2017年6月24日更新

【獣医師監修】猫の目やにが多い時に考えられる病気

ペット生活

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編集部

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動物病院のアンケートによると、猫の飼い主が愛猫の健康で気になる症状としてもっとも多くあげているのが、涙や目やになどのトラブル。犬では10位以内にランク入りしていないところから、猫特有の悩みといえるでしょう。大切な猫の目の働きに、障害が出ては大変ですよね。猫と犬では、基本的な目のしくみに大きな違いはありません。ここでは、猫の涙・目やにがなぜ発生しやすいのか、また原因となる病気にはどのようなものがあるのかを調べていきましょう。

 

健康な猫でも目やにはたまる?

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猫の最大の特徴はその目の大きさです。猫のたまらない魅力の一因となっているのではないでしょうか。顔に対しての比率は動物の赤ちゃんと同じくらい。人間の顔に当てはめると、目の大きさがピンポン玉ほどにもなるといいます。そのため、他の動物よりもキズや乾燥、ホコリの影響を受けやすいのも事実。また人間と比較しても、細菌やウィルスによる感染がしやすい状態にあります。猫は感情で涙を流すことはありませんが、常に大きな眼球を湿らせるために多くの量の涙を出しています。涙には水分以外にも油分などが含まれており、効果的に目を守ります。洗い流したほこりや古くなった細胞などが固まった、茶褐色の目やにがついているのは、身体の垢のようなもので正常範囲です。長時間まばたきをしないで過ごす寝起きに、そのような目やにがついていても心配はいりません。
しかし涙が流れ落ちるような時や、粘度の高い黄色や白色の目やにが目立つ時には、病気の疑いあります。

涙・目やにが多くなる原因

片方の目だけに涙や目やにが多いなどの異常が見られる場合、異物が入っていたり、 傷ついたりしていることがあります。日に透かすと眼球の表面に、大きな抜け毛が浮かんでいるのが見える時も。短時間で治れば心配はいりません。猫はケンカで目を傷つけることが良くあります。表面的にはわからないこともあるので、痛がったりいつまでも目をこするなどしている時には、獣医師に相談した方が良いでしょう。
感染症、アレルギーといった内側の要因で。涙や目やにが増えている場合もあります。発熱、くしゃみ、食欲不振など身体全体の症状をともなうことも多いようです。

 

涙・目やにが多い時に考えられる病気

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涙が流れたり、目やにがついていてしょぼしょぼしているのは、見ている方がつらくなります。時にはまぶたが腫れたり、目やにでふさがってしまう場合もあります。早めに原因を特定して、症状に合った治療を受けさせてあげましょう。猫の涙や目やにの原因となり病気には次のようなものが挙げられます。

外傷性結膜炎

猫同士のケンカやじゃれ合い、草の中を歩いた時など、眼球を傷つけることがあります。外傷性の結膜炎になってしまうと、最初は白い目やにが出ます。進行すると、膿となり黄色っぽい目やにに変わります。活発で元気な猫ほどかかりやすい病気といえるかもしれません。

クラミジア感染症

細菌とウィルスの中間の小さな微生物、ネコクラミジアが引き起こす感染症です。粘着性の黄色い目やにが出るのが特徴で、慢性的な結膜炎となり長期化します。感染後3~10日後に、ほとんどの猫が片方の眼の炎症から始まり、やがてもう片方にもうつります。くしゃみや咳、鼻水といったネコ風邪の症状を併発します。身体中に病原菌をもつため、粘液や糞尿からも感染し、家中の猫が発症する可能性が。重症化して死んでしまうこともあるので、目やにが気になったらすぐに診察を受けましょう。

マイコプラズマ性結膜炎

子どもの病気としても良く知られているマイコプラズマは、猫の肺炎の原因第一位です。さらさらの涙とともに、目やにが見られます。また眼球全体が腫れた状態で、充血が起こります。しつこい咳とともに発熱があり、長引くのが特徴です。マイコプラズマ菌は肺に感染するため、呼吸が荒くなり、苦しそうな様子がみられます。重症化して肺炎を起こし、命を落とす猫がたくさんいます。異変に気づいたら、必ず獣医師に診せるようにしてください。

ネコ風邪

クラミジアと同じくいわゆるネコ風邪といわれる感染症には、ヘルペスウイルス、カリシウイルスなど、さまざまなウィルスがあります。いずれもくしゃみや咳の症状とともに、目やにが出てきます。これらのウィルスは一度感染すると、体内に潜伏して体力の衰えとともに再発するものがほとんどです。混合ワクチンで予防することができる感染症も多いので、子猫のうちから対策をすることが必要です。

涙や目やには病気のサイン

多少の目やには健康な猫でも良く見られます。が、いつもと違った様子の涙や目やにに気づいたら、早めに病院に連れて行くことが大切。目の大きな猫にとって、眼病や目への刺激は避けられない宿命と言えるかもしれません。涙や目やには、もっともわかりやすい健康障害のサインともなります。日頃から観察とスキンシップを心がけ、重症化を未然に防いであげましょう。