2016年12月2日更新

【獣医師監修】【目の症状】猫の目が充血している時に考えられる病気

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猫の目が赤く充血していてびっくりしたことはありませんか?目はデリケートな器官なので、ゴミやほこりが入っただけでもすぐに充血してしまいます。しかし、時に命に関わる病気のサインとして充血が起きることがあるため、注意が必要です。

では、猫の目は一体どのような原因で充血してしまうのでしょうか。ここでは猫の目が充血している時に考えられる病気について取り上げます。

 

目の充血とは?どこが赤くなっているの?

猫の目の充血は主に結膜で起こります。結膜とは、猫の目のまぶたの裏と白目を覆っている透明な膜で、細い血管が無数に走っています。何らかの原因によって結膜に流れる血液の量が増え、血管が太くなると、目が血走った充血の状態になります。

猫の目が充血する原因

目はゴミやほこり、砂といった異物が入ったり、表面が乾いたりすることでも傷つき、充血が起きることがあります。猫同士のケンカによって目をケガすることも充血の原因の1つです。また、感染症やアレルギーの影響による充血もよく見られます。

 

猫の目が充血している時に考えられる病気

結膜炎

猫の結膜炎は、結膜が炎症を起こす病気です。目の充血や目やにの他、かゆみや痛みがあるため、猫は目を気にするしぐさをします。

猫が結膜炎を発症する原因は以下の通りです。

  • ゴミ、ほこり、砂といった異物
  • 外傷
  • ウイルスや細菌への感染
  • 花粉などに対するアレルギー
  • 目の乾燥

結膜炎は猫によく見られる目の病気で、様々な原因で起こります。ゴミなどの異物が目に入ったり、他の猫とのケンカなどで目を引っかかれたりしても起こりますし、かゆみや痛みのために目を気にしてこするうちに、結膜に傷がつき、炎症を起こすこともあります。また、目の表面が乾くと非常に傷つきやすい状態になり、結膜炎になりやすくなります。

その他、いわゆる猫風邪の原因となる猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルスや、細菌のクラミジアに感染することでも結膜炎の症状が出ます。

ブドウ膜炎

ブドウ膜とは、目の虹彩、毛様体、脈絡膜の総称です。このいずれかの部位に炎症が起こった状態をブドウ膜炎といいます。発症した箇所が虹彩や毛様体の場合は「前部ブドウ膜炎」、脈絡膜の場合は「後部ブドウ膜炎」といいます。

前部ブドウ膜炎を発症すると、目の充血、痛くて目をしょぼつかせる、目が濁ったように見えるなどの症状が現れます。猫がブドウ膜炎を発症する原因は、外傷や他の目の病気、感染症、アレルギーなど多岐に渡ります。

緑内障

猫の緑内障は、眼球内を循環している眼房水をうまく排出できなくなって眼圧が高くなる病気です。通常、眼房水は角膜と虹彩の間にある隅角という部位から鼻の方に排出されます。しかし、何らかの原因で隅角が詰まると、眼房水は逃げ場を失って眼球内にたまり、眼圧が異常に上がってしまします。進行すると次第に目の後方が圧迫され、視神経を障害することもあります。

緑内障になると、目の充血、光をまぶしがる、痛くて目をしょぼつかせる、涙を流す、黒目が白っぽく見えるなどの症状が現れます。発症する原因は、猫の場合、ブドウ膜炎などの他の目の病気が引き金となることが多い傾向にあります。

ドライアイ

目の表面は乾燥に弱く、常に涙で保護されています。ドライアイは、涙の量が減ったり、蒸発しやすくなったりした状態を指します。乾燥によって目の表面が傷つきやすくなり、角膜炎や結膜炎を発症して、目の充血や目やに、目をしょぼつかせるといった症状が出ます。

ドライアイが起こる原因は、免疫介在性疾患、代謝性疾患、第三眼瞼(瞬膜)の裏にある第三眼瞼腺の外科的な切除、マイボーム腺の異常など様々です。第三眼瞼腺とマイボーム腺はともに涙を作る器官のため、ここに障害が生じると、涙が減ったり、蒸発しやすくなったりします。

眼瞼内反症

猫の眼瞼内反症は、まぶたが内側に入り込む病気です。まぶたの周りに生えている被毛も目の中に入り込むため、結膜や角膜がチクチクと刺激され続けて炎症を起こすことがあります。すると、目の充血、痛くて目をしょぼつかせる、涙が多くなる、目を気にするしぐさをするといった症状が見られるようになります。

眼瞼内反症は他の目の病気や遺伝が原因で起こる可能性があります。

眼瞼外反症

猫の眼瞼外反症は、まぶたが外側にめくれた状態になる病気です。まぶたの裏側(結膜)が露出し続けることで結膜炎になりやすいうえに、目の表面が乾燥することから角膜炎やドライアイも発症しやすくなります。目の充血、目やに、かゆみや痛みのために目を気にするしぐさをするといった症状が現れます。

眼瞼外反症の原因は、遺伝や、目の周りに負った外傷による皮膚のひきつれ、顔面神経の麻痺などが考えられます。その他、老化によって起こることもあります。

猫伝染性腹膜炎

猫の猫伝染性腹膜炎は、猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)に感染することで起こる病気です。発症すると命に関わります。

元気や食欲が低下し、発熱、嘔吐、腹水や胸水がたまる、麻痺や痙攣といった神経症状、黄疸などの症状が見られます。また、猫伝染性腹膜炎になるとブドウ膜炎を発症することがあり、目の充血や、目が濁ったように見えるといった症状が出ます。

猫伝染性腹膜炎ウイルスは、致死性の低い猫腸コロナウイルスというウイルスが猫の体内で突然変異して生まれます。変異するきっかけには、免疫力の低下やストレスが関与していると考えられています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?一口に目の充血といっても、目にゴミが入って起きる結膜炎から、致死性の高い猫伝染性腹膜炎によるブドウ膜炎まで、原因となっている病気は複数考えられます。特に猫伝染性腹膜炎は発症すると猫の命に関わる病気です。猫の目に充血が見られたら、重大な病気のサインかもしれませんので、念のため動物病院に行かれることをおすすめします。

 
 

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