2016年11月22日更新

【ペットシッターが解説】パピヨンとの暮らしで注意すること

パピヨンの性格と性質

性格


パピヨンはヨーロッパの貴婦人が大切にしていたという歴史を持っており、その優雅な姿がとても人気の犬種です。もちろん、性格も友好的でとても賢いので、家族の態度をよく見て、順応した暮らしを送ることができます。吠え立てるような興奮性も少ない上に、甘えることも上手な為、家族と穏やかな時間を送ることができるのです。

パピヨンは、子どもと一緒に遊ぶことができる聡明さと共に活発さも持ち合わせいます。その分、しつけをしないと自己主張が強くなってしまうこともあるので、注意が必要です。

また、家族がストレスを溜めると、そのストレスが移ってしまうようなほどの愛情深さをもっています。日々のコミュニケーションを大切にしてあげましょう。

他の犬や様々な人とフレンドリーになることができるパピヨンですが、なかには神経質な犬もいます。また、ひとりにされてしまうことが苦手ですので、留守番が多い家庭では、しっかりと遊ぶ時間を設けるなど、寂しさからストレスを溜めさせないようにしましょう。

性質


パピヨンの最大の特徴は、その名前の由来にもなっている、蝶のように見える大きな飾り毛のある耳です。この蝶のように見える立ち耳が優雅さを表しています。被毛はシングルコートですので、日々の手入れは比較的簡単ではありますが、コームをかけるなど、毛のもつれを防ぐようにブラッシングしてあげる必要があります。

パピヨンは、骨が細く華奢な体を持っています。遊ぶことや運動も大好きではありますが、激しい運動による骨折などには十分注意する必要があります。室内で遊ぶだけでも、十分な運動量になるほど遊び好きではありますが、散歩に行き、社会経験を積むことも大切です。神経質な面や場合によっては自己中心的な面が現れることもありますので、日々のしつけを行うことが大切になります

優雅さやかわいらしさから、甘やかしすぎると、むやみにキャンキャンと吠えて要求をするようなことにまでつながってしまいます。飼い主さんが、しっかりとリーダーになり、日々のしつけを行うようにしましょう。

パピヨンの飼育の注意点

室内環境

パピヨンは、もともとはどちらかといえば寒さには強く暑さに弱い犬種でした。しかし、シングルコートが主流になり、改良された為、被毛も少なく、寒さにも弱くなっています。1年を通して、温度管理には十分気をつけるようにしましょう

冬に気をつけておきたいことは、あまりに暖房を使いすぎて部屋が暖かいと、換毛期が早まってしまい、パピヨンの毛がパラパラと抜け始めてしまいます

20~25℃の適温と、湿度に注意するようにしましょう。寒がるような場合は、ベッド周りにペット用のヒーターを置いたり、洋服を着させるなどしてコントロールするようにしましょう。ただし、ヒーターの場合は低温やけどなどの事故、洋服は繊維による静電気での被毛の乱れに注意しましょう。

夏は、熱中症に注意しなくてはいけません。冷房や除湿を使って、室温は人間が快適な温度にしておくようにしましょう。万が一、停電などでエアコンが切れてしまった時の為に、部屋の中に涼しい場所を作っておき、いつでも水が飲める状態にしておくことも大切です。


パピヨンは、もともと膝蓋骨脱臼という病気になりやすいと言われています。その為、フローリング自体がよい環境とはいえません。お部屋の中で遊ぶことも大好きなパピヨンにとって、そのまま滑って関節を痛めてしまっては膝蓋骨脱臼を悪化させてしまうことにつながります。

お部屋の中に、カーペットや滑り止めマット、コルクマットなど、滑り止めになり、走っても衝撃を吸収してくれるものを敷くようにしましょう。パピヨンと一緒に過ごすスペースだけでなく、階段を上り下りする場合は、階段専用の滑り止めなどを敷いておくと安心です。

家具の配置

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パピヨンと暮らす際には、サークルなどパピヨン専用のスペースを作ってあげるようにしましょう。小型犬用のサークルに、トイレ、ベッド、食事場所を決めてあげると、とても賢いパピヨンは、その中で安心して過ごすことができます。トイレのしつけもしやすく、留守番の際も安心です。

サークルの置き場は、人と一緒に過ごすことに喜びを感じるパピヨンですので、目が届く場所に置くようにしましょう。留守番時、家具の転倒などで事故につながる危険な場所や、直射日光、冷房の風が直接あたるような場所は避けましょう。

