2016年6月10日更新

僕らの居場所は言わにゃいで その2:罪はないので怒らにゃいで

末吉弦太



写真家

カメラマンとして企業のウェブサイト・広告用の写真を撮影する傍ら、各地を転々としつつ外暮しの猫たちを撮り続ける。 主要機材:PENTAX 645Z、Nikon D5、FUJIFILM X100 撮影場所を公にすることのリスクや問題について警鐘を鳴らすハッシュタグ「#僕らの居場所は言わにゃいで」を使って、猫の居場所をシェアするのではなく、静かに見守る気持ちをシェアしませんか?

 

猫写真を撮っていると「これどうやって撮ったの?」と質問を寄せられる事が少なくありません。例えばこんな写真は特に。

僕らの居場所は言わにゃいで

この手の写真をinstagramにアップすると決まって「猫を投げてるんじゃないか?」なんて疑惑をかけられるのですが、とんでもない。そんな事したら動物虐待です。じゃあ猫たちは何がどうなってこんな風に宙に浮いているのか?

お答えしましょう。彼らは猫じゃらしを追ってジャンプしているのです。

自分が愛用しているのはキャッティーマンのじゃれ猫チューチュー。組み立て式の竿と長めのゴム紐は、人に近づくのが苦手な猫にもアプローチできるし、何より頑丈なのですぐ猫たちに壊されることもなく、コストパフォーマンスが高いのが魅力です。

これを使って猫と遊びながら写真を撮るのですが、撮影はこんな感じで行います。

僕らの居場所は言わにゃいで

ここで必須なのは小型三脚(カメラの角度が調整できるもの)と、リモートケーブル。

そして広角のレンズ(エントリークラスの一眼なら付属のズームレンズでもOK)になります。

僕らの居場所は言わにゃいで

小型三脚

僕らの居場所は言わにゃいで

リモートケーブル

カメラを載せた三脚を設置したらまずは構図を決めましょう。

ポイントはレンズをできるだけ空に向けておくこと。構図の中で地面が占める割合は4分の1以下で収まるようにしましょう。猫たちのジャンプはだいたい高さ50cmから1m未満ですが、できるだけ低く位置からレンズを空に向けておくことで見た目以上に高く飛び上がるように見えますよ。

構図を決めたら次はピントの調整ですが、1人で撮る時だと猫たちが飛びそうなところに猫じゃらしを放り投げて合わせます。何人かで撮る時は誰かに飛びそうな位置、高さに顔を持ってきてもらって合わせる方が楽でしょう。

次はカメラの設定ですが、自分はすべてマニュアルで設定しています。

まずはシャッタースピード。大体のケースで僕は1/1000秒から1/2000秒の間で設定します。

1/500秒くらいだと動きの速い猫は被写体ブレになるケースが多く、逆に1/4000秒まで速くしても描写の変化が乏しいので、それならピントが合って見える前後の範囲を広くするためにレンズを絞る事にしています。

そのレンズのF値(絞り)はだいたい7.1から9くらい。これで多少前後に動かれてもピントが合って見えるようになります。

セッティングが終わったら、一度シャッターを切ってみましょう。

どうです?きっと暗く写ってるのではないでしょうか。そこでISO感度を400-1600の間で調整して、丁度いい明るさを探します。

ここの味付けは個人の好みになるので、自分でこれくらいがいいやを見つけたら、いざ撮影。

猫と踊るみたいに猫じゃらしを思う存分振り回して、ジャンプをしそうになったらリモートケーブルを使ってシャッターを切ると、こんな感じになります。

僕らの居場所は言わにゃいで

連写した方が歩留まりが良いのは当たり前なので、いかに高速連写で沢山撮れるカメラの方が好ましいと考えるフシもありますが、タイミングさえしっかり合わせれば1秒間に3枚しか撮れないカメラでも下のような写真が撮れるので皆さんもぜひ挑戦してみてください。

僕らの居場所は言わにゃいで

(ちなみにレンズは55mm)

「でもこれって一眼レフでの話でしょ?私、スマホしか持ってないんですけど」

そんな方にオススメなのが、スマホの動画機能を使った撮影方法です。

最近のスマホにはスローモーション動画を撮影する機能が備わっているので、やはりスマホをミニ三脚に固定して、猫じゃらしを使いながら撮影してみると、意外に面白い動画が撮れたりするものです。

Genta Sueyoshiさん(@gtx_777r)が投稿した動画 – 2015 12月 4 11:15午後 PST

ただ、これらの撮影にはひとつ、注意点があります。

広角レンズだと背景を広く映してしまうので、一目でわかるランドマークや地名・住所の書かれた看板・電柱の類が映り込まないよう気をつけてください。住処を知られて困った事になるのは人も猫も同じです。

#僕らの居場所は言わにゃいで の気持ちで猫撮影を楽しんで貰えると幸いですよ。

ちなみにご自宅の猫ちゃんで挑戦したい方も多いのではないでしょうか?

その時は出来るだけ明るい部屋(窓のある部屋がオススメ)で、ISOを外で撮る時よりも高めにセッティングして撮影してみてください。ストロボはシャッタースピードが遅めに固定されてしまうだけでなく、猫の目に悪影響があるのでオススメいたしません。

僕らの居場所は言わにゃいで

あと、狭いところで撮ろうとすると、ハッスルした猫たちがカメラや棚の上のものを落として壊すかもしれないので、狭いところで踊らせにゃいで。そして仮に何か壊したとしても猫に罪はないので怒らにゃいで。

猫との付き合いには、何事もケラケラ笑って済ませる心の広さが必要です。

でわ、また。

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