2017年3月18日更新

【ペットシッターが解説】柴犬の飼い方、柴犬との暮らしで注意すること

柴犬の性格と性質

性格


柴犬は、日本犬を代表する犬種です。まさに、その性格も日本犬ならではの、忠実さ、従順さ、勇敢な態度、自信を持った行動をしています。忠実さと勇敢さを持っていますので、日本では古くから番犬としても多く飼われてきました。無駄吠えはあまりしませんが、ここぞという時には、その強さを発揮します。

狩猟本能もとても強い為、様々な物に興味を持ちます。特に小さな動物を追いかけようとしたり、動くものに飛びつこうとすることがあります。頑固な面もあわせて持っているため、一度スイッチが入ると攻撃的な面が出てしまい、冷静になるまで時間がかかることもあります。

オスとメスの場合、どちらかというとフレンドリーなタイプはオスに多く、メスは警戒心が強いタイプが多いようです。もちろん個体差はありますが、オスのほうが活発に遊ぶことが大好きで、その分運動量も必要になります。メスの優しい性格を持っている場合が多いですが、神経質さ、頑固さも持っているといえます。

性質

imasia_9887586_S
柴犬は、先住民族と共に日本の山岳地帯で獣猟犬として活躍していました。その為、日本の気候や環境に馴染み、さらには日本人の気質にも合っていると言われています。飼い主さんに対する忠実さと愛情、そして冷静な判断がしっかりとできるのです。最近では、柴犬独特の性格により、海外でも人気が高まってきています。

柴犬の被毛は、ダブルコートで覆われています。上毛はかたくてまっすぐですが、下毛はとても柔らかいものです。換毛期には、ごっそりと毛が抜けることが多くあり、ブラッシングや皮膚病予防がとても大切になります。色は赤、胡麻、黒胡麻、赤胡麻など、様々な毛色があり、くるんと巻いた尻尾も特徴的です。

もともと獣猟犬として活躍していたこともあり、とても賢い犬ですが、動く物に対してとても敏感な反応をします。しっかりとリーダーを決めてしつけをしないと、コントロールができないばかりか、無駄吠えなどの行動まで増えてしまいます。

また、子どもがいる家庭では、仲良くなれるまでに時間がかかることもあります。子犬の頃から様々な経験を通して社会性を身につけ、根気よくしつけをしていくことが大切になります。

柴犬の飼育の注意点

室内環境

柴犬は屋外で飼っている方も多くいます。しつけの面や健康管理の面からすると、室内で飼うことが理想的ではありますが、それぞれの住宅環境にあわせて、柴犬にとってできる限りよい生活空間を作るようにしましょう。

室内で飼う際、柴犬のパーソナルスペースとなるサークルを用意してあげましょう。柴犬は、神経質で広いお部屋が自分のスペースだと勘違いしてしまうと、なかなか落ち着くことができません。リーダーに近い場所で、くつろげる場所を作ってあげるようにします。

気温の変化には、比較的強い柴犬ですが、夏の直射日光が当たる場所にサークルやベッドがあると熱中症の危険性が高まります。また、エアコンの風が直接当たる場所もよくありません。サークルを置く場所はよく考えるようにしましょう。

柴犬は、本能的に自分の寝床から離れた場所に排泄をします。もともと、野山にいた柴犬は、排泄物が寝床の近くにあると自分の存在を知られてしまうということを知っていたからです。その為、可能であれば、トイレと寝床スペースは分けて設置してあげるとよいでしょう。

柴犬は、様々な物に興味を示します。しつけが行き届いていないと、留守番中にお部屋の中を荒らしてしまうということもあり、誤飲誤食や思わぬ事故につながることもあります。部屋の中を自由にさせるのは、家族がいる時のみで、留守中はサークルに入れるなど、環境を整えた上でメリハリをつけた生活を送るとよいでしょう。

運動


柴犬にとって毎日の運動はとても大切なものです。活発な犬種だからこそ、運動不足になるとストレスが溜まってしまいます。普段の散歩であれば、1日に30分から1時間ほどの散歩をしてあげたいものです。