パピヨンは家族と一緒に行動することや遊ぶことが大好きです。お部屋の中で、危険な物はすべて片付け、入って欲しくない場所にはゲートを置くなどして、室内での事故を未然に防ぐことも大切になります。

運動


パピヨンは運動能力が高く、散歩や日々の運動が欠かせません。散歩自体も1日30分くらい必要なほど、運動能力が高いといえます。パピヨンは、『アジリティー』という 犬の障害物レースなどでもよく見かけます。ジャンプや上り下りを楽しんでやるところがあります。

家族と遊ぶことも大好きですので、ボール投げをして「持ってこい」を覚えたり、フリスビーで遊ぶことも大好きです。コマンドを使いながら、楽しく遊ぶ中で、コミュニケーションをとれるようになります。

運動が大好きなパピヨンですが、関節を痛めやすいと面も持っています。あまり運動させすぎないといっても難しいものですが、パピヨンの足の動きを見て、違和感を感じた場合は、やめさせるようにしましょう。

しつけ

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パピヨンは、しつけが非常に大切な犬種のひとつです。いつも陽気で遊ぶことが大好きなパピヨンですが、しっかりとしつけを行わないと、自己中心的で、飼い主さんにまで激しく要求するような行動に出ることがあります。

しつけを行う際も、パピヨンの陽気で性格を生かして、たくさん遊ぶ中で、ゲームのようにしてトレーニングを行うなど、たくさん褒めて楽しみながら行うようにしましょう。たくさん叱るようなことがあると、パピヨンは、精神的なストレスも受けやすく、神経質になってしまうことがあるので、注意が必要です。

パピヨンはとても賢く、物覚えもよい犬種ですが、集中力が続く時間は短めです。しつけやトレーニングも15分ほど短めのトレーニングを数回に分けて日々続けていくほうが、効果的です。散歩や遊び、食事前など、タイミングを見つけて、たくさん褒めて伸ばすしつけを行うとよいでしょう。

パピヨンのケア方法

ブラッシング

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パピヨンは、シングルコートの為、スリッカーを使ってブラッシングをすると、皮膚まで傷めてしまう可能性があります。毛玉ができてしまった時は、手でほぐしながらスリッカーを使うと便利ですが、普段はピンブラシとコームを使って毛並みを整える程度のブラッシングでよいでしょう。

パピヨンは、特に耳の飾り毛は大切にしてあげたいものです。しかし、耳の後ろ側は毛玉ができやすい場所でもあります。毛玉ができないように普段から、ブラッシングを習慣にしておくとよいでしょう。全体的なトリミングなども必要とはしませんが、足裏の毛のカットやお腹、お尻周りは定期的にカットしてあげるよよいでしょう。

ブラッシングに慣れていないと、日々の体のお手入れもパピヨンにとってストレスになってしまいます。短時間でよいので、日頃から体全体を触られること、ブラッシングされることに慣らしておきましょう。

爪切り

パピヨンの爪切りは、個体差もありますが、基本的には月1回程のペースで構いません。そのままにしておくと、爪が引っかかってしまったり、踏ん張ることができなくて、歩き方に支障が出てしまうことがあります。定期的にペット用の爪切りで爪を切ってあげるようにしましょう。

爪切りは、どの犬もそうですが嫌がることが多いものです。触るだけで反応してしまい、爪切りをさせてくれないこともあります。パピヨンは、飼い主さんの心情もとてもよく理解するものです。飼い主さんの緊張がそのまま伝わってしまうこともあるので、まずは、ふだんから爪を触る、1本だけ切るなど、リラックスした状態で行うことができるようにしてみましょう。

自然に爪切りをすることができるようになると、抱っこでもできるようになります。しかし、すでに爪切りを嫌がっている場合やなかなか落ち着いてできない場合は、トリマーさんや獣医師にお願いしてもよいでしょう。

肛門腺絞り

パピヨンは、個体差があるものの、肛門腺絞りは、1ヶ月に1回ほどの頻度で行うとよいでしょう。肛門腺を絞った時に出てくる分泌液は、とても臭いので、シャンプーの時に一緒に行ってしまうほうがよいでしょう。お尻をこすりながら歩くようなことがあった時は、すでに溜まっているサインです。しっかりと絞ってあげるようにしましょう。

