2016年12月8日更新

【獣医師監修】【皮膚の症状】猫が皮膚をしきりにかく時に考えられる病気

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猫が身体をかくのは自然な行動です。しかし、同じ場所を集中的にかいたり、身体中を激しくかく場合には何らかの原因があるのかもしれません。猫はかゆみに敏感な動物です。皮膚をかきすぎて炎症をおこし、皮膚に傷をつけてしまい、悪化させてしまうとなかなか治りません。人間でもしつこいかゆみはつらいもの。見ている方が切なくなってしまいますね。正しい対処をするためには、原因の特定が必要です。猫が皮膚をしきりにかく時には、どのような病気が考えられるのかを見ていきましょう。

 

猫の皮膚どんな構造?

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猫の皮膚は「表皮」、「真皮」、「皮下組織」の三層から成り立っています。被毛と共に、外傷や細菌から身体を守る表皮は、タンパク質と脂質がつなぎ合わされて出来ています。色素を作り、紫外線も遮断します。表皮を下から支えているのが、真皮です。神経、血管、リンパ管などの組織があり、コラーゲンと弾性繊維で出来ています。皮下組織の主な要素は皮下脂肪です。この部分が厚くなると、全体に丸くなり肥満体型になります。
猫の皮膚は非常に高度な感覚器官でもあります。真皮や皮下組織に分布するパチニ小体という受容体が、圧力や振動に対して素早く反応します。被毛についても、下毛、上毛、最剛毛それぞれに対して数本単位の動きを感知することができます。皮膚疾患が起こると、この感覚が敏感になり過ぎたり、鈍ったりという状態になります。

猫が皮膚をかく原因

猫が身体をかくということは、かゆみがあるか皮膚に違和感があるということです。猫が皮膚をかいてしまう原因として考えられる状態には、次のようなものが挙げられます。

  • 寄生虫やカビ
  • 皮膚が乾燥状態になっている
  • 免疫系の疾患
  • アレルギー

猫がさかんに身体をかいているのを見ると、真っ先に頭に浮かぶのが「何かいるんじゃないかな」という事でしょう。ノミやダニは動物につきものですが、激しいかゆみをもたらし、しかも転々と移動します。また、高齢になると肌が乾燥しやすくなるのは、人間も猫も同じ。ガサガサと皮膚が荒れた状態になり、かゆみを伴います。免疫系の病気も、皮膚に異常を引き起こします。免疫システムに異常があると皮膚の抵抗力が落ち、わずかな刺激でも異常な炎症反応を引き起こします。意外と原因として多い割に気づかないのが、アレルギーです。食材の中にアレルゲンとなるものがある場合、猫がわからずに食べ続けることで症状が悪化していきます。皮膚をかく原因としては、身体の内側・外側それぞれに可能性があるということです。

 

皮膚をしきりにかく時に考えられる病気

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皮膚をかく要因は数多くありますが、もっとも考えられる病気を見てみましょう。

寄生虫による皮膚病

ノミ、ダニ、毛ジラミなどによって、皮膚炎が起こる病気で、疥癬もこの中に入ります。経口薬によって症状を鎮めると同時に、虫の駆除を行います。多頭飼いの場合には、他の猫も一緒に処置します。また、部屋の徹底掃除や、寝床の日光消毒などを実施します。

アレルギー

猫にもアトピーのようなアレルギー症状があります。ハウスダストなどから発症し、くしゃみや鼻水以外にも、皮膚のかゆみが出る場合があります。食べ物から起こるのは、食餌アレルギー性皮膚炎と呼ばれます。血液検査によってアレルギーの元を特定するとともに、アレルギーもつ猫用のフードを利用します。

スタットテイル

スタットテイルは分泌腺の異常による、猫特有の病気です。猫の尻尾の付け根周辺には、皮脂腺、アポクリン腺と呼ばれる分泌腺があり、臭いつけを行ないます。何らかの原因によりこれらの分泌る腺からの分泌が過剰になり、油分の多い分泌物で毛穴がふさがれ皮膚病となります。去勢していない若い雄猫に多くみられる症状で、尻尾が脂っぽくベタベタしているようになります。皮膚病になると痛痒さを感じ、かきむしったり、しつこくなめる、噛む、などが見られます。

薬疹

抗生剤などの投薬により、発疹ができる症状です。気づかずに薬を飲ませ続けることで、悪化していきます。外用薬では改善せず、治りかけても再発をくり返します。続けて薬を飲ませている場合には、発疹に気づいたらすぐに獣医師に相談してください。薬疹であるときは、別の薬に変更してもらう必要があります。

接触性皮膚炎

金属やプラスチックなどに対するアレルギーがある場合には、食器や家具、てすりなどに接触することでかぶれを起こします。また、ウルシ科の植物などに外歩きの際に接触することで、発生することも多いようです。接触性皮膚炎は、接触した部分の周辺のみに炎症が起こるのが特徴です。他にかゆがる原因に心当たりがなく、身体の一部分で症状がある場合には猫の食器など身近なものをチェックすると良いかもしれません。

猫ニキビ

猫のあごに黒いブツブツがある場合のほとんどが、猫ニキビです。汚れや皮脂が毛穴をふさいで起こる場合や、水分により皮膚が蒸れた状態になるなど、さまざまな要因で発生します。炎症をおこすと痛がゆさを生じ、しきりとかくようになります。かき壊してかさぶたになり、毛が抜け落ちることもあります。

猫はかゆみを訴えられない

口のきけない猫は、身体をかくことでしかつらさを伝えられません。猫がしきりと皮膚をかいている時には、毛をかきわけて皮膚に異常が起こっていないかを確認します。体内の疾患でかゆみが生じていることもあります。しつこくかくようであれば、早めに獣医に相談してください。

 
 

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