その他にも、ボールやロープなどのおもちゃを使った運動、走ることができる環境があればロングリードなどを使って思いっきり走らせてあげるなど、健康を維持する為にたっぷり運動をすることが大切になります。

部屋の中で遊ぶことも大好きなので、家族とのコミュニケーションの時間として、遊びや運動を取り入れてあげましょう。また、普段からウッドデッキやベランダ、庭先など、日が当たる場所で過ごすことも好きですので、お部屋で過ごす時間と外で過ごす時間を作りながら、運動時間を確保してあげるとよいでしょう。特に若い犬は、どれだけ遊んでも走っても、疲れ知らずといえるほど活発な犬種です。

しつけ


柴犬のしつけで大切なことは、上下関係をしっかりと理解させるということです。柴犬はリーダーの指示にとても忠実です。しかし、リーダーが明確でない限り、自分の立場が上になってしまい、言うことを何も聞かなくなってしまいます。柴犬はこういった面での賢さも持っている為、子犬の頃からリーダーの指示に従うというしつけをしっかり行う必要があります。もともと頑固な性格を持っている柴犬ですので、指示は統一し、甘やかしたりしないことが大切です。

また、柴犬の甘噛みをそのままにしておくと子犬の頃はじゃれる程度であっても成犬になってから、非常に危険な状態になります。子犬の頃から、人に甘噛みをしてはいけないということを習慣づけ、もし噛んできたら噛んでもよいおもちゃなどを与えておきましょう。そして体のあらゆる場所を触っても嫌がらないようにしつけておくことも大切です。

柴犬は無駄吠えが少ないと言われていますが、神経質な性格を持っている為、知らない人に吠えることで番犬としての役割もしていました。しかし、なんでもかんでも吠えてしまったり、自分の欲求を通すために吠えることはよいことではありません。それぞれの家庭の中で、無駄吠えをしないように、または吠えていい場面といけない場面を区別するなど、ルールを決めてしつけを行うことが大切です。

柴犬のケア方法

imasia_3553559_S

ブラッシング

柴犬は、普段の手入れとしては、散歩の後など定期的に獣毛ブラシでブラッシングする程度で比較的短時間で終わります。しかし、換毛期になると、抜け毛が毎日大量になりますので、しっかりとブラッシングを行い、抜け毛を取り除く必要があります。

抜け毛がひどい時期は、スリッカーを使いながらこまめにブラッシングすることが大切になります。柴犬は、抜け毛をそのままにしておくと、皮膚疾患に罹りやすくなります。もともと、皮膚病を起こしやすい犬種でもありますので、換毛期は特に注意しましょう。

抜け毛や死毛を取り除く為に、ファーミネーターなど、市販のブラッシンググッズを利用することも効果的です。専用のブラッシング道具の為、短時間で毎日大量に発生する抜け毛を取り除くことができます。日々の習慣にして、ブラッシング自体をまずは嫌がることがないようにしつけておきましょう。

爪切り

柴犬の爪切りは2週に1回程度チェックをして、月に1回から2回は切る習慣をもちましょう。運動量が多い柴犬は、爪が削れることもありますが、やはりそのままにしておくと、伸びたままになって血管も伸びてしまい、爪切りが大変になります。また、肉球まで食い込むようになると、歩き方にまで影響を及ぼしてしまいます。

柴犬の爪は黒い場合が多いので、少しずつカットしていくようにしましょう。少しずつカットしていくことで、出血も少なくなります。少しずつ切っていき、断面が少し柔らかくなった時はそこでストップするとよいでしょう。柴犬の爪切りはギロチン型の爪切りで行うと便利ですが、角もヤスリをかけておきましょう

爪切りは、一度嫌になってしまうと、その後もさらに嫌がるようになってしまいます。普段から爪切りを当てるだけにして終わりにしたり、1本ずつ切るなど、爪切りを習慣にしていきましょう。もちろん、爪がすでに伸びてしまっている場合や難しい場合は、トリマーや獣医師にお願いするようにしましょう。

