2016年12月5日更新

【獣医師監修】【鼻の症状】猫の鼻水がよく出る時に考えられる病気

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猫のくしゃみで鼻水をかぶる、という経験をしたことのある飼い主さんも多いのではないでしょうか。猫は意外と日常的に鼻水を出しています。でも、あまりに鼻水が多かったり、粘着性の鼻水や色のある鼻水の場合には、病気である可能性が高くなります。中には生まれつき鼻炎気味という猫もいますが、早めに原因を突き止めて置いた方が安心です。猫の鼻水が、しつこく続く時に考えられる病気について、みていきましょう。

 

小さいけれど大切な鼻の役割

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猫の鼻は顔の面積から見ると、人間と比較してとても小さく感じます。しかし驚くほど繊細な機能が集約されている、大切な器官です。猫の嗅覚は犬ほどではありませんが、人間の1万~10万倍の感度があります。猫の鼻がいつも少し湿った感じがするのは、粘膜から出される分泌物のせいです。湿らせることで、においの粒子がより吸着しやすくなります。また、呼吸器へと空気を送るための通り道となる鼻は、複雑な構造をしており、冷たい空気に湿気と温度を与えます。空気を吸い込む際には、鼻粘膜の繊毛と呼ばれる細かい毛によって、外からの異物の侵入を防ぎます。鼻粘膜では白血球やリンパ組織によって、細菌やウイルスを阻止する役割があります。鼻水によって鼻腔が詰まると、これらの重要な働きがストップします。特に鼻水がひどいと口呼吸に変わり、病気の原因となる細菌やウィルスが体内に侵入しやすい状態となります。

鼻水が多くなる原因

猫が鼻水をたらしている時には、一時的なものかどうかを判断する必要があります。例えば、人間が辛い物を食べて鼻水が出るように、刺激物を食べた猫は鼻水をたらします。また温度変化に敏感な猫によっては、寝起きや窓を開けて空気を入れ替えた直後など、くしゃみとともに鼻水が出る猫もいます。掃除機などのちょっとしたハウスダストが、刺激となっていることもあります。人間と同じくアレルギー性鼻炎の猫は、ひとつのアレルゲンから発症した後、それ以外の物質にも反応するようになり慢性的に鼻水がみられます。鼻水のもっとも多い原因として挙げられるのは、猫風邪です。猫風邪とはさまざまなウィルスや細菌による症状の総称です。重症化するものや、副鼻腔炎などの後遺症を残すものもあります。

 

鼻水がよく出る時に考えられる病気

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鼻水が慢性化し、呼吸が苦しそうな猫は見ている方がつらくなります。鼻水が出る病気には、どのようなものが考えられるのでしょうか。

アレルギー

人間と同様に、アレルギー物質によって鼻炎がひきおこされる症状です。長期に渡り鼻水やくしゃみが出たり、軽い発熱をともなう場合があります。アレルゲンが特定できた場合には、環境を管理したり、食餌に気をつけることで回避できます。原因物質は、ハウスダスト、化学物質、食品など広範囲にわたります。症状に個体差があるため、猫に合わせた対処法が必要となります。基本的には、鼻炎そのものを完治させるのは困難といわれます。

クリプトコッカス症

粘液性の黄色い鼻水、血が混じった鼻水が見られる場合、クリプトコッカスという真菌に感染している疑いがあります。主にハトの糞が媒介するといわれる病気で、猫が急にいびきをかくようになったり、鼻の周囲にしこりができたりします。ひどくなると、潰瘍が崩れ穴があいて膿が出るなど、皮膚症状が現れます。中枢神経が侵されるとけいれんを起こしたり、ふらつくようになることもあります。視神経に細菌が及ぶと、失明する恐れもあります。

肺炎

くしゃみや鼻水、咳、微熱が続くなどの症状が長期にわたっている場合、肺炎の疑いがあります。肺炎は、肺に炎症が起きている状態で、気管支炎を併発することが多い病気です。肺の機能が低下するために、十分な酸素が得られず、呼吸が浅くなります。猫の肺炎は重症化することが多く、高熱が出ることもあります。運動機能が低下し、立ち上がったり歩くのが困難となる場合もあります。

副鼻腔炎

慢性的な鼻炎が続くことによって、炎症が副鼻腔まで広がった症状です。くしゃみがひどくなり、膿や血が混じった鼻水が出るようになります。悪化すると鼻筋から額にかけて炎症が広がり、腫れた感じになります。痛みをともなうため、顔に触れられることを嫌がるようなります。副鼻腔炎から蓄膿症を発症する場合もあります。鼻が詰まると口呼吸をするようになるので、ウィルスや細菌の侵入が容易になり、合併症発症のリスクが高くなります。また臭いがわからなくなるため、食欲が落ち、体力が低下します。

猫風邪

くしゃみ、鼻水、咳、発熱などを伴う、ウィルスや細菌による上部気道感染症の総称が猫風邪です。原因として一般的に多いものには、クラミジアウィルス、ヘルペスウィルス、カリシウィルスなどが挙げられます。主に2~3ヶ月の子猫がかかりやすく、一度治っても一生ウィルスが潜伏し、体力が低下すると再発する場合が多くみられます。ウィルスごとに有効な薬が異なるため、原因となる細菌やウィルスの特定が必要です。軽いものでは自然治癒する場合もありますが、他の細菌との複合感染も起こりやすく、重症化する場合もあります。

鼻水の出方・色に注意

猫が鼻水を出しているときには、粘度や色を観察しましょう。同時に、猫の様子や食欲・排便などをチェックします。普段あまり鼻水を出さない猫の場合には、軽い症状でも油断は禁物。早めに受診をさせ、症状を悪化させないことがもっとも大切です。

 
 

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