2016年7月7日更新

【獣医師監修】犬の腕神経叢裂離〜原因・症状と対策

犬の腕神経叢裂離(わんしんけいそうれつり)は腕神経という頸椎のあたりから前肢に向かって伸びる神経に起きる異常です。腕神経叢裂離を発症していると感覚の麻痺によって足が不自然に折れ曲がった状態になる、ナックリングと呼ばれる症状が見られることがあり、深刻な症状を引き起こす可能性もあると考えられています。そのようなときには脚を切断しなければならないこともあるようなので、腕神経叢裂離を発症していると思われるときには早めに獣医さんの診察を受けさせてあげてください。本記事では犬の腕神経叢裂離の原因や症状、対策についてご紹介します。

犬の腕神経叢裂離の原因

犬の腕神経叢裂離の主な原因は外傷だと言われています。特に前足や首に過度な圧力がかかることによって発症することが多いようなので、飼い犬がそのような状況に陥ってしまわないように注意してあげてください。犬が外傷を負う可能性が高いケースは以下の通りです。

  • 交通事故
  • 高所からの落下
  • 激しい転倒

以上のような状況で腕神経叢に強い圧力が加わり、神経が切れてしまうと腕神経叢裂離を発症してしまう可能性が著しく高まるようです。犬の生活環境の中から犬が外傷を負ってしまうリスクを取り除いてあげてください。

犬の腕神経叢裂離の症状

犬の腕神経叢裂離の症状は腕神経叢裂離を引き起こしている箇所によって異なるようです。頭側が腕神経叢裂離を引き起こしているときには肩や肘の関節、肩甲骨、前腕の痛覚麻痺や横隔膜膜の麻痺などが症状として表れます。一方で尾側が腕神経叢裂離を引き起こしているときには前肢のナックリング(脚が折れ曲がる)や痛覚麻痺などが症状として表れます。それらの共通点は前肢に異常が出るという点なので、飼い犬の前足に異常が出ていると思われるサインを察知したときには腕神経叢裂離を疑ってください。

犬の腕神経叢裂離の対策

犬の腕神経叢裂離の主な対策は飼い犬が外傷を負うような強い衝撃を受けないように気を付けてあげることです。特に高所から落ちることは前足に過度な圧力がかかってしまうだけではなく、飼い主さんが見ていない隙に外傷を負ってしまう可能性が高くなります。犬の生活環境を見直し、怪我をしてしまわないように配慮してあげてください。交通事故については散歩中に気を付けていれば防げると思われます。ただ転倒については犬が興奮した状態になっているときに不慮の事故として起こってしまう可能性が考えられるので、飼い犬が興奮しやすい性格をしている場合は早めにしつけをしてあげてください。

犬の腕神経叢裂離の治療

犬の腕神経叢裂離は損傷を負っている神経の状態がさほど深刻な状態でない場合は安静にしていれば数か月で回復できる可能性があると言われています。ただ犬の腕神経叢の損傷が深刻で、安静にしているだけでは回復を見込めない場合は前肢を切断しなければならない可能性があります。前肢を失うということは犬の生活に支障が出ることを意味しているので、なるべく避けたいと思われます。そうなってしまわないように、飼い犬の身体を労ってあげてください。

まとめ

犬の腕神経叢裂離の原因や症状、対策についてご紹介しました。犬の腕神経叢裂離は損傷を受けている神経が少なければ軽度な症状で済むことを期待できるようですが、神経のほとんどを損傷し、頭側と尾側の神経の双方に損傷を負ってしまうと前肢を切断しなければならなくなる可能性があります。そうなってしまわないためには飼い犬が外傷を負ってしまわないように配慮してあげることが重要です。リスクを軽く考えてしまうのではなく、飼い犬が外傷を負ってしまう可能性を環境の中から取り除いてあげてください。そうしてあげることが飼い犬の健康を守ることになるはずです。

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