肛門腺絞り

柴犬は個体差があるものの、肛門腺絞りは、1ヶ月に1回ほどの頻度で行うようにしましょう。自宅で柴犬のシャンプーやブラッシングを行う際に一緒に行ってしまってもよいでしょう。肛門腺からの分泌物はとても臭いので、洋服などにつかないように注意しましょう。

肛門腺は、肛門の下、時計の4時と8時の方向に人指し指と親指をあてて、下から上に向かって搾り出していきます。柴犬は、リーダーにとても忠実ですので、普段から体の様々な部分を触られることに慣れていれば、肛門腺を絞り出すこともできるでしょう。

ただし、とても敏感なお尻や肛門付近を触ると嫌がる場合も多くあります。あまりに嫌がる場合は、無理せず、トリマーや獣医師にお願いするなどして愛犬のストレスも減らすようにしましょう。

耳掃除


柴犬は立ち耳のため、通気性がよく、耳の汚れは少なめで、むしろ耳掃除のやりすぎはよくありません1週間に1回ほど、耳をチェックして、汚れを拭き取る程度でよいでしょう。耳を拭く際は、専用のイヤークリーナーをコットンに数滴垂らし、汚れを優しく拭き取りましょう。耳の皮膚はとても傷つきやすいので、優しく拭き取るように注意しましょう。

もし、汚れが気になる場合は、耳の中にイヤークリーナーを数滴垂らして、クチュクチュとマッサージするように揉みこんだ後、出てきた汚れを拭き取るようにします。綿棒などを使うと耳を傷つけてしまう可能性もありますので、注意しましょう。

柴犬の耳自体は汚れが溜まりにくいものですが、もともと柴犬は皮膚疾患になりやすく、アレルギーの影響などで耳を痒がることもあります。耳を異常に痒がっていたり、悪臭がするなどなんらかの異常を感じた場合には早めに動物病院に連れて行きましょう。

目の手入れ


柴犬の目から涙や目やにが多くですような時は、目にゴミなどの異物が入って痛い場合やなんらかの病気が原因になっているということもあります。目の健康を日頃からチェックして、いつもと違う様子があれば、獣医師に相談しましょう。

柴犬の目から目やにが出ていたら、優しくふき取ってあげましょう。ガーゼやタオルなどをお湯で湿らせて優しく拭き取ります。また、涙目になっている時や、目の周りが涙で湿っている時は、ホウ酸水を使うと刺激が少なくて便利です。

目のお手入れをしていても、目やにがいつも出ていたり、涙やけをおこしてしまう、目の色がにごっているなど、今までと様子が違うことに気づいた場合に早めに対処することが大切です。

歯磨き

柴犬の歯磨きは可能であれば、毎日の習慣にしたいものです。食べかすがそのまま、歯垢となり、やがて歯石が溜まると、歯周病もひどくなってしまいます。子犬の頃から、歯磨きをする習慣をもつことで、予防できますので、毎日やることが難しくても週1回しっかりと歯磨きをしてあげるなど、習慣をもつことが大切になります。

柴犬の歯磨きは、犬用の歯ブラシや人間の子ども用歯ブラシを使うと、奥歯までしっかりと磨くことができます。もちろん、最初は、指にガーゼや専用の歯磨きシートなどを巻いて、表面の汚れをふき取ってあげるだけでも効果があります。

柴犬は遊ぶことも大好きです。歯磨き効果のあるロープを使って遊びながら、歯の健康に役立てたり、歯磨き効果のあるガムを与えてみてもよいでしょう。ただし、誤飲や食べすぎに注意して、家族が見ているところで与えるようにしましょう。

柴犬がかかりやすい病気

【参考】柴犬の病気〜獣医師が解説する柴犬のかかりやすい病気〜

皮膚疾患

柴犬は、皮膚病を発症することがあり、遺伝が関係しているのではないかと言われています。特にアトピー性皮膚炎を発症することが多くあり、なんらかの物質をアレルゲンとして、アレルギー反応を起こしてしまうことがあります。