パピヨンは華奢な体つきで、肛門や肛門腺は小さく、無理に押さえつけてしまうと、傷つけてしまうことがあります。肛門腺は、肛門の下、時計の4時と8時の方向に人指し指と親指をあてて、下から上に向かって搾り出していきます。うまく絞り出すことができない時は、トリマーさんや獣医師に相談しましょう。

パピヨンは、飼い主さんとのコミュニケーションが大好きです。他の手入れと同様に、普段からお尻や肛門付近を触ることができるようにしつけしておくことも大切なことです。たくさん褒めてあげながら、体のどんなところをも触れるようにトレーニングしておくことが大切なのです。

耳掃除

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パピヨン犬は立ち耳ですので通気性がよく、垂れ耳の犬よりは汚れが溜まりにくい耳の形をしています。その為、1~2週間に1度汚れが気になる時に拭き取りを行う程度でよいでしょう。無理に耳掃除をすると、かえって耳を傷つけてしまうことがあるので、注意が必要です。

専用のイヤーローションを耳の中に数滴垂らして、マッサージをした後にコットンで浮き立てきた汚れを優しく拭き取ります。万が一、すぐに汚れが溜まってしまう場合や、においがきつい場合は、外耳炎や耳ダニなどをの可能性もありますので、早めに動物病院を受診しましょう。

目の手入れ

パピヨンは、涙の脂質成分が酸化して、毛を変色させてしまう涙やけを起こす場合があります。涙で湿った部分や目ヤニは、コットンで優しく拭き取ったり、涙やけ専用のシートなどを使ってお手入れしてあげるようにしましょう。

涙やけがひどい場合は、ゴミやほこりなんらかの理由で涙が多くなってしまう、アレルギー、目の病気など様々な原因が考えられます。毎日の手入れをしていても、涙や目やにがあまりにひどい場合は、早めに獣医師に相談して、目薬を処方してもらうなどの対策をとりましょう。

歯磨き

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パピヨンの歯磨きは、子犬の頃から日々の習慣にしてあげたいものです。歯垢がたまると、歯石になり、歯周病はどんどん進行してしまいます。歯磨きは、可能な限り毎日行い、歯周病を予防しましょう。磨きが苦手な場合は、市販のデンタルガムなどを与えてもよいでしょう。

歯磨きに慣れていない場合は、歯磨きシートやガーゼなどを指に巻いて、歯の汚れをふき取ってあげるだけでも効果があります。歯茎のマッサージなどもかねて、1日1回の習慣にしてあげるとよいでしょう。歯ブラシで歯磨きを行う場合も無理に行うのではなく、少しずつ慣らしていくようにしましょう。

パピヨンがかかりやすい病気

膝蓋骨脱臼

パピヨンがなりやすい病気のひとつに膝蓋骨脱臼があります。生まれつき、股関節周りに異常がある先天性のものと後天性のものに分けられます。膝蓋骨脱臼は、その症状によってグレードも分けられますが、ひどい場合は、常に脱臼をしてしまい、歩行に支障が出るほどになります。先天性の場合は、できる限り早い段階での手術がすすめられますので、異変を感じた時は、早めに獣医師に相談しましょう。

パピヨンは運動や遊びが大好きで、ジャンプ力もあります。しかし、激しい運動をやり過ぎて関節周りに負担をかけると、膝蓋骨脱臼の危険性は高まります。普段から、お部屋の中でも、カーペットや滑り止めマットを敷くなど、関節への負担を減らしましょう。また、ソファなどから落下させないように注意することや、上り下りをさせないようにしつけを行ってもよいでしょう

脱毛症

パピヨンは、その美しい毛が抜けてしまう脱毛症にかかりやすいと言われています。その原因は、様々でストレスが関係していることもあれば、アレルギー疾患や皮膚疾患、場合によっては内分泌性疾患が原因になることもあります。

ブラッシングを行う中で、毎日のように抜け毛が多い、10円ハゲのように特定部位だけが脱毛している、皮膚の赤みなど異常があるといった気になる症状が出た場合は、早めに獣医師の診察を受けましょう。

その原因によって対処は異なりますが、ハウスダストに注意して、部屋を衛生的に保つことや日々のブラッシング、ストレスをためない様にコミュニケーションを取るといったことは、パピヨンと暮らす上で日常的にとても大切なことなのです。

子犬期の注意点

パピヨンの子犬は遊びが大好きでとても活発な犬種です。たくさん遊んであげることが大切になります。しかし、子犬の頃はしつけも大切な犬種です。甘やかしてしまうと強気な性格からどんどんわがままになってしまいます。遊びと休ませるタイミング、遊びとしつけのメリハリがとても大切になります。

