2016年7月7日更新

【獣医師監修】猫の被毛がべとべとする時に考えられる病気【被毛の症状】

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猫の被毛がべとべとしている場合、被毛自体に問題があるのではなく、何らかの皮膚病が原因となっている可能性があります。皮膚病が原因だと、被毛のべたつきとともに、皮膚の赤みやフケ、かゆみ、においなどの症状が見られます。

どのような皮膚病が被毛をべとべとさせるのか、また、皮膚病を誘発する原因も合わせて取り上げます。

 

猫の被毛がべとべとするのはなぜ?

猫の被毛がべとべとする原因は、皮膚に異常が起き、皮脂が過剰に分泌されたり、その皮脂をエサに真菌(カビ)の一種が大量に増殖したりしているためです。皮膚のべたつきが被毛に移り、触るとべとべとした感触になります。

皮膚に異常が起きる原因は?

被毛をべたつかせる皮膚の異常の原因は、皮膚のターンオーバーの異常、アレルギー、真菌、代謝性疾患などが考えられます。一つの皮膚病を発症することで皮膚が持つバリア機能が損なわれ、他の皮膚の異常を引き起こすこともあります。早く手を打たないと症状がどんどん広がったり、悪化したりします。

 

猫の被毛がべとべとする時に考えられる病気

脂漏症

猫の脂漏症は、皮膚のターンオーバーが速くなることで起こる皮膚病です。皮脂が増えるとともに、表皮の一番外側にあたる角質層が通常より早くはがれ落ち、フケが異常に多くなります。

皮膚やフケの状態から、油性と乾性に大別できます。油性はフケが脂っぽく、皮膚や被毛もべとべとするようになります。被毛には皮膚からの分泌物がこびりついて、毛が固まったりもつれたりします。また、悪臭がすることもあります。

さらに、脂漏症によって皮脂が増えると、皮脂をエサにするマラセチアという常在菌が爆発的に増殖して、皮膚炎を起こしやすくなります。マラセチアによる皮膚炎も被毛をべとべとさせる原因の1つです。

マラセチア性皮膚炎

猫のマラセチア性皮膚炎とは、マラセチアという真菌の一種によって引き起こされる皮膚病です。マラセチアは猫の耳や皮膚に常在しており、免疫力が低下する病気や、脂漏症、代謝性疾患などを患っている時に問題を起こすことがあります。

例えば、猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)や猫白血病ウイルス感染症といった免疫力の低下する病気を発症したり、アトピー性皮膚炎など他の皮膚病を発症していたりする場合、皮膚のバリア機能が弱ってマラセチアが急激に増殖します。また、脂漏症ではマラセチアのエサとなる皮脂分が増えるため、その分増殖しやすくなります。

マラセチア性皮膚炎になると、強いかゆみを伴う皮膚炎が起き、皮膚や被毛がべとべとします。患部は赤みを帯び、フケも出て、甘酸っぱい独特のにおいがするようになります。症状は、目や口の周り、耳などの顔面、胸やおなか、わきの下、鼠径部、肛門周りなどに出やすい傾向にあります。

アトピー性皮膚炎

猫のアトピー性皮膚炎は、ダニ、真菌、花粉、タバコなどのアレルゲンへの接触が原因で起こるアレルギー性の皮膚病です。皮膚のバリア機能が低下しているため、常在菌であるマラセチアの感染を受けやすくなります。マラセチアが皮膚で増殖すると、皮膚や被毛がべとべとするようになります。

症状は、目の周り、首の裏、耳、わきの下、鼠径部などによく出ます。

尾腺炎(スタッドテイル)

猫の尾腺炎(スタッドテイル)は、しっぽの付け根にあり、皮脂を分泌する尾腺が炎症を起こす病気です。皮脂が過剰に分泌されるため、皮膚や被毛がべとべとしたり、炎症や脱毛が見られたりします。患部からは悪臭がし、尾腺の分泌物がこびりついて被毛が変色することもあります。

尾腺炎を発症する原因はまだ分かっていませんが、去勢手術を受けていないオス猫での発症がよく見られます。

甲状腺機能低下症

猫の甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気です。甲状腺は気管の左右に1つずつあり、甲状腺ホルモンという体の新陳代謝に関わるホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、猫は元気をなくし、運動もしたがらなくなります。さらに太りやすくなるのもこの病気の特徴の1つです。

また、甲状腺機能低下症を発症すると、脂漏症や、脂漏症からマラセチア性皮膚炎になることもあり、皮膚や被毛がべとべとするようになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?猫の被毛がべとべとしている時は、皮膚病や、皮膚病を引き起こしている別の病気が潜んでいる可能性が高いといえます。原因となる病気は自然治癒が難しく、放置し、時間が経てば経つほど悪化するものがほとんどです。特にマラセチアによる皮膚炎はかゆみが強いので、猫にとって大きなストレスになります。

猫の被毛がべとべとしていることに気づいたら、なるべく早く動物病院を受診されることをおすすめします。

 
 

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