2016年12月2日更新

【獣医師監修】【猫の目】猫の瞬膜が飛び出している時に考えられる病気

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猫はたまに白目を出して寝ているように見えることがありますよね。その正体は、瞬膜。瞬膜は第三眼瞼”つまり第3のまぶたとも呼ばれ、眼球を保護しています。通常はまばたきの瞬間に出入りするため、ほとんど見ることができません。が、猫の体調が悪いときに、この瞬膜が出たままになることがあります。単純な目の病気ばかりではなく、身体全体の不調が原因で瞬膜が出たままになっている場合もあるのです。
瞬膜が飛び出している時の原因や、考えられる病気について見ていきましょう。

【猫の目の仕組みについて】

猫の目について。タペタムの役割を理解!人間とは違う猫の目のしくみとは?

 

猫の目の構造

猫では目を異物などからガードするまつ毛は上側にしかありませんが、猫では目は瞬膜によって堅固に守られています。瞬膜はふつうのまぶたと異なり、目頭および目じりから目の中央に向かって閉じる構造をしています。眠るときには、まぶたを閉じるとともに瞬膜も閉じます。寝ている猫の目を開けると白目の真ん中に細い瞳があるように見えるのは、瞬膜に黒い縁取りがあるため。瞬膜は、普段は目頭や目じりにかすかにのぞく程度ですが、目覚めた直後にはしばらく見えたままになっていることもあります。健康な猫であれば、少し経つと見えなくなります。
瞬膜は高等な霊長類を除いて、多くの動物がもっているものです。自然の中で生きる動物たちは大切な眼球を傷つけないために、瞬膜を自由に使います。鳥たちは滑空の際の乾燥や、ヒナに餌を与える時に瞬膜を閉じ、水中の生き物は水の中では瞬膜で目を保護しています。猫は草の中を歩き回るときや、獲物を狩ったり猫同士のけんかの際にも、瞬膜で角膜を保護しているといわれます。

瞬膜が飛び出している原因

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瞬膜が露出したままになっている場合、目そのものの問題と、身体全体の不調とが考えられます。片目だけ瞬膜が出ているのであれば、眼病やけが、異物が入っているなどの可能性が高いでしょう。両方の目が同じような状態であれば、体調不良と思われます。瞬膜は眼球と連動していて、眼球が後ろに引っ込むと自動的に瞬膜が閉じます。栄養状態が悪くなり眼球周辺の脂肪がやせてくると、人間でいう目がくぼんだ状態となります。また、下痢などによって脱水症状が起こっている場合も、同様の症状が現れます。眼球が傷つき激しい痛みがあるとき、あるいは何らかの原因で眼球の後ろ側の筋組織が痙攣を起こしている場合にも、眼球全体が後ろに引っ張られて瞬膜が閉じます。

 

瞬膜が飛び出している時に考えられる病気

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瞬膜が目を覆う状態にはさまざまな原因がありますが、主に考えられる要因には次のようなものがあります。

瞬膜の炎症

瞬膜が飛び出してしまっている状態を、チェリーアイと呼びます。瞬膜自体が炎症を起こし、毛細血管が浮き出て赤く見えることから、このように呼ばれるようです。瞬膜の内側が炎症で腫れるため、格納できなくなり目の表面に露出します。

結膜炎

結膜炎は、眼球の白目とまぶたの裏を覆っている膜におこる炎症です。猫の場合は人間のように白目が見えないため、表面からは気づきにくく重症化してしまうと瞬膜が押し出されます。猫が前足で目をこすろうとしていたり、何となく目が大きく見えるようであれば、まぶたの内側を確認する必要があります。

白内障

白内障は、眼球の水晶体組織が白くにごってしまう眼病です。発症すると視力が落ち、障害物にぶつかるようになります。白内障の進行とともに、水晶体が石化し眼球が縮んだようになります。重症化に伴い、瞬膜が飛び出してくる例が多いようです。

ホルネル症候群

別名をホーナー症候群といい、頸部交感神経路と呼ばれる部分に異常が発生している状態です。交感神経は瞳孔をひらく信号を送っているため、ここに障害がある猫は瞳孔が縮んだままとなります。主に顔面の片側だけに発生し、片方の目の瞳孔だけが小さく見えます。眼球が落ちくぼんだ状態となり、まぶたが下がって瞬膜が飛び出してきます。

消化不良

体力が衰えたり、消化の悪いものを食べたりすると、消化不良から下痢を起こします。回復が遅れると、下痢が続くことで脱水症状を併発します。眼球周辺が落ちくぼむと、瞬膜が出たままの状態になります。

ネコ風邪

猫がかかる風邪症状を引き起こす病気全般の総称です。さまざまなウィルスが原因となるため、治療には病院でウィルスの特定が必要となります。食欲不振、角膜炎、結膜炎、発熱などの症状が現れると同時に、体力が低下し体重が減少します。身体全体の脂肪が落ちるため、瞬膜の出やすい状態となります。

瞬膜は猫の健康のバロメーター

元気に跳び回っていても、瞬膜が飛び出している場合には健康状態に何らかの異常が起きていると考えた方が良いでしょう。軽い眼病と思っていても、放置しているうちに失明する可能性もあります。体調の異変を訴えられない猫にとって、頼りとなるのは飼い主さんの観察力。いつもと違う様子があった場合には自己判断をせずに、早めに動物病院で受診をさせることが重要です。

 
 

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