2016年6月24日更新

【獣医師監修】【呼吸の変化】猫がやたらくしゃみをする時に考えられる病気

猫のくしゃみは意外と強烈で、そばにいると飛沫が飛んでくることもあります。猫好きにはたまらなく可愛いと思える一面、「風邪?」「病気?」と思わず心配になりますよね。猫がくしゃみをするのは、どんな状態のときでしょうか。猫のくしゃみで心配される原因や病気とは?ここでは猫がたくさんくしゃみをする時の原因や考えられる病気について見ていきましょう。

猫の“正常な”くしゃみって?

素材_shutterstock_326607302
たいていの動物は正常な生理現象としてくしゃみをします。気温の変化やほこりなどに反応して、くしゃみが出るのは人間も同じです。ヒトの場合にはくしゃみの動作を縦方向で行いますよね。自然と上から下に頭が大きく振れます。猫の場合は、これが横回転で行われます。猫の隣にいると水っぽいものをかぶる確率が高いのは、そのせいです。この運動は、飛沫がたくさん飛び散ります。複数頭飼いの場合には、ネコ風邪の恐れが無いか気をつけなければなりません。
ごく一般的な生理現象の場合、くしゃみが1回か多くても2回までです。それ以上連発する、鼻水を伴う、涙目になるなどの症状を伴う場合には、何らかの病気の可能性があります。また、1日で治まらずに毎日くしゃみが続くようであれば、要注意です。アレルギー症状として、何らかの物質に反応している可能性があります。

猫がくしゃみをする原因

猫がくしゃみをする直接の原因としては、鼻粘膜の乾燥があります。気管から鼻にかけての乾燥によって、わずかな刺激でもくしゃみを誘発させます。一過性のものとしては他に、煙やガス、大量のホコリを吸い込んだ可能性も。廊下から暖房のある部屋に入ったときないどの、急激な温度変化でもくしゃみが出ますよね。自分の抜け毛を吸い込んだり、草などが鼻の孔に触れている場合もくしゃみをします。
病的な要因としては、ハウスダストアレルギー慢性鼻炎、ウイルスの感染などが考えられます。ネコ風邪などではしつこいくしゃみとともに、鼻水を出していることも多いようです。また慢性化した鼻腔関連の疾患の可能性もあります。
病的なくしゃみは良く見ていると、生理的な反応とは明らかに異なります。早めに診断を受けて、早期の治療を受けさせましょう。

やたらくしゃみをする時に考えられる病気

素材_shutterstock_86627425
可愛い猫のくしゃみですが、止まらないと本人は呼吸が苦しいものです。また、くしゃみに伴う鼻づまりが起こると、臭いがわからずに食欲不振につながります。くしゃみが連続する場合に考えられる病気では、次のようなものが考えられます。

猫クラミジア感染症

猫クラミジア感染症は、目やにが多いのが特徴です。また、鼻水も多く出ます。目の周りが不潔になりやすいため、結膜炎の恐れがあります。非常に感染力が高いので、複数飼っている場合には、症状が出ていない猫も一緒に受診をさせましょう。ひどくなると呼吸器系にも炎症が起こり、重症化して死に至る場合もあります。

副鼻腔炎

慢性的な鼻炎から、鼻の奥にある副鼻腔にまで炎症が波及した状態です。鼻の奥が腫れて、外側からもわかるほど盛り上がる場合もあります。気道が狭くなるため息苦しく、食欲がなくなり、体力が低下します。口が開き気味になることで、細菌やウイルスの体内侵入の心配があります。

猫ウイルス性鼻気管炎

くしゃみの他、咳、鼻水、発熱などいわゆる風邪症状が見られます。涙目や充血もあり、目やにが目立つように。長期化すると角膜炎、結膜炎などの眼病を引き起こします。このウイルスは非常に感染力が強く、猫用の日用品や、飛沫、また接触によってもうつります。り患の恐れがある猫の世話の後には、良く手を洗ってから他の猫に接するようにしましょう。

クリプトコッカス症

主にハトの糞を媒体とすることで知られるクリプトコッカスウイルスが原因で起こります。
くしゃみとともに、膿のように粘度の高い鼻水が出て、血が混じる場合もあります。元気がなくなり、食欲も低下します。鼻づまりがひどく、呼吸器障害も併発すると大きないびきをかくようになります。重症化すると中枢神経が侵され、けいれんや失明の症状があらわれる恐れもあります。

猫カリシウイルス感染症

くしゃみ、鼻水、発熱など風邪症状が現れます。免疫力が低下し口内炎ができると、傷みのため食欲がなくなり、よだれを垂らすようになります。猫カリシウイルス感染症のウイルスは感染力が強く、空気感染や接触感染、間接感染などで他の猫にも発症します。空気が乾燥し気温の下がる冬場に発生が多く、対策としては室温・湿度管理の徹底が有効です。

猫エイズウイルス感染症

空気感染や接触感染はありませんが、ケンカなどでのだ液、交尾によって感染します。猫エイズウイルス感染症はウイルス感染後すぐに劇症化するわけではなく、3段階の時期を経ていきます。くしゃみや鼻水、発熱・下痢などの風邪症状は感染後の「急性期」に現れ、その後「無症状キャリア期」「エイズ発症期」と変化します。「無症状キャリア期」では症状が現れず、長い場合には10年以上平穏に過ごす猫もいます。

“たかがくしゃみ”に潜む病気

人間の場合はくしゃみに伴う悪寒など、自覚症状によって早めに対処できますが、猫は自分では何もできません。くしゃみの状態を見極めて、病院に行くかどうかを判断するのは飼い主さんです。ポイントは鼻水、目やにといった顔まわりの症状。日頃から良く観察していれば、それだけ早期に異変に気づくことができます。

ペット生活

ペット生活

編集部

ペットとの暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

関連記事

【動物看護師が徹底解説!】猫の咳やくしゃみ、何かの病気のサイン?

愛猫が咳やくしゃみをしたり、鼻水を垂らしている。そんな状態を目にしたら、真っ先に考えるのは”風邪”ではないでしょうか?しかし、咳やくしゃみは風邪を引いたときだけに起こる症状ではなく、その他の……

猫がやたらくしゃみをする

【獣医師監修】【呼吸の変化】猫がやたらくしゃみをする時に考えられる病気

猫のくしゃみは意外と強烈で、そばにいると飛沫が飛んでくることもあります。猫好きにはたまらなく可愛いと思える一面、「風邪?」「病気?」と思わず心配になりますよね。猫がくしゃみをするのは、どんな……

猫がやたらくしゃみをする