2016年6月24日更新

【獣医師監修】【口の症状】猫の歯がぐらぐらする時に考えられる病気

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編集部

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猫にとって、歯はとても大切な身体の一部。自然界において、歯を失うことは死活問題です。飼われている猫であっても、歯が無くなればやはり不便です。また、万一抜けてしまった場合、放置すると抜けた部位が傷口となり、細菌に感染する恐れもあります。愛猫の歯がぐらぐらしているのを発見すると、どうして良いかわからずとても心配になりますよね。ここでは猫の歯がぐらつく原因には、どのような病気の可能性があるのかを詳しく見ていきます。

 

猫の歯はどんな構造?

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肉食動物である猫の歯には、人間の奥歯のように食物をすりつぶす機能はありません。猫の歯は全部そろっていれば30本。あくびをするとにょきっと見えるのは、犬歯、いわゆるキバです。狩りの際、相手の急所に突き立てる役割を果たします。人間の前歯にあたるのは、小さく並ぶ門歯。食べるためというよりは、獲物の毛などを掻きとる時などに使われます。臼歯はありますが、形はぎざぎざで別名は裂肉歯。その名のとおり、肉を引き裂くために使われます。上下が山型になっていてかみ合います。そのため猫は人間のように咀嚼することはなく、かみ切った食物を丸のみするようにして食べます。人間の歯とは異なり、すき間なく歯が並んでいるわけではないので、虫歯になりにくい構造となっています。

猫の歯がぐらつく原因

猫にも赤ちゃん時代の歯から大人の歯への生え変わりがあります。生まれて2週間ほどで生えてくる乳歯は、3ヶ月ごろから6ヶ月くらいにかけて永久歯へと変わっていきます。子猫の乳歯がぐらぐらしても、心配はありません。また、老齢の猫は次第に歯茎が弱くなり、歯が抜け落ちることもあります。元気盛りの猫の歯がぐらついている場合には、外的な衝撃などによるものと病気によるものとが考えられます。どこかで顔をぶつけたり、ケンカをしたなどで歯に力がかかり、抜けかけているのかもしれません。口の中が切れていないか、他に外傷がないかなど確認する必要があります。遊んでいるときに、布などの繊維にひっかけて歯が引っ張られるなども歯がぐらつく原因になります。また、猫は基本的に虫歯になりませんが、歯や歯茎にトラブルをもつ猫が8割程度に上るといわれています。

 

歯がぐらぐらする時に考えられる病気

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ケガによるものでなければ、歯がぐらついている時には、口が臭くなるといった症状が同時に現れます。口内炎や腫瘍を併発していることも多いので、こまめに口の中のチェックをしてあげるようにしましょう。歯がぐらつく時に考えられる病気には、次のようなものがあります。

歯周病

ある獣医師によると、3歳を過ぎた猫のほとんどに歯周病が見られるといいます。歯周病とは、歯茎の病気の総称で歯周炎、歯槽膿漏、歯槽骨膜炎等などが含まれます。歯周病の原因は、細菌感染。口内炎などの傷口、歯垢や歯石などの汚れから発生した細菌が、歯周組織に侵入して起こります。歯がぐらぐらしている場合、かなり病状が進行していると思われます。口臭がひどく、痛みがあるため食欲がなくなります。治療は歯石を除去することから始めますが、完全にクリーニングするためには猫に麻酔をかける必要があり、これは猫の体に少なからず負担となります。定期的な歯の手入れ、適切な餌の選択によって、歯周病予防を心がけるようにしましょう。

ネックリージョン

ネックリージョンは「破歯細胞性吸収病巣(はしさいぼうせいきゅうしゅうびょうそう)」または「歯頸部吸収病巣(しけいぶきゅうしゅうびょうそう)」とも呼ばれます。4歳以上の約半数にはこの症状がみられるといいます。歯の付け根に吸収病巣という虫歯に良く似た穴が開く病気ですが、ミュータンス菌のような細菌は関連しません。穴の開く状態によって、歯の根元が弱くなりぐらつきが出てきます。進行するとあごの骨にも影響するため、診察時にはレントゲンを撮って調べる必要があります。

骨髄炎

折れた歯や、すでに抜けた歯の跡に細菌が入り、骨に感染する病気です。歯が取れた後、細菌が骨まで到達するのにはかなりの時間を要します。そのため、折ったり抜けたりした数年後に発症ことがほとんど。歯を折ったときに痛がる様子がないからと放置することで、細菌感染に至る猫が多いようです。あごの骨全体に感染が広がると、更に歯がぐらつき抜け落ちます。猫のあごの骨は人間や犬よりも弱く、細菌感染が広がりやすい性質があります。骨髄炎の治療は感染している部分の骨を削るなど、大がかりな手術が必要となります。飼い主さんが気づかないうちに、皮膚から膿が出るほど進んでいるケースもあります。

お口の中のチェックが重要

猫の歯がぐらぐらする場合には、必ず何らかの他の症状もみられます。猫はあまり口に触れられたがりませんが、スキンシップの際には口臭や歯垢もチェックしておきましょう。歯が折れるなどした場合も放置は禁物。大病にしないためにも、日頃から十分に気をつけてあげてくださいね。

 
 

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