2016年7月7日更新

【獣医師監修】犬についたダニが原因? 犬のダニ麻痺症〜原因・症状と対策

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犬のダニ麻痺症はその名の通りダニが原因となって発症する犬の筋肉の麻痺です。ただ日本国内に生息しているダニによってダニ麻痺症を発症する可能性は高くなく、主に海外に生息しているダニが原因で発症すると考えられています。とはいえ何らかの原因によって愛犬がダニ麻痺症を発症する可能性がないわけではありません。ダニ麻痺症を引き起こす根本的な原因はダニが吸血する際に注入される神経毒です。本記事では犬のダニ麻痺症の原因や症状、対策についてご紹介します。

 

犬のダニ麻痺症の原因

犬のダニ麻痺症を引き起こす主なダニの種類は以下の通りです。

  • 湾岸ダニ(主な生息地:メキシコ湾の沿岸地域など)
  • オーストラリア麻痺ダニ(主な生息地:オーストラリア)
  • 森林ダニ(主な生息地:アメリカの東部)
  • ロッキー山脈森林ダニ(主な生息地:カナダ)
  • ローンスターダニ(主な生息地:大西洋沿岸など)

以上のようなダニは吸血する際に神経毒を注入します。それはアセチルコリンという筋肉と神経のつなぎ目で分泌される物質に影響すると考えられており、これにより様々な症状を引き起こすと言われています。ダニの中には非常に強い毒性のある神経毒を持っているダニがいます。場合によっては深刻な症状を引き起こすことがあるようなので、飼い犬の健康のために注意してあげてください。

犬のダニ麻痺症の症状

犬のダニ麻痺症の主な症状は以下の通りです。

  • 歩様の乱れ
  • 歩行のふらつき
  • 顔の筋肉が弛緩する
  • 後肢に力が入らない
  • 嚥下困難(飲み込めない)
  • 発声障害
  • 瞳孔散大
  • 呼吸筋麻痺

犬のダニ麻痺症は以上のような症状が起こると言われています。飼い犬からそれらのような症状が出ているときにはダニ麻痺症の可能性を考えるようにしてください。たとえば一度も飼い犬を日本から出したことがないからダニ麻痺症は考えにくいと思ってしまうと発見が遅れてしまう恐れがあります。早めに獣医さんの診察を受けさせてあげてください。

 

犬のダニ麻痺症の対策

犬のダニ麻痺症の原因となる強い神経毒をもったダニは海外の一部の沿岸地域や森林などに生息している可能性が高いと考えられます。そのような場所に飼い犬を連れて行くという場合には身体を無防備に露出した状態にしてしまわないように配慮してあげてください。犬のダニ麻痺症はダニが吸血を始めてから一週間程度で発症すると考えられています。心当たりの有無にかかわらず早めに治療を受けさせてあげましょう。

犬のダニ麻痺症の治療

犬のダニ麻痺症の主な治療法は殺虫効果のある薬剤でダニを殺すかピンセットなどでダニを除去する形で行われることが多いようです。ただ症状が深刻で早急な対処が求められるときにはダニの神経毒に対する抗血清を投与する可能性があります。またダニ麻痺症の症状を緩和するための対症療法を施すこともあります。

まとめ

犬のダニ麻痺症の原因や症状、対策についてご紹介しました。犬が日本で暮らしている場合はダニ麻痺症を発症するリスクは高くないと考えられます。とはいえ気候の変化やその他の要因によって神経毒をもったダニが飼い犬に付着してしまう可能性がないとは言い切れません。日頃から犬の健康状態に気を配り、注意深く観察することを習慣化してください。また神経系の病気は症状が似ていることが多く、中には深刻化してしまう可能性の高い病気もあります。そのような病気は放っておいてしまうと取り返しのつかない事態に陥ってしまうことも考えられます。飼い犬の健康を守るためにしっかりと対処してあげましょう。

 
 

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