2016年6月8日更新

【動物看護士が解説】治療中に役立つ、猫のエリザベスカラーと術後服とは?

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

 

猫の毛づくろいする姿って癒されますよね。気持ち良さそうに目をつむって、体をきれいにしている姿を見ると、いつまでも眺めていたい気分になります。毛づくろいは猫の本能的な行動ですが、その行動が裏目に出てしまう時があるのです。主にそれは体に傷がある時です。

 

傷を舐め続ける?

猫の毛づくろいには様々な理由がありますが、その中のひとつが、体をきれいにするということ。毛に絡まった異物や、毛玉を舐めて除去します。しかしこれが、時に仇となります。

体に傷が出来、カサブタになり、盛り上がると、毛づくろいをした際にいつもとは違う舌触りになります。そうすると猫は、それを除去するために一生懸命舐め続けます。痛くても、大抵はおかまい無しです。そうしているうちにカサブタが取れて、傷の治りが遅くなります。

これを繰り返すことにより、傷が完治するまでに長い時間を要し、運が悪ければ口腔内の雑菌が原因となり傷が化膿して更に深い傷となることがあります。

そうならないためには?

傷を舐めさせないようにするためには、エリザベスカラー(以下、カラー)と呼ばれるグッズが役に立ちます。カラーは動物病院で購入することができ、中には貸出や、無料でもらうことが出来るところもあります(診察は必須)。

飼い主さん本人がネットなどで購入することも出来ますが、サイズを選ぶのがなかなか難しいため、かかりつけの動物病院で診察を受けた上でカラーを購入することがオススメです。

 

慣れるまで大変…

猫はとても神経質な生き物です。カラーを初めてつける猫は大抵固まって動かなくなってしまいます。その姿が不憫でカラーをはずしたくなってしまうかもしれませんが、そこはぐっと我慢してみて下さい。

そのうち恐る恐る歩き出し、床や物にカラーをぶつけながら付き合い方を学んでいきます。2、3日も経てば、うまく食事をしたり、枕のようにしてみたり、まるで体の一部であるかのように慣れてしまいます。

慣れないうちに可哀想だからといってカラーを外してしまうと、傷を舐める行為を防ぐことができないので、悪化や感染を引き起こしてしまいます。

可哀想でも、2、3日様子を見て、それでも食事も排便もしなくなり、明らかなストレス状態にあるとみられる場合はかかりつけの動物病院に相談し、外すか他の手段を試しましょう。

カラーをしていても、毛づくろいはやめない

カラーを付けていても、毛づくろいをしなくなるわけではありません。毛づくろいをする体制になって、体をなめる仕草をします。カラーをしていると当然体は舐められませんが、その代わりひたすらカラーの内側を舐めるので、カラーは常に清潔を保つようにしてあげてください。食事のあとや、排泄のあと匂いを嗅ごうとしてカラーが汚れることがあります。

また、カラーが慣れてくると、うまくカラーを避けて体を舐める技を覚えることもあるのでよく猫を観察し、傷を舐めているようであればかかりつけの動物病院でサイズの見直しをしてもらってください。

カラーで傷が付くことも

毛づくろいが出来ないストレスで、更に毛づくろいの回数が増えてしまうことがあります。あまりにも頻繁に無理矢理体制をとって舐めようとすると、カラーの端が傷に当たり、カサブタを剥いでしまうことがあります。

口が直接当たらない分感染の可能性は低いですが、カラーが不潔であると感染もあり得ますし、第一カサブタを剥いでしまってはカラーをしている意味がありません。

そんな場合は、術後服と呼ばれる洋服のようなものを着せると、カラーで傷をつけることも、舐めて感染を起こすこともありません。猫は服に慣れていないことがほとんどですので、カラーと同じく、最初は気にして歩かなかったり、食事をとらなくなったりするかもしれません。この場合も様子を見て、いつまでも慣れないようであればかかりつけの動物病院に相談をしましょう。

それぞれに合ったものを

カラーや術後服だけで十分傷を守ることのできるケースもあれば、どちらも使わなければ舐めてしまってどうしようもないケースもあります。

どちらの場合も、一生付けて暮らしていくわけではないので、可哀想に思えても治療中はぐっと我慢して、それぞれに合う方法で傷の完治を最優先に考えましょう。

 
 

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