柴犬が、体を痒がっていたり、足を噛んだり舐めたりしている、赤みを帯びたところがあるなど、皮膚の異常を感じた場合は、早めに獣医師に相談しましょう。ドッグフードの原材料や添加物などでアレルギーを起こしていることもあり、アレルゲン物質が入っていないフードにする必要性があることもあります。

遺伝的要因と、食事やハウスダストなどの原因、アレルギーは早期に発見し、適切な生活を送ることでとてもラクになります。普段から皮膚の状態をチェックしておくようにしましょう。

中心性進行性網膜萎縮

柴犬の遺伝的疾患に中心性進行性網膜萎縮があります。発症するタイミングが様々ですが、少しずつ進行していく目の病気で、痛みが出ることも少ないといえます。ただし、動くものに対しては反応するのに、静止している物はわからないという状況になりますので、環境面や生活、ストレスに対して配慮してあげなくてはいけません。

特に暗いところでの散歩は危険になります。また、症状が進むと、お部屋の中でも物にぶつかってしまうといった症状も出てきますので、お部屋の環境を整えてあげることが必要になります。目を離す時は、サークル内で過ごさせるなど柴犬も家族も穏やかに過ごせるような室内環境を整えてあげることがよいでしょう。

子犬期の注意点

柴犬の子犬期は、しつけをいかにしっかり行うかということがポイントになってきます。体の成長と共に力も強くなってくる柴犬。もともと少し頑固なところがありますので、子犬の頃から間違ったしつけをしないことが大切になるのです。

柴犬にとって運動がとても大切になります。運動不足になるととたんにストレスが溜まってしまいますので、散歩の時間を長くする、定期的にドッグランに連れていくなど、ワクチンが終わり健康状態も確認された後は、積極的に外に行く習慣を作りましょう。ただし、子犬の頃は、骨の成長段階にもあたります。運動中になんらかの異変を感じた場合は、早めに獣医師に相談しましょう。特にアスファルトなどの固い地面は子犬のうちは特に注意しましょう。

活発な柴犬にとって運動と食事、睡眠のバランスがとても大切になります。食事の際もしつけを行い、食べ残しは早めに片づけましょう。ただし、子犬の頃は栄養摂取がとても大切になりますので、食事を1日3~4回に分けて与えるとよいでしょう。吠えて要求するからといってごはんやおやつを与える習慣を作ってしまうと、リーダーとの関係にも影響しますので、食事のしつけも大切になります。

シニア期の注意点

元気いっぱいだった柴犬ですが、シニアになると、認知症になったり神経系のなんらかの症状が出てくる場合があります。今まで活発だった柴犬の喜怒哀楽の感情が乏しくなっていたり、反応がにぶくなっている場合は様子を見守るようにしましょう。排泄の回数が以前より多くなることもありますので、排泄を外で行う習慣がついている場合は注意しましょう。

シニアになってから関節の傷みなどが出てきやすくなります。定期的な健康診断と愛犬のペースに合わせて適度に運動するようにしましょう。運動をすることは気分転換となり、血行もよくなります。脳の活性化、代謝アップにもつながりますので、可能な範囲で散歩に行くとよいでしょう。

シニアになると、今までよりも運動量が減り、お部屋の中で寝て過ごす時間が多くなります。ゆっくり休むことができる環境を用意してあげるようにしましょう。ただし、基礎代謝も低下する為、太りやすくなってしまいます。食事の栄養管理に注意しましょう。

季節ごとの注意点

柴犬にとってとても過ごしやすい季節ですが、気温の変化に注意しなくてはいけません。子犬やシニア犬は特に注意しましょう。朝晩の寒さは体を冷やす原因になってしまい、また急激な温度変化の中で運動は心臓への負担にもなります。室温管理に注意するようにしましょう。

