2016年5月5日更新

【動物看護士が解説】度重なる老犬の粗相。正しい改善策は?

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

 

若い頃はきちんと決まった場所で排泄出来ていたのに、シニアの仲間入りをしてから粗相が増えた、なんてことありませんか?「認知症かしら?」と思う方もいると思います。実際に、認知症になってしまいトイレがわからなくなってしまうこともありますが、それ以外の理由で粗相が増えることもあるのです。

今回は、それ以外の理由にフォーカスを当てて対策をご紹介していきます。

 

完璧は、もう無理と捉える

いきなり諦めろ、となってしまいますが、やはり老犬に粗相はつきものです。人間も高齢になればオムツやライナーを使用している方もおられますよね。

筋力が低下し、尿意を感じることもだんだん鈍くなり、トイレが間に合わなくなってきますので、ある程度漏らしてしまう、所定の場所で出来ないのは仕方ないことだと理解して下さい。

ただし、毎回毎回粗相の片付けに付き合うのも疲れてしまいますよね。ある程度粗相があるというのを理解した上で、対策することをおすすめします。

対策

トイレを広くする

犬の場合、いくつかトイレを増やしても新しい場所をなかなか覚えられず結局いつものところでしかしないことがあります。ですので、トイレを増やして粗相を減らそうというのはあまり効果的ではありません。

一つ目の対策としては、トイレの範囲を広くすることです。若い頃はペットシーツをむき出しにしているとかじったり、やぶったりして遊んでいた犬も、老犬になるとシーツを見向きもしないことが多いので、ペットシーツを数枚並べて広く起き、滑り止めやテープなどを貼ってトイレを広くしてあげてください。これで体の位置を間違えて、排泄がトイレから外れてしまったりするのを防ぐことができます

また、老犬は1回の尿量が減り、回数が増えることがありますので、同じシーツに何度も排泄することができない綺麗好きの犬にも対応することができます。

留守番中や、ちょっと目を離している隙に1回目の排泄をしていて、気づかずに放置していると2回目をどこでするか迷い、結局違うところでしてしまった、ということもなくなるでしょう。

距離を縮める

老犬は寝ていることが多く、起床したあとに排泄することがあります。尿意を感じるのも鈍く、尿路を締める筋肉も衰えていますので、起きがけでトイレが遠いと途中違うところでしてしまうことがあります。

対策として、いつも寝ている場所やベッドの近くにトイレを移動しましょう。そうすればすぐにトイレに行って正しく排泄することができるでしょう。

おむつをする

かなり高齢になってくると、歩いたり、起き上がったりするだけで尿がポタポタと垂れてきてしまうことがあります。そうなると寝床や床が不衛生になってしまうので、尿漏れが始まったらおむつをつけるようにしましょう。

しかし、四六時中付けていると群れて皮膚炎を起こすこともありますので、飼い主さんが見ていられる時間や、細かくお世話ができる時間は外してあげるようにしましょう。

 

粗相をしてしまったら

粗相をしてしまったとしても、決して叱らないでください。もう何年も飼い主さんと一緒にいるので、子犬の時のトレーニングのように、叱っているのに遊んでもらっていると勘違いするからではありません。

怒られていると理解しているからこそ、排泄したことで怒られていると判断し、飼い主さんがいる前で排泄をしなくなってしまうことがあります。一緒にいる時間は一生懸命我慢するので膀胱炎になることもあります。排泄の様子をチェックできないと、飼い主さんも犬の体調の変化を受け取ることが出来ず、病気の発見が遅れることがありますので、排泄を我慢させることは非常に危険です。

粗相をしてしまったら、黙って後片付けをして、匂いが残らないようにきちんと掃除をしてください。例えばブランケットやクッションなど、場所が移動できるものに粗相をしてしまった場合は、もう犬の近くに置かないのが無難でしょう。洗濯や除菌をしても、犬の嗅覚にはわかるわずかな匂いが残っていると、また粗相をしてしまう原因となります。

とにかく褒める

子犬の時のように、トイレが成功したらたくさん褒めてあげてください。そうすれば、ここでトイレをすればたくさん褒めてもらえる、と再認識し、粗相をすることも少なくなるでしょう。

身体的な原因の粗相は減らすことは出来ませんが、決まった場所でトイレをする理由がボヤけてしまったり、粗相を繰り返すことによってトイレはどこでもいいんだ、と思ってしまうことなどの意識的な粗相はしつけや飼い主さんの働きかけで改善していくでしょう。犬は一生学習していく生き物ですので、老犬になってからも時間はかかりますが、しつけし直すことができますよ。