2016年6月17日更新

僕らの居場所は言わにゃいで その3:いきなり近付かにゃいで

末吉弦太



写真家

カメラマンとして企業のウェブサイト・広告用の写真を撮影する傍ら、各地を転々としつつ外暮しの猫たちを撮り続ける。 主要機材:PENTAX 645Z、Nikon D5、FUJIFILM X100 撮影場所を公にすることのリスクや問題について警鐘を鳴らすハッシュタグ「#僕らの居場所は言わにゃいで」を使って、猫の居場所をシェアするのではなく、静かに見守る気持ちをシェアしませんか?

 

僕らの居場所は言わにゃいで

よくある質問のひとつに「外で猫たちと出会えません。どうやったら沢山の猫たちと出会えますか?」というものがあります。

これについて説明するのはひどく難しい。猫の居る場所を探し当てる方法はあると言えばあるんですけども、このブログのテーマが「#僕らの居場所は言わにゃいで」であることを考えた時、その質問には答えできないなあ、と。はじめにお話をさせていただきましたが「インターネットを利用するのは猫好き、動物好きだけじゃない」からです。

世の中は猫好きだけとは限らない。

中には猫が沢山いる場所からいっぺんに猫をさらっていく人もいます。

目的についてはよくわかりませんが、10匹以上を一日で連れて行ったケースでは、辛うじて残った子達が怪我をしていたりという状況を見る限り、家に連れて帰って大事にするというより、何やら物騒なことであるように思います。

#僕らの居場所は言わにゃいで

このハッシュタグには、そうした物騒に猫を巻き込ませたくないという想いも込められているのです。そんなワケで無責任なようですが猫の居る場所は自分で探してください。猫が好きなあなたであれば、きっと巡り逢える筈です。たぶん。おそらく。

それで、ようやく外の猫に出会い、いざ写真を撮ろうと思ったらシュシュッと逃げられてしまった・・・そんな経験をお持ちの方も少なからずいるのではないでしょうか?

僕らの居場所は言わにゃいで

「どうやったら外の猫と仲良くなれるのか?」

そんな質問も、普段からよく寄せられます。

猫に逃げられてしまう方を実際に見たり、そうした方の写真に共通して感じるのは「目線がずいぶん高いな」という印象。普通に立った状態で猫に近づこうとするもんだから、そりゃ逃げられます。

想像してみてください。

自分の何倍もある巨人がニコニコしながら近づいてくる様を。まるで某漫画です。怖くないワケがありません。軽いパニックです。あえて巨人に立ち向かって行こうと思うのは、漫画の主人公くらいのものでしょう。

道で猫と出会ったら、まずはしゃがむ。少しでも自分の身体を小さく見せて、威圧感を和らげます。無理に近づこうとしてはいけません。特に車通りのある場所では不意に猫が道路に飛び出して交通事故になることのないようにご注意ください。

いきなり近づかにゃいで。なのです。

僕らの居場所は言わにゃいだ

「いきなり近付かにゃいでー」

しゃがんだら猫から目を逸らしてみましょう。睨み合いの状態から先に目を逸らすことで「私はあなたよりも弱いですよ。あなたに興味がないんですよ。」とアピールをします。そのうちに猫たちは「この大きい動物はどうやら無害っぽいぞ」と判断して毛繕いを始めるに違いない。こうなると仲良くなるまではあともう少し。向こうから近付いてくるのを待ちます。

手の届くか届かないか微妙な範囲まで向こうから距離を縮めてきても、慌てて撫でようとすると、それまで作り上げてきた関係性が壊れてしまいます。

まずはゆっくり人差し指を猫に向けてみる。興味を示し、鼻先で指の臭いをクンクンするようであれば、それは相手が安全かどうかを確かめているサイン。猫によってはパンチを繰り出す事もあるのでご注意ください。

・しゃがんで身体を小さく見せる

・動かずに目をそらす

・指をさしだして匂いを確認してもらう

こうした儀式を行うことで「どうやら、こいつは大丈夫っぽい」と判断した猫たちは身体をすり寄せてきます。首筋から尻尾にかけて優しく撫でても逃げなければ、あなたとその子はもう友達です。

僕らの居場所は言わにゃいで

ただ、それでも、どうしても人間に心を許さない子達もいます。

そんな時は無理に仲良くなろうとせず、静かに見守りましょう。そんな気持ちの余裕が必要ですし、写真を撮る上では適度に距離があると都合が良かったりもします。

しかし、ここまでやっていると良くて10分ちょっと、下手すれば30分近く猫とお近づきになるために費やしてしまうことに。朝の通勤時に猫と出くわしてこれを実践したら遅刻確定ですね。大きな声では言えませんけれども、自分も電車が大幅に遅れてしまった朝は、こんな風に猫を探しては声をかけていたりします。

1時間くらい遅刻したところで、会社は消えて無くなるワケでもなし。「遅刻しても怒らにゃいで」ということです。

いや、怒られますね。

それでわ、また。

★撮影方法や外猫との接し方など写真にまつわるご質問を募集中です!場所の情報以外は何でもざっくばらんにお答えいたしますので、instagram、Facebookまでお寄せください。