活発なパピヨンにとって、アジリティーも最適な運動です。しかし、子犬の頃は、骨の成長段階、関節を痛めやすいので、十分に注意し、過度な運動は控えるようにしましょう。お部屋の中で遊んだり運動する場合も、フローリングで滑って股関節が外に開いてしまったり、骨折や脱臼につながらないように注意が必要です。外で運動できるようになってからは、アジリティーに挑戦してもよいですが、やはりアスファルトなどの固い地面は子犬のうちは特に注意しましょう。

活発なパピヨンにとって運動と食事、睡眠のバランスがとても大切になります。パピヨンの子犬は、もともと食べるスピードが遅い、食が細い、遊びや家族に夢中になって食事に集中しないなど、様々な心配事が増えるケースがあります。フードをお湯でふやかしたり何かをトッピングする、ハウスで食事をする習慣をもつなど、愛犬の食事に関しても注意していく必要があります。

シニア期の注意点

元気いっぱいにはしゃぐことが大好きなパピヨンですが、シニアになってからは心臓病や関節の傷みなどが出てきやすい犬種でもありますので、定期的な健康診断と愛犬のペースに合わせて適度に運動するようにしましょう。運動をすることは気分転換となり、血行もよくなります。脳の活性化、代謝アップにもつながりますので、可能な範囲で散歩に行くとよいでしょう。

パピヨンの毛並はとても美しく、豊富な飾り気も特徴的ですが、だんだん毛の色がうすくなってきたり、筋肉が衰えてくるなどの症状があります。また、食事のペースや消化、吸収、能力も低下してきます。シニア向けフードに切り替えるなど、愛犬の栄養管理に十分注意してあげましょう。

お部屋の中で寝て過ごす時間が多くなるシニア犬の為に、ゆっくり休むことができる環境を用意してあげるようにしましょう。もともと活発で神経質であったパピヨンも動きゆっくりになります。今まで神経質に吠えた愛犬が吠えなくなる、おもちゃにあまり興味をもたなくなったなど、心の変化によって老化が進んでいることもあります。ゆっくり休める環境の中でも、愛犬とのコミュニケーションを大切にしましょう。ただし、ふらつきなど神経症状が出ている場合は、早めに獣医師に相談しましょう。

季節ごとの注意点

パピヨンにとってとても過ごしやすい季節ですが、気温の変化に注意しなくてはいけません。子犬やシニア犬は特に注意しましょう。シングルコートのパピヨンにとっては朝晩の寒さは体を冷やす原因になってしまいます。室温管理に注意するようにしましょう。

春になって、外にお出かけすることも多くなります。パピヨンは外で遊ぶことも大好きな活発な犬種ですので、ストレス発散の為にもたっぷりお散歩などで運動する時間を作りましょう。しかし、一方でノミやダニの寄生虫、また腸内寄生虫の感染など感染症に十分注意したい季節でもあります。ノミダニ対策、フィラリア予防薬、動物病院で検査を行い、適切な予防薬を服用するようにしましょう。また、狂犬病予防接種の時期でもありますので、必ず受けるようにしましょう。

パピヨンは抜け毛が少ないのが特徴ですが、胸の周りの豊富な毛や耳のあたりの飾り毛がからまりやすくなってしまいます。お散歩が気持ちいい季節ではありますが、お散歩の後などはブラッシングでほこり、毛玉やもつれを取りのぞくようにしましょう。また、美しい被毛を保つためのシャンプーも2週間から3週間に1回は行うようにしましょう。

パピヨンはシングルコートの為、熱中症と低体温症、両方に気を付けなくてはいけません。熱中症は家の中にいてもかかることがありますが、外で遊ぶ場合はさらに注意が必要です。お散歩の時間も夕方以降涼しい時間にするなど、生活スタイルを改めて見直すようにしましょう。

室温は、人間か快適に過ごすことができる温度で十分ですので、エアコンを上手に利用しましょう。ただし、冷房の風が直接当たってしまうと、体があっという間に冷えて体調を崩す原因にもなってしまいます。ケージやベッド、愛犬が過ごす場所に直射日光が当たっていないか確認すると共に、冷風もあたっていないか確認しましょう。

