2016年6月30日更新

【動物看護師が解説】長毛の猫はトリミングが必要?

猫は見ているだけでも癒されますよね。特に長毛の猫は、姿がとっても優雅で素敵です。”見ているだけ”なら良いのですが、飼育するとなると少し手間がかかって苦労されている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

夏が来るたび「あの毛暑そうだな…」と愛猫を眺めていませんか?長毛の猫は定期的なトリミングをした方がよいのでしょうか?

基本的には必要ない

猫にトリミングは、基本的には必要ありません。

夏は確かに、短い毛の猫よりも、長い毛の猫の方が暑く感じているでしょうが、その分毛づくろいをたっぷりして毛を湿らせ、蒸発させると共に体温を下げているので、猫自身はあまり問題はありません。

ただし、トリミングは必要なくても、頻繁なブラッシングは必須になります。猫の舌にはトゲトゲがあり、ブラシのような役割をしていますが、とけているのは毛の表面だけ。分厚く重なった奥の毛は綺麗に出来ていないので、飼い主さんの手を借りて綺麗にするしかありません。

また、ブラッシングで抜け毛を除去することで、毛球症と呼ばれる、胃や腸に毛玉が溜まることを防ぐことができます。長毛の猫は、毛球症になる確率が非常に高く、吐くだけでしょ、と軽く考えていると愛猫を苦しめる結果になります。出来れば毎日、少なくとも3日に1回はブラッシングを丁寧に行うようにしてあげてください

長い毛は毛玉の原因に

愛猫を外に出している場合はとくに、枯れ葉やゴミを毛に絡めて帰ってくるので毛玉が身体のあちこちについていることでしょう。

猫の毛は細くて柔らかいので、すぐに絡んで毛もつれになり、やがて大きな毛玉になります。毛玉は通気を悪くするので皮膚炎を起こす原因にもなりますし、毛玉を取ろうと必死に毛づくろいをすることによって、毛玉まわりの毛がハゲてなくなってしまうこともあります。

脇の下や股(鼠径)の部分は特に歩くときによく擦れるので毛玉が出来やすくなります。その部分に大きな毛玉が出来てしまうと、歩く時に邪魔になって、歩かなくなったり、歩き方が変になったりします。

普段からあまりブラッシングを行っておらず、最近活動量が減った、歩き方が変になったと感じたら、脇や股の部分を触って毛玉の有無を確かめてください。毛玉がない場合はその他の病気の可能性があるので、かかりつけの病院へ行くのがよいでしょう。

短くしても良い

もしブラッシングが煩わしかったり、夏だけでも短くしたいと思うようであれば、トリミングをしても構いません。

しかし、猫のトリミングは非常に難しく、鎮静という軽い麻酔をかけて行うことがほとんどです。どれだけ怒らない猫であっても、動いたりすることによって皮膚を傷付けてしまうことがあるので、どうしてもトリミングをしたいようであれば、かかりつけの動物病院へ行って相談してみてください。

トリミングサロンでは猫のカットはしていないところがほとんどですので、動物病院へ行くことをオススメします。

絶対にやってはいけないこと

自宅で絶対にやめてほしい行為は、

  • 毛玉をハサミで切る
  • 毛玉をブラシで引っ張る
  • 毛をハサミで切る

以上の3つです。

猫の皮膚は組織が密な構造なので、あまり伸縮性がなく、少しでも傷をつけると割れるように大きく皮膚が裂けることがあります。自己判断で猫の毛玉を切ったり、毛を短くするようなことはしないようにしてください。

また、ブラシの場合でも先端に傷つかないようにガードがついているブラシなら大丈夫ですが、金属がそのままになっているようなブラシは皮膚を裂くことがあるので注意しましょう。触るのが怖ければ、かかりつけの動物病院へ行き、処置してもらいましょう。毛玉取りだけでも行ってくれますので、安心して相談に行きましょう。

ブラッシングは優しく

普段のブラッシングも優しく撫でるように行えば、皮膚を傷付ける事はないので、ゆっくり優しく丁寧に行ってあげてください。毎日のスキンシップの1つとしてブラッシングを取り入れるとお互いストレスがなく、続けることが出来ますよ。

また、身体を撫でるときは脇の下やお腹、股の部分をそっと撫でてみて、固い毛玉のようなものがないか定期的に調べてあげましょう。湿気の多い、梅雨や夏は毛玉の通気不足からくる皮膚炎が非常に増えますので注意してくださいね。

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

関連記事

【動物看護士が解説】猫はシャンプーしなくても良い?自宅で出来るケアとは?

猫は綺麗好きで有名で、お風呂に入れなくても体臭がほとんどないのでとても楽ですよね。しかし、あまりにもケアしないままだと乾燥や汚れで皮膚が悪くなってしまうこともあります。水が嫌いな猫をお風呂に……

猫のシャンプー

猫毛がパーツに!?猫毛アクセサリーのワークショップに行ってみた!

