2016年6月2日更新

【動物看護士が解説】猫はご飯を丸呑みしていても大丈夫?

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

 

猫のご飯の様子を見ていると、カリカリと音を立てて1粒ずつ食べている猫、流し込むように丸呑みしている猫、いろんな猫がいますよね。心配なのは丸呑みをすること。ドライフードはとても固いし、小さいから喉に詰まる事はなさそうだけど、消化できるか心配・・・。ご飯の丸呑み、猫にとって悪いことではないのでしょうか?

 

実は噛んで無いかも

カリカリ音を立てて上品に食べているように見える猫でも、実は噛んでいないかもしれません。カリカリの音の正体はもちろんドライフードを噛み砕いた時の音もそうですが、ただ単に喉へ運ぶ時に歯に当たっている音なのかもしれません。

どちらが正解なのかは消化する前の胃の中を見てみないとわからないのでなんとも言えませんが、丸呑みしがちなのは、猫が”肉食動物”だからなのです。

野生ではスピードが勝負

ネコ科の野生の動物と言えば、トラやライオンを思い出しますよね。大きさは違えど、身体の構造や本能的な部分は似た者同士です。彼らの食事シーンをじっくりと見たことはあるでしょうか。獲物を捕まえて、肉を引き裂いて、ほとんど丸呑みするのです。

猫も同じで、ほとんど食事を丸呑みして、あとはゆっくりお腹の中で消化していきます。丸呑みしてもきちんと消化できるような強い消化液を持ち合わせているので、身体には何の負担にもならないのです。

その証拠に、猫の歯を見てみてください。我々人間の歯には、物を引きちぎる鋭い歯と、すり潰す平らな歯がありますよね。ところが猫には、引き裂く為の鋭い歯しかありません。元々、肉を咀嚼(噛んだり、すり潰したりすること)して食べるという機能を持ち合わせていないのです。

 

近年では消化機能の弱い猫がいる?

元々の猫の身体の作りはそうであっても、人間に飼われるようになってから次々と品種改良され、野生の時の本能や機能を失いかけている猫も多くいる事も事実です。獲物はすぐに食べないと取られてしまうという危機感なども家の中にはありませんので、ゆっくりドライフードを噛み砕いて食べる猫もいれば、丸呑みしたフードをうまく消化できない猫もいます。

野生時代からこのような猫はいたのかもしれませんが、家で飼われることによって野生時代の必要なくなったものが削ぎ落とされてきていると言っても良いのかもしれません。

丸呑みでも心配しないこと

これまでお話ししてきたように、猫には高い消化能力がありますのでフードを丸呑みしていても心配はいりません。しかし、早く胃の中に掻き込むことによって、吐き戻してしまったり、消化できずに未消化のものが便に混じったり、下痢になってしまったりするようであれば、かかりつけの動物病院へ行って相談してみてください

多くはフードの種類を変えたり、食事スタイルを変えると改善しますが、何らかの病気の可能性もありますので見逃さずに観察してあげてくださいね。