夏バテによって、体力や食欲が減退してしまうこともあります。普段から食が細いパピヨンの場合は、さらに注意が必要です。食欲が低下してしまった場合は水分量が多く嗜好性も高いウェットフードを与えてみるなど、少量であっても栄養補給できるような食事を心がけてあげるとよいでしょう。ただし、高カロリーな物を与え過ぎると、肥満や皮膚コンディションを悪くする原因になりますので注意しましょう。

秋は、気温が下がって、春と同じくパピヨンにとっては過ごしやすい季節になります。冬に向けて体力を回復させておきたい季節でもありますが、注意すべき点は食欲と肥満です。急に食欲旺盛になってしまい、与え過ぎていると、肥満になってしまってしまいます。食欲旺盛になったからと言って与え過ぎないように十分に注意しましょう。

秋はお散歩も気持ちよい季節です。春夏と同様に、秋になっても、フィラリア症の予防薬とノミの駆除薬は続けるようにしましょう。また、お散歩のあとのブラッシングや被毛の手入れはしっかり行うようにしましょう。皮脂が残っていたり、逆に乾燥してしまっていると、被毛にダメージを与えてしまいます。万が一、痒がるなど、皮膚に異変を感じた場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

シングルコートのパピヨンにすとって体の冷えは体調不良の原因になります。室温を保つことはもちろんですが、外にお出かけする場合は、洋服を着せるなどして小さな体の体温を保てるようにしましょう。ただし、体温調節がしやすいコートなどがおすすめです。動きやすいもの、着脱しやすいものを選んであげるようにしましょう。万が一、震えてしまっているようであれば、すぐに体をあたためるよう抱っこしてあげましょう。

冬は暖房を使うことによって乾燥にも注意しましょう。室内の乾燥は、ウイルスの蔓延や気管支炎、被毛の乾燥などを引き起こしてしまいます。暖房とあわせて加湿器を上手に使うようにしましょう。暖房器具を使用すると、気づくと、体が温まりすぎて脱水症状を起こしてしまうことがあります。特にヒーターやこたつによる火傷、電気コードによる事故などには特に注意しましょう。

子犬期に気を付けたい病気とその兆候

膝蓋骨脱臼

小型犬に多い病気で、骨の細いパピヨンも注意が必要です。先天的な形成異常で膝蓋骨が外れやすくなってしまっています。子犬の頃のワクチン接種や健康診断のタイミングで、関節もしっかり診てもらっておくとよいでしょう。

先天的な原因が多いものですが、関節に負担がかかることで発症してしまうこともあります。成長段階にある子犬の骨は、毎日十分な栄養をとっていても思わぬ事故から骨折や脱臼につながってしまうことがあります。

家族と一緒に過ごすことが大好きで活発なパピヨンですので、ソファーや階段からジャンプした時に、そのまま骨折してしまうこともあります。抱っこしていたのに、突然ジャンプしてバランスを崩し骨折や脱臼ということもあるのです。普段の生活には十分に注意し、なんらかの異常を感じたら早めに獣医師に診てもらいましょう。

眼瞼内反症

先天性の目の病気で眼瞼のふちが内方へと反転してしまいます。この病気は生まれてまもなく、目が開いた時にすぐにわかるほど、先天性が強い病気です。ただし、あまりに小さい場合は、手術することもできない為、まずは角膜を保護するようにします。

角膜炎や角膜潰瘍を起こしやすくなっているので、眼軟膏などによる保護が必要になります。まつ毛を根気よく抜いたり、最近ではレーザー治療を行う場合もあります。いずれにしても、涙がいっぱいで、目の炎症もおきやすい状態になってしまいますので、生後まもなく、目の異常を感じた場合は、すぐに動物病院で診てもらうようにしましょう。

シニア期に気を付けたい病気とその兆候

僧帽弁閉鎖不全症

小型犬によく見られる病気でパピヨンも年齢を重ねるにつれてなりやすい病気す。僧帽弁の変形により、心臓内で血液が一部逆流する病気で、進行していくと呼吸困難や不整脈が出てくるようになります。愛犬がシニア期にさしかかった時は、定期的な健康診断をしっかり行うようにしましょう。発症の際は、心内雑音が聴かれるので、獣医師に診断をしてもらうことができます。その上で、進行を遅らせる為の毎日の薬の服用が必要になります。

塩分を控えた食事や運動制限も必要になってきます。今迄よりも疲れやすい、すぐに呼吸が荒くなってしまう、咳が出るなど様々な症状が出てきます。老犬だからで済ませるのではなく、愛犬の心臓の負担を考えて早めに検査してもらうとよいでしょう。

