2016年12月13日更新

【獣医師監修】【食習慣の変化】猫が多飲・水を異常にたくさん飲む時に考えられる病気

ペット生活

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編集部

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猫の水を飲む姿は、なかなか可愛らしいものですね。でも、あまりひんぱんに水ばかり飲んでいると、何だか普通より多いのでは?と気になります。猫は一般的にはどの程度水を飲むものなのでしょうか。猫が水を大量に飲む時には、どんな病気が考えられるのかを見ていきましょう。

 

猫はどれくらい水を飲むの?

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夜行性の猫は人が寝静まった後でも、ぴちゃぴちゃと音を立てて水を飲んでいるものです。人間のようにコップで飲んでいないので、なかなか量がわかりづらいものですが、1日に与える量を決めておくと減った分を確認できます。
判断基準としては24時間内に水を飲んだ量が体重1kgあたり、100mlを超えると多飲と考えられます。体重5kgであれば500ml入れておいたお皿が、1日で空になれば飲み過ぎということですね。「最近、水を飲んでいる姿を良く見かけるな」という時には、時間を決めて水の量を計ってあげてください。
さらにチェックしづらいのは、尿の量です。こちらは多飲が顕著であれば、尿の量も増えていると思って間違いありません。猫トイレの掃除を毎日行なっていれば、おしっこをする回数やその量が多くなっていることに気づく飼い主さんも多いのではないでしょうか。トイレ砂の固まりの大きさを良く観察することで、病気の発見につながります。

猫が多飲する原因

人間も熱があったり、風邪をひくと水分が欲しくなりますよね。気管周辺が乾燥してくると、水を飲みたくなります。また、お酒を飲み過ぎたりした場合も体内の水分が不足し、翌日は水をがぶ飲みしてしまいます。
猫の場合も何らかの原因で体内の水分が失われたり、粘膜が乾燥するとよく水飲むようになります。例としては、猫風邪による発熱や、身体のどこかに炎症が起きている場合です。また、ストレスなどにより、自律神経のバランスが崩れている可能性もあります。糖尿病では、血液中のブドウ糖の排出作用とともに尿量が増え、脱水症状を起こすことで、のどが渇きます。また腎臓の機能が低下し、尿を濃縮できなくなってもやはり尿量が増え、同様の症状となります。尿石症の療法食を食べている猫や、塩分の多いものを与えられている場合ものどの渇きを覚え、飲み水の量が増えていきます。

 

多飲・水を異常にたくさん飲む時に考えられる病気

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慢性腎不全

慢性腎不全は、高齢の猫がもっとも発症しやすいといわれている病気です。15歳以上の猫では1/3が発症する傾向にあります。さまざまな病気が原因で誘発され、また進行がゆるやかで気づきにくいのが特徴です。慢性腎不全によって多飲の症状があらわれるのは、腎機能の6割が失われている頃で、重症化する場合がほとんどです。

慢性胃炎

くり返し胃の粘膜に炎症が起こる病気です。炎症が悪化すると、潰瘍ができる恐れがあります。原因としては、ウィルス性の急性胃炎の他、寄生虫やアレルギー性の胃炎なども考えられます。食欲が落ち、水ばかり飲むため体重が減少します。継続的なおう吐や、腹部にさわると嫌がるなどの様子が見られます。

副腎皮質機能亢進症

クッシング症状群とも呼ばれ、副腎皮質ホルモンの過剰分泌によって引き起こされる症状です。代謝異常、高血糖などを伴い、水を良く飲み、食欲が旺盛で一見元気そうに見えます。大量に食べている割には毛づやが悪くなり、下半身の脱毛が見られる場合もあります。

糖尿病

人間の糖尿病と同じく、インスリンの働きが低下し、血液中の糖が多くなる病気です。大量に水を飲み食欲も旺盛ですが、体重減少が見られます。疲れやすくなって次第に不活発になっていきます。重症化すると失明や四肢のえそを起こす場合があります。

子宮蓄膿症

細菌感染などにより、メス猫の子宮の中で炎症が起き、膿がたまった状態となります。たくさん水を飲むようになり、陰部から膿が出る場合もあります。おう吐や発熱といった症状を伴うことも多いようです。緊急性があるときには、手術が必要となります。

尿崩症

腎臓に作用し尿量を調整する、抗利尿ホルモンの異常によって引き起こされる病気です。尿の回数や量が極端に増え、それに伴って水を多飲するようになります。脳内の腫瘍や腎臓疾患が原因としてあげられます。

高カルシウム血症

血液中のカルシウム濃度が異常に高くなり、神経筋、胃・腸管、腎臓や心臓など広く臓器に害を与えます。水の多飲が見られ、次第に元気がなくなり食欲が落ちます。便秘を伴う場合もあります。衰弱がひどく、けいれんや不整脈が起こる場合もあります。主な原因としては、悪性リンパ腫・腫瘍、副腎皮質機能低下症などあげられます。

一過性の多飲と区別が必要

気温が上がれば、人間も水分を摂る量が増えてきます。水を良く飲んでいても、猫の季節による生理的な変化であれば心配はありません。少し気になる点があれば、数日間は良く観察をして摂取量と尿量をチェックしておきましょう。何事も早期発見がカギとなります。