春になって、外にお出かけすることも多くなります。柴犬は狩猟本能からも運動することが大好きな犬種ですので、ストレス発散の為にもたっぷりお散歩などで運動する時間を作りましょう。しかし、一方でノミやダニの寄生虫、また腸内寄生虫の感染など感染症に十分注意したい季節でもあります。ノミダニ対策、フィラリア予防薬、動物病院で検査を行い、適切な予防薬を服用するようにしましょう。また、狂犬病予防接種の時期でもありますので、必ず受けるようにしましょう。

春の間は冬の間に生えそろったダブルコートの被毛でふさふさしています。散歩後はこまめにブラッシングをしてあげましょう。汚れが気になる場合は、優しく蒸しタオルなどで拭いてあげてもよいでしょう。

柴犬は運動も大好きな活発な犬種ですので、熱中症に気を付けなくてはいけません。さらに外飼いをしている場合は、特に気を付けましょう。熱中症は家の中にいてもかかることがあります。室温管理が体調につながりますので、十分気を付けましょう。お散歩の時間も夕方以降涼しい時間にするなど、生活スタイルを改めて見直すようにしましょう。

室温は、人間か快適に過ごすことができる温度で十分ですので、エアコンを上手に利用しましょう。ただし、冷房の風が直接当たってしまうと、体があっという間に冷えて体調を崩す原因にもなってしまいます。ケージやベッド、愛犬が過ごす場所に直射日光が当たっていないか確認すると共に、冷風もあたっていないか確認しましょう。

春から夏にかけて換毛期となり、驚くほどに毛が抜けます。毎日のブラッシングで抜け毛を取り除くようにしましょう。そのままにしておくと、皮膚炎の原因にもなってしまいます。定期的なシャンプーとブラッシングで早く抜け毛を取り除くことが大切です。

秋は、気温が下がって、春と同じく柴犬にとっては過ごしやすい季節になります。冬に向けて体力を回復させておきたい季節でもありますが、注意すべき点は食欲と肥満です。急に食欲旺盛になってしまい、与え過ぎていると、肥満になってしまってしまいます。食欲旺盛になったからと言って与え過ぎないように十分に注意しましょう。

秋はお散歩も気持ちよい季節です。春夏と同様に、秋になっても、フィラリア症の予防薬とノミの駆除薬は続けるようにしましょう。また、お散歩のあとのブラッシングや被毛の手入れはしっかり行うようにしましょう。皮脂が残っていたり、逆に乾燥してしまっていると、被毛にダメージを与えてしまいます。万が一、痒がるなど、皮膚に異変を感じた場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

ダブルコートの柴犬ですが、寒い冬の体の冷えは体調不良の原因になります。室温を保つことはもちろんですが、万が一、震えてしまっているようであれば、すぐに体をあたためるよう抱っこしてあげましょう。お散歩が大好きな柴犬ですが、子犬や高齢犬は特に注意しましょう。胃腸炎や感染症にもかかりやすい季節ですので注意が必要です。

冬は暖房を使うことによって乾燥にも注意しましょう。室内の乾燥は、ウイルスの蔓延や気管支炎、被毛の乾燥などを引き起こしてしまいます。暖房とあわせて加湿器を上手に使うようにしましょう。暖房器具を使用すると、気づくと、体が温まりすぎて脱水症状を起こしてしまうことがあります。特にヒーターやこたつによる火傷、電気コードによる事故などには特に注意しましょう。

子犬期に気を付けたい病気とその兆候

膝蓋骨脱臼

小型犬に多い病気で、活発に動き回る柴犬も注意が必要です。先天的な形成異常で膝蓋骨が外れやすくなってしまっています。子犬の頃のワクチン接種や健康診断のタイミングで、関節もしっかり診てもらっておくとよいでしょう。

先天的な原因が多いものですが、関節に負担がかかることで発症してしまうこともあります。成長段階にある子犬の骨は、毎日十分な栄養をとっていても思わぬ事故から骨折や脱臼につながってしまうことがあります。