以前ペット生活でご紹介させていただいた猫毛フェルターの蔦谷Kさん。猫毛で作る人形はなんとなくイメージが湧きやすいかと思います。しかし!!今回お邪魔したワークショップは『猫毛アクセサリー』!!……

猫のニュース

服部幸先生による「猫が快適に暮らすための環境づくり」。猫壱主催セミナーより

服部幸先生による「猫が快適に暮らすための環境づくり」。猫壱主催セミナーより セミナーの内容 第一部:スコティッシュ・フォールドと暮らした時に気をつける事 講師:矢崎春香 獣医師 ……

猫のニュース

【動物看護師が解説】長毛の猫はトリミングが必要?

猫は見ているだけでも癒されますよね。特に長毛の猫は、姿がとっても優雅で素敵です。”見ているだけ”なら良いのですが、飼育するとなると少し手間がかかって苦労されている飼い主さんも多いのではないで……

猫のブラッシング

猫のブラッシングの仕方を覚えよう【獣医師が解説】

ブラッシングは猫の大切なホームケアの1つですが、重要だと考えている飼い主さんは少ないようです。また、「猫が嫌がるから……」と言ってやりたがらない飼い主さんも多いですね。ただし、ブラッシングを……

猫のブラッシング

【便利!】猫用抜け毛ブラシのおすすめ10選

換毛期の時はもちろん、そうでないときも、猫にブラッシングしてあげることはとても大切です。毛並を整えたり、つやを出したりするだけではなく、体についた汚れやほこりをとって清潔にしてあげるという意……

猫のシャンプー

猫のお手入れって何があるの?知っておきたい猫のお手入れの基本

猫は自分の体を自分で舐めてきれいにすることが出来る動物で、犬に比べてお手入れが簡単で、楽でいいのよ!と言う人も多くいると思いますが、それでも猫もある程度のお手入れは必要です。それではいったい……

猫のトリミング

ソマリのブラッシングを上手に行うコツ

ソマリは長毛種の猫なのでブラッシングを行う重要性が高いです。 ブラッシングを怠ってしまうとソマリの大きな特徴である高貴な外見を損ねてしまうだけではなく、健康面に不安が生じる原因にもなる……

猫のブラッシング

【獣医師監修】どうして猫は毛玉を吐くの?少しでも楽にしてあげるには…

猫が毛玉を吐く、ということはよく知られていますが、なぜ猫は毛玉を吐くのでしょうか? また、吐いたらどうしたらよい?吐かなければ大丈夫?など、ここでは猫の毛玉について探っていこうと思います。……

猫のブラッシング

猫のお手入れ『耳掻き・ブラッシング・シャンプー』

猫のグルーミング、本当に必要? 猫は基本的に自分で毛の手入れをしますが、換毛期の猫や長毛の猫はグルーミングの際に毛球症になりやすく、最悪の場合手術をして取り出す必要性が出てきます。 ……

猫のシャンプー

猫の抜け毛対策☆プチプラなのにごっそり取れる!オススメグッズ3選

NO CAT NO LIFEな生活。猫がいない生活なんて、猫の抜け毛に悩まない生活ですよね。あれ、ちょっと嬉しいかも? 秋冬はどうしてもコートやセーターなど厚地素材が活躍する季節。しか……

猫のブラッシング

猫の気持ちを理解する☆猫が喜ぶ事ベストランキング♪

猫との暮らしで大切な事、それは何よりもまず「猫の特性を理解する」ことではないでしょうか。愛猫の特性を知っているのは、一緒に暮らす飼い主のみ。日頃のコミュニケーションを取る相手でないと、猫の気……

猫の言葉・気持ち

猫の身だしなみ♪猫だって綺麗になりたい!正しい愛猫への美容法

ふ~っと愛猫を膝に乗せて休憩のお茶タイム。愛猫が一番喜ぶ「顎の下」をグリグリと撫でていると、あれ、こんなところに黒いブツブツが…。 思春期をすっかり過ぎた中年の猫でも、しっかりとできて……

猫のニュース

びっくりするほどの抜け毛!?猫のブラッシングの必要性とポイント

猫の為のブラシには様々なものがあります。猫の種類によっても異なりますが、換毛期になると、その抜け毛にびっくりする方も多いことでしょう。 ブラッシングは、猫の健康の為にも、飼い主さんとの……

猫のブラッシング

ペットが喜ぶブラッシングタイムに!!犬や猫のブラッシングにおすすめのブラシはどれ?

[関連記事]【便利!】猫用抜け毛ブラシのおすすめ10選 ペットと気軽にできるコミュニケーションとしてブラッシングをお勧めする事があります。コミュニケーションしながら毛の抜け代わりを手助……

犬のブラッシング