

賃貸住宅のなかでもマンションやアパートなどの集合住宅では、構造上ペットの飼育をめぐるトラブルが起きやすいといえます。例えば、ペットをベランダに出してもOKでしょうか?考えられるトラブルとその対処法についてご紹介していきます。

賃貸住宅でのルール


アパート、マンション等賃貸集合住宅では、賃貸借契約、管理規約、各種細則などに規定されているルールに従わなければなりません。分譲マンションの区分所有者から賃借する場合でもそのマンションの規約等に従わなければなりません。

マンションの廊下は共用部分の扱い、ベランダも入居者専用部分ですが共用部分と扱われますから、そこで常時飼育することやブラッシング、トリミング、排泄等は禁止されていることがほとんどです。

仮に契約書等に明示されていない場合でも、共同の利益に反する行為と判断される可能性があります。

トラブルと対処法


飼い主さんはご自身の賃貸借契約書や管理規約、細則などをよく確認することです。鳴き声や臭いなどによる苦情、落下の危険などもありますし、ペットの飼養管理の観点からも、ベランダに出すことが本当に必要なのかどうかも含め、動物病院やトレーナーなどペットの専門家に相談すると良いでしょう。

今はペットのケアサービスも様々あり、充実しています。サービスの利用には料金がかかりますので、頻繁に利用するというわけにはいきませんが、ペットのストレス発散や健康維持などに利用してみるのも、トラブル予防の一つの方法です。

こらから事業を始められる方へ

これからペット共生住宅の賃貸業を始めたいと考えている方は、契約書や規約、細則などはきちんと整備し、ペットに関する条文はできるだけ詳細に盛り込んでおいたほうが良いでしょう。

管理会社に管理を依頼する場合にはペットに詳しい会社を選ぶと良いでしょう。宅建業者に仲介を依頼する場合は、宅建業者が賃借人へ契約内容等を説明できているか、確認しましょう。各種書類を整えたとしても、契約締結時に説明ができていないと後から「説明を聞いていない」と言われ、揉めることがあります。

儲かりそうだからと安易な気持ちでペット飼育可にすると、後で思わぬトラブルになることもあります。専門家を交えるなどして十分に検討してから始められると良いでしょう。

執筆協力:伊藤成規(行政書士 (一社)どうぶつ法務福祉協会・賃貸住宅ペット問題担当アドバイザー)

山口 一哉



(一社)どうぶつ法務福祉協会・代表理事(行政書士)

一般社団法人どうぶつ法務福祉協会・代表理事/行政書士横浜いずみ共同事務所・代表。(一社)ペットライフデザイン協会理事。幼少期に犬を飼っていたことと、捨て猫との暮らしをきっかけに、何か出来ることはないかと模索していたところ、「動物法務」の存在を知り、開業を決意。平成21年行政書士事務所開業、平成23年横浜市に移転。成年後見、遺言、人と動物に関する許認可等各種手続や書類作成の支援が主な業務。平成27年一般社団法人どうぶつ法務福祉協会設立、同代表理事に就任。1級愛玩動物飼養管理士、愛護動物虐待防止管理士、少額短期保険募集人の資格を保有。

一般社団法人どうぶつ法務福祉協会HP
行政書士横浜いずみ共同事務所HP
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