運動することが大好きな柴犬は、大きくジャンプしたりソファーや階段からジャンプした時に、そのまま骨折してしまうこともあります。抱っこしていたのに、突然ジャンプしてバランスを崩し骨折や脱臼ということもあるのです。後天的な原因から膝蓋骨脱臼につながることもありますので、普段の生活には十分に注意し、なんらかの異常を感じたら早めに獣医師に診てもらいましょう。

アレルギー性皮膚炎

柴犬は皮膚炎を起こしやすい犬種です。アレルギー皮膚炎は、ノミ、ダニ、食べ物など、様々な原因で発症します。食べ物のアレルギーがある場合は食餌性皮膚炎、環境の場合はアトピー性皮膚炎と言いますが、まずが原因を特定することが必要になります。

換毛期の抜け毛も多い柴犬ですので、そのままにしておくと皮膚炎を起こしてしまうこともあります。どんどんかゆみがひどくなり、弱い皮膚が炎症を起こしてします。また、かきむしることで二次感染にもつながりますので、清潔にしているのに皮膚をかゆがる様子や赤み、炎症を見つけた場合は早めに獣医師の診察をうけましょう。

シニア期に気を付けたい病気とその兆候

僧帽弁閉鎖不全症

小型犬によく見られる病気で柴犬も年齢を重ねるにつれてなりやすくなります。僧帽弁の変形により、心臓内で血液が一部逆流する病気で、進行していくと呼吸困難や不整脈が出てくるようになります。愛犬がシニア期にさしかかった時は、定期的な健康診断をしっかり行うようにしましょう。発症の際は、心内雑音が聴かれるので、獣医師に診断をしてもらうことができます。その上で、進行を遅らせる為の毎日の薬の服用が必要になります。

塩分を控えた食事や運動制限も必要になってきます。今迄よりも疲れやすい、すぐに呼吸が荒くなってしまう、咳が出るなど様々な症状が出てきます。老犬だからで済ませるのではなく、愛犬の心臓の負担を考えて早めに検査してもらうとよいでしょう。また、外飼いをしている場合は、気温差が心臓の負担にもなりますので、年齢と共に室内飼いにしていくことも検討するとよいでしょう。

結膜炎

柴犬は年齢と共に目の病気にもなりやすくなります。目の中に傷がつきやすかったり、汚れが入りやすくなってしまいます。目に毛やほこりなどの異物が入っている時は片目だでけも炎症が起きますが、細菌感染やなんらかの病気が原因になっている場合は両目に炎症が出てくることがあります。まぶたの裏を覆っている結膜が炎症を起こして結膜炎になり、場合によっては角膜炎などになることもあります。

高齢になると、視力低下が進んでくることも多いものですが、白内障や緑内障を起こしている場合もあります。結膜炎や角膜炎は、目を痛がったりかゆがったりの症状があらわれます。原因によって異なりますが、目薬などの治療が必要になりますので、早めに原因を見つけることが必要になります。白内障や緑内障は、加齢とともに症状が進行していきます。早期発見によって、進行を遅らせることも可能ですので、早めに診察を受けるようにしましょう。

健康に過ごすためのボディチェック

体全体のチェック

柴犬の体全体をまずは触ってあげる習慣をもちましょう。ボディチェックは、コミュニケーションの一環としてもとても大切です。まずは、背中や胸など、愛犬が気持ちよいところを触ってあげながら、たくさん褒めていきましょう。

柴犬は換毛期の抜け毛の量は驚くほどです。日ごろから体を触ること、ブラッシングをすることに慣らしておきましょう。外に出かける機会も多い柴犬は、汚れやほこり、花粉、種など様々な物がふわふわの毛に付着します。被毛のチェック、皮膚のチェックもしてあげましょう。

梅雨の時期は、そのままにしておくと、衛生的にもよくありません。定期的に体を拭いたり、シャンプーするようにしましょう。足先は嫌がる部分でもありますが、散歩後などに足の裏のパッドが傷ついていないか、何か異物が刺さっていないかなどチェックすることも大切です。また、爪が伸びていないかもしっかりチェックしてあげましょう。

