2016年5月20日更新

【獣医師が解説】犬や猫も日焼けをするの?対策は?

最近はずいぶん日差しが強くなってきましたね。日差しが強くなってくると気になることのひとつといえば、『日焼け』だと思います。人と同じように、犬や猫も日焼けをするのか、気になったことはありませんか?今回のテーマは、犬や猫の日焼けとその対策です。

犬や猫も日焼けをするの?


日光を浴びた後で、皮膚が赤くなってヒリヒリする『日焼け』。これは犬や猫でも起こります。そもそも、日焼けとは、太陽光に含まれる紫外線によって、皮膚が炎症を起こす現象です。

日焼けが問題になりやすいのは、主に色素の薄い、つまりメラニン色素の少ない犬や猫です。一方で、色素が多く、被毛が密な犬や猫では、直射日光が皮膚まで到達しにくかったり、メラニン色素が皮膚を紫外線によるダメージから保護したりするため、日焼けが問題となることはあまりありません。

日焼けによる炎症が収まったあとには、皮膚を守る為にメラニン色素が産生されます。これによって、皮膚に色素沈着を起こすことがあります。日光を浴びて炎症を起こすことを繰り返しているうちに、鼻先の皮膚が茶色っぽく色素沈着を起こし、年々これが濃くなっていく犬もいます。また、背中に「シミ」ができている高齢犬もいます。

こういった犬や猫の日焼けは、ほとんどの場合、もともとメラニン色素が少ない動物で問題になるか、被毛の薄い部分に限局して起こります。犬や猫では、人のように全身が日焼けで小麦色になる、ということはまずないようです。

また、日焼けをしても一時的に軽度の炎症を起こすだけですぐに収まればよいのですが、特に日光に敏感な犬や猫の場合、非常に重度の皮膚炎を起こすことがあります。これは、「光線過敏症」や「日光性皮膚炎」と呼ばれ、適切な治療が必要となるので、注意が必要です。

単なる日焼けでは済まされない、「日光性皮膚炎」


日光性皮膚炎とは、日光を過剰に浴びることで起こる皮膚炎で、時に非常に重度の皮膚炎となります。日光に対して特に過敏になる体質には、遺伝的な素因もあると考えられています。

起こりやすい犬種と猫種

犬では、コリー、シェットランドシープドッグが有名です。一方で、猫では、特に毛の白い猫に発生しやすい事が知られています。

症状


顔や腹部の毛の薄い部分に起こりやすく、特にコリーやシェットランドシープドッグの鼻の上でよく見られます。また、猫で症状が出やすい場所は耳の皮膚です。

最初は皮膚が赤くなる程度ですが、やがて脱毛、フケ、かゆみが起こります。さらに症状が進むと、色素沈着や潰瘍を起こすこともあります。また、犬も猫も重度になると、癌を発症する可能性があります。

治療

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炎症が重度の場合には、薬剤を使用して炎症を抑えます。強い不快感があるため、犬や猫が自分で搔き壊してしまったり、舐め壊してしまったりしないようにすることも必要です。

同時に、できる限り直射日光を避けなくてはなりません。猫はそもそも完全室内飼育が勧められていますが、犬も日光性皮膚炎を起こしている場合は、できる限り室内で飼育し、それが難しい場合も必ず日陰で飼育してください。その他、日焼け止めクリームをはじめとした日焼け対策も必要です。

日光性皮膚炎は再発しやすく、完治は困難です。発症した場合には、長く病気と付き合っていかなくてはなりません。

犬や猫の日焼け対策


日光性皮膚炎のような重度の皮膚炎を起こしていない場合であっても、直射日光は犬や猫の皮膚に負担をかけます。皮膚炎を予防するためにも、日差しの強い時期には日焼け対策をしておきましょう。

犬や猫の日焼け対策としては、散歩などで外出する時に薄手のシャツを着用させたり、被毛の薄い部分に日焼け止めクリームを塗ったりといった方法があります。日焼け止めクリームは必ず犬、もしくは猫用のものを使いましょう。また、犬の散歩をする時は、日差しの強い時間帯は避けてください。室内飼育の犬や猫のために、窓ガラスにUVカットフィルムを貼るといった対策もよいでしょう。

サマーカットには注意が必要

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実は、ポメラアニンのような被毛の密な犬種であっても、日焼けに注意しなくてはいけない場合があります。それは、『サマーカット』です。

涼しそうだから、と丸刈りのようなサマーカットをしてしまうと、それまで被毛で守られていた皮膚に直射日光が当たるようになります。すると、皮膚へのダメージはとても大きく、日焼けを起こしてしまうことがあります。

また、被毛には皮膚や身体を紫外線から守る役割のほか、日光による熱が体に直接伝わることを抑える役割もあります。涼しくするために行なったサマーカットによって、逆に愛犬が暑い思いをしてしまうこともあるのです。

そういった理由もあって、丸刈りや被毛を極端に短くするようなサマーカットは、見た目はすっきりとするかもしれませんが、あまり勧められていません。

日焼け対策をしっかりして、夏を楽しみましょう


必ずしも全ての犬や猫で日焼けが問題になるわけではありませんが、夏の強烈な紫外線は犬や猫の皮膚にとって、大きな負担となります。暑い夏、熱中症に気をつけている人は多いと思いますが、今年は是非、日焼けにも気を使って、夏を楽しく過ごしてくださいね。

ペット生活 獣医師



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