2016年5月16日更新

【獣医師が解説!】肥満や痩せ過ぎの指標BMIって犬猫にもある?

健康維持を考える上で、肥満や痩せ過ぎを予防することはとても大切です。肥満や痩せ過ぎの程度を知るために人では『BMI』という指標が使われていることは知っている人も多いのではないでしょうか。

それでは、犬や猫にもBMIはあるのでしょうか?また、飼い主が自宅で簡単に肥満かどうか判断する方法はあるでしょうか?今回のテーマは、犬猫の肥満の評価についてです。

人も犬も猫も!体重だけでは肥満の判断はできません

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体重を左右するのは脂肪の量だけではありません。骨格や筋肉の量などによって、同じ体重であっても肥満と判断される場合と、そうでない場合があります。これは、人間も、犬も、猫も同じです。身長によって適正な体重が異なるのと同じように、犬や猫も体重を測っただけで肥満かどうかの判断はできないのです。

人で肥満の判断基準として使われている指標『BMI』とは?

肥満とは体脂肪の量が過剰な状態を指しますが、体脂肪の量を測ることは簡単ではありません。そのため、比較的簡単に測定できる「身長」や「体重」を用いて算出された数値を指標として肥満度を判定する方法が提唱されているのです。これが「BMI」で、Body Mass Indexの頭文字をとった言葉です。身長と体重の値から計算して得られた数値を基準に当てはめることで肥満の程度を判定します。

犬にBMI はあるの?


犬には、とても華奢な骨格の犬種もあれば、骨太な骨格に筋肉質な体を持つ犬種もあります。同じような体高のトイプードルパグで比べたとしても、骨格や筋肉量には大きな違いがあります。そのため、適正とされる体重もそれぞれ異なるのです。

人間と比べて犬種による体格のばらつきがとても大きい犬では、BMIのような指標では肥満かどうかを評価することはできません。 つまり、犬で利用できるBMIのような指標はないのが現状です。

猫にBMIはあるの?

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犬と比べると、猫種による骨格や筋肉量のばらつきが小さな猫では、fBMI(feline Body Mass Index)という指標が提唱されています。これは、猫の胸囲(第8、9肋骨間の胸郭外周)と後肢の膝からかかとまでの長さを測定し、計算式に当てはめることで算出されます。

fBMIを算出するための測定に技術が必要であるという問題はあるものの、客観的な数値として肥満かどうかの評価が可能です。愛猫のfBMIについて気になる場合は動物病院で相談してみてください

犬や猫の肥満の程度を簡単に知る方法は?


BMIのように客観的な数値で肥満の程度を判定できない犬、fBMIという指標はあるものの測定に技術の必要な猫ですが、実は、比較的簡単に愛犬や愛猫が肥満かどうかを判定できる方法があります。それは、BCS(Body condition score)と呼ばれるものです。

BCSは犬や猫の体を見たり触ったりして肥満の程度を判定する方法です。主観的な評価方法ではありますが、特別な測定技術などを必要とせず、慣れれば飼い主さんが自宅で判定することも可能です。そのため、犬や猫の肥満の程度の判定には、このBCSが広く取り入れられています。

犬や猫のBCSを用いた肥満の評価方法は?

観察のメインは、肋骨や骨格、皮下脂肪と腰のくびれ

BCSは、犬や猫の体を観察し、BCS1(削痩)〜BCS5(肥満)の5段階で評価する方法です。BCSを判定する時には、肋骨や骨格、皮下脂肪を触り、腹部を横から、背部を上から観察します。

BCS3は適正、BCS4〜5は肥満

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適正な体格とされるBCS3の犬や猫では、わずかに脂肪に覆われている肋骨が触知できる状態です。また、輪郭はなだらかでやや厚みのあり、薄い皮下脂肪の下に骨格が触知できる、さらに腹部に適度なくびれがある、といった状態です。

一方、体重過多と評価されるBCS4では、 皮下脂肪に覆われていて肋骨はやや触知困難となり、骨格もかろうじて触知できる状態です。さらに、腹部のひだやくびれは、ほとんどあるいは全くありません

さらに、肥満とされるBCS5では、 厚い脂肪に覆われていて、肋骨をはじめとした骨格に触れることができない状態です。腹部は垂れさがり、腰のくびれもなく、背面は広がった状態となるほか、脊柱の周囲がもりあがり、溝のように見えることもあります。

自宅でBCSのチェックを習慣に


BCSの評価に慣れるまでは、動物病院で教えてもらいながら実践してもよいでしょう。慣れてくれば、日々のスキンシップの中で愛犬や愛猫の肥満の程度をチェックすることも十分可能です。是非、肥満度チェックを習慣にしてみてください。

肥満を予防し、健やかな毎日を送りましょう


肥満の予防は、愛犬や愛猫の健康維持のためにとても大切です。もちろん、痩せ過ぎも好ましいことではありません。適正で健康的な体型を維持しましょう。定期的な肥満チェックをして、愛犬や愛猫の健康管理に役立ててください。

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