気管虚脱

小型犬に多い病気で、その名のとおり気管がつぶれてしまい、咳や呼吸困難につながります。シニア期になると、そもそも筋肉が硬くなっているので空気の通り道が狭くなっていますが、心臓疾患や気管支炎の咳や過呼吸でさえ、原因になってしまいます。

呼吸する時に気管がつぶれて空気の通りが阻害され、咳や呼吸困難を起こします。小型犬に多い病気で、気管の筋肉が硬化してくる中シニア期、心臓病から発症してしまうこともあります。また、肥満によって、気管を圧迫してしまっているケースもあります。

気管虚脱は、激しい咳が特徴になります。大きな咳が続くようであれば、早めに獣医師の診察を受けましょう。定期的な健康診断や、肥満予防のための食事や運動などが大切になります。また、首輪が原因になることもあり、散歩の引っ張りが強い場合は注意が必要になります。ハーネスに切り替えてあげるとよいでしょう。

健康に過ごすためのボディチェック

体全体のチェック

パピヨンの体全体をまずは触ってあげる習慣をもちましょう。ボディチェックは、コミュニケーションの一環としてもとても大切です。まずは、背中や胸など、愛犬が気持ちよいところを触ってあげながら、たくさん褒めていきましょう。

シングルコートのパピヨンにとって、ブラッシングも優しく行う必要があります。スリッカーでブラッシングしていると、皮膚まで傷つけてしまうことがあります。被毛のチェック、皮膚のチェックもしてあげましょう。

特に梅雨の時期は、大切な飾り気も毛玉になりやすいものです。そのままにしておくと、衛生的にもよくありません。毛玉やもつれはといてあげるようにしましょう。皮膚のチェックも大切です。炎症や脱毛などがないか、また掻いてしまった跡がないかなどチェックしてあげましょう。

足先は嫌がる部分でもありますが、散歩後などに足の裏のパッドが傷ついていないか、何か異物が刺さっていないかなどチェックすることも大切です。また、爪が伸びていないかもしっかりチェックしてあげましょう。

お尻付近やしっぽの周辺も触られることを嫌がる部分ではありますが、優しく声をかけてあげながら見るようにしましょう。パピヨンが地面にお尻をこするようなしぐさをしている時は、肛門腺絞りが必要なサインです。その他、お尻周辺が汚れていないか、下痢の跡や肛門周辺の炎症はないかなどチェックしてあげましょう。

顔周りのチェック

元気な場合は顔もとてもイキイキとしています。目の輝きを見てあげましょう。逆さまつげになっている、目の炎症が起きている、いつもよりまぶしそうにしている、痛がっているなどの様子があれば、早めに獣医師に診てもらいましょう。なんらかの病気が原因で涙が豊富になると、涙やけにもなりやすいので、涙が出ている場合は丁寧にふき取ってあげましょう。

パピヨンの耳は通気性が比較的よい立耳ですが、においがする、耳周辺が汚れている、耳垢が出てくるといった場合は、外耳炎や耳ダニの感染などを起こしている場合があります。また丁寧に耳掃除をしようとしたあまり、耳を傷つけてしまっていることもあります。においや耳の炎症、赤みが気になる場合は早めに獣医師に診てもらいましょう。耳の炎症は、アレルギーによって引き起こされていることもありますので、注意してみるようにしましょう。

口のチェックも大切です。犬は歯周病になりやすく、特に高齢犬は注意が必要になります。毎日の歯磨きが効果的ですが、難しい場合は、指先に布を巻いてふき取るようにマッサージしてあげるだけでも効果があります。愛犬が口を触ることに対して嫌がったり、恐怖を感じているようであれば、少しずつ慣らしてあげるようにしましょう。

健康な犬であれば、鼻は適度に湿っています。乾いてしまっている、鼻水が出てしまっている場合は体調不良になっている場合があります。早めに獣医師に相談するようにしましょう。

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ペットシッター

子どもの頃から動物が好きで、ペットのことを学べる専門学校へ進学。卒業後、会社員を経て、ペットシッターとして独立。愛玩動物飼養管理士、愛玩動物救命士の資格を取得し、日々たくさんのわんちゃんやネコちゃんのお世話に奮闘中。自宅では、トイプードルと猫1匹とのんびりとした時間を過ごす。

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