お尻付近やしっぽの周辺も触られることを嫌がる部分ではありますが、優しく声をかけてあげながら見るようにしましょう。胃腸が弱いことも多い柴犬ですのでお尻周辺が汚れていないか、下痢の跡や肛門周辺の炎症はないかなどチェックしてあげましょう。

顔周りのチェック

元気な場合は顔もとてもイキイキとしています。目の輝きを見てあげましょう。目の炎症が起きている、いつもよりまぶしそうにしている、痛がっているなどの様子があれば、早めに獣医師に診てもらいましょう。なんらかの病気が原因で涙が豊富になると、涙やけにもなりやすいので、涙が出ている場合は丁寧にふき取ってあげましょう。

柴犬の耳は立ち耳ですが汚れが比較的たまりやすいものです。においがする、耳周辺が汚れている、耳垢が出てくるといった場合は、外耳炎や耳ダニの感染などを起こしている場合があります。また丁寧に耳掃除をしようとしたあまり、耳を傷つけてしまっていることもあります。においや耳の炎症、赤みが気になる場合は早めに獣医師に診てもらいましょう。耳の炎症は、アレルギーによって引き起こされていることもありますので、注意してみるようにしましょう。

口のチェックも大切です。犬は歯周病になりやすく、特に高齢犬は注意が必要になります。毎日の歯磨きが効果的ですが、難しい場合は、指先に布を巻いてふき取るようにマッサージしてあげるだけでも効果があります。愛犬が口を触ることに対して嫌がったり、恐怖を感じているようであれば、少しずつ慣らしてあげるようにしましょう。

健康な犬であれば、鼻は適度に湿っています。乾いてしまっている、鼻水が出てしまっている場合は体調不良になっている場合があります。早めに獣医師に相談するようにしましょう。

ayuka



ペットシッター

子どもの頃から動物が好きで、ペットのことを学べる専門学校へ進学。卒業後、会社員を経て、ペットシッターとして独立。愛玩動物飼養管理士、愛玩動物救命士の資格を取得し、日々たくさんのわんちゃんやネコちゃんのお世話に奮闘中。自宅では、トイプードルと猫1匹とのんびりとした時間を過ごす。

ブログ

関連記事

【ペットシッターが解説】ブルドッグとの暮らしで注意すること

ブルドッグの性格と性質 性格 ブルドッグが好きという方はあの特徴的な顔が好きという方も多いのではないでしょうか。どこか怖そうな顔の印象をもつ方もいるかもしれませんが、ブルドッグは……

犬の問題行動予防

【ペットシッターが解説】ウエストハイランドホワイトテリアとの暮らしで注意すること

ウエストハイランドホワイトテリアの性格と性質 性格 ウエスティと呼ばれ、スコットランド発祥のテリアとして、人気のウエストハイランドホワイトテリアは、活発さと甘えん坊な二面性を持った犬……

犬のトリミング

【画像解説あり】飼い主さん必見! 獣医師が教える、犬の上手な歯磨きのやり方

犬の健康のために、歯磨きをした方がいいと聞いて実践してみるも、嫌がられてなかなかうまくいかずにあきらめることが数回続きました。 獣医師で動物病院Rire(リール。東京都渋谷区)の橋本理……

犬の歯の磨き方

【ペットシッターが解説】ミニチュアピンシャーとの暮らしで注意すること

ミニチュアピンシャーの性格と性質 性格 ドイツで番犬の歴史を持っていたミニチュアピンシャーは、他人への警戒心は強いのですが、家族に対する忠誠心を持っています。その為、初めての人や会う……

犬の歯のチェック

【獣医師が解説】犬や猫の口腔内の衛生管理について

犬や猫の「口の中」に注目されるようになったのは比較的最近のこと。犬や猫の寿命が伸びて、歯周病が増え、それが元になる病気が増えたり、臭いが気になったりするようになってきたため来院されることが多……

犬の歯のチェック