2016年6月28日更新

【ペットシッターが解説】ペキニーズとの暮らしで注意すること

ペキニーズの性格と性質

性格


ペキニーズは、もともと中国の宮廷の中で飼育されてきた犬種です。

その血は、現代でも性格としてしっかりと現れていて、マイペースながらも、プライドがとても高いと言われています。また、用心深く、警戒心も強いので、初めて会う人と打ち解けるまでは、少し時間がかかります

ペキニーズは、猫に近いと言われるほどのマイペースさをもっています。
飼い主さんに甘えたと思ったら、あっという間にひとり遊びを始めてしまうことも少なくありません。誰にでも、甘えるようなタイプでもなく、自尊心も強いので、気まぐれだと思われてしまうことも少なくないのです。また、よく家族のことを見ていますので、リーダーには忠実であっても、子供とは遊ばないこともあります。

ペキニーズは、時に攻撃的になってしまうほどの度胸もあります。大型犬に向かっていくことや、おもちゃを思いっきり噛むこともあります。マイペースさと頑固さを持っていますので、時間はかかりますが、根気よくしつけを行う必要があります。

性質


ペキニーズは、チベットでとても大切にされてきました。

ラマ教で釈迦のシンボルである獅子から、ペキニーズは「獅子犬」と呼ばれていました。宮廷でとても大切にされた犬であるペキニーズ、そのゴージャスな毛並みが優雅さを醸し出しています。

全身の長い毛はよく抜けますので、アレルギー体質の場合は、飼育の際に注意が必要です

ローリングと言われる体を横に揺らす歩行が特徴的ではありますが、体高が低い分、散歩中の熱中症や、散歩後の被毛の手入れも丁寧に行う必要があります。また、特徴的な体形や短吻種ならではの様々な病気になりやすいこともあります。

ペキニーズは、おもちゃをくわえて遊ぶことや、トレーニングに集中といった行動よりは、自分の気持ちのままに甘えてひとり遊びをすることも少なくありません。そういった性格や性質を理解した上で、ペキニーズとの暮らしを楽しめる方が飼い主として向いているでしょう。

ペキニーズの飼育の注意点

室内環境

ペキニーズは、独立心が強いので、落ち着いた環境で過ごすことができるようにしましょう。

室内で静かな場所で過ごすことができるほうが、ストレスも少なくなります。ペキニーズは豊富な被毛で体を覆われており、さらに鼻ぺちゃという特徴的な体を持っています。その為、夏の暑さにはとても弱く、熱中症に注意しなくてはいけません

夏は冷房で室温を25度前後に設定し、人が快適に過ごせる温度と湿度を保つようにしましょう。風通しのよい部屋で窓を開けておいても、風が吹かない場合や、湿度が高い場合は熱中症のリスクが高まります。

エアコンを使うと共に、停電など万が一の為に、冷感マットなどを置いて体を冷やせる場所を作っておくとよいでしょう。

冬は、暖房を使って、人が快適に過ごせる室温を保つようにしましょう。個体差がありますので、寒がる場合は、ベッド周りを中心に、ペット用ホットカーペットやヒーターなどを置き、暖めてあげてもよいでしょう。

ただし、使いすぎたり、体を暖めすぎると、被毛を傷めてしまったり、静電気でからんでしまうこともありますので、使い方や乾燥には十分注意してあげましょう。

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ペキニーズは、お部屋の中でゆっくり過ごすことが多い犬ですが、椎間板ヘルニアや股関節の脱臼など関節に負担をかけることで病気や怪我につながってしまうことがあります。飼い主さん、特にリーダーに対して忠実な面を持っていますので、後を追いかけてお部屋の中を歩くこともあります。静かな犬種であっても、滑りやすい床には注意が必要です。

ペキニーズが過ごす部屋の床にはカーペットやラグマット、滑り止めのペット用マットやコルクマットなどを敷いて負担を減らしてあげましょう。また、階段などの段差はもちろん、ソファからの飛び降りなども負担になりますので、クッションなどを置いて関節への負担を和らげてあげるとよいでしょう。

ペキニーズは、抜け毛もとても多い犬種です。抜け毛が、カーペットにからんでしまったりすることもあるので、掃除しやすい物、衛生的な物をホームセンターなどで選ぶとよいでしょう。

家具の配置

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ペキニーズは、ひとり遊びも好きな穏やかな犬ですが、子犬の頃は、様々な物に興味を示します。また、時に攻撃的な面が出てしまったり、ストレスから思わぬいたずらをしてしまうこともあります。誤飲誤食につながる物や、ガラス製品など割れやすい物には十分気を付けるようにしましょう

ペキニーズのしつけや安心して暮らすという面からも、サークルで過ごす習慣を作ることは効果があります。サークルの中に、ベッドやトイレ、食事場所を作り、ペキニーズのパーソナルスペースを作ると、しつけや留守番、来客時にとても便利です。

犬は、本来、巣穴でゆっくり休んで過ごしていました。もともと静かな場所を好むペキニーズですので、自分自身のスペースがあるということは、ストレス軽減につながります。

ただし、ペキニーズは、家族に対して愛情深い面を持つ犬種でもあります。リビングの隅など、普段から目が届く場所にサークルを用意してあげるとよいでしょう。場合によっては、リビングと寝室、それぞれにサークルを置いてあげてもよいでしょう。

運動

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ペキニーズは、もともと長時間の運動やお散歩の必要はありません。お部屋の中で遊ぶだけでも十分な運動になりますが、成長の上で、定期的に外に行くことは大切になります。1回10分~15分程度、朝晩に外に散歩に行く程度でよいでしょう。もちろん、気温が高い日はお散歩に出す時間帯にも注意しなくてはいけません。

外に行くことは、健康の為の日光浴、様々な人や動物、音などの刺激、社会経験を積む上でとても大切なことです。ペキニーズは、時に頑固な面や攻撃的な面を見せることがありますので、運動しながら愛犬の様子を見ることが、普段のしつけにもつながります。

ペキニーズの場合、お部屋の中で走りまわることでも運動になっています。おもちゃをくわえて自分で走りまわるといった、ひとり遊びが運動につながることもあります。お部屋で遊ぶ際は、滑って転ばないような床、物にぶつからないよう片づけておくなど、ペキニーズがケガをしないように注意しましょう。

しつけ

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ペキニーズのしつけは、ペキニーズの性格をよく知った上で、短時間で集中して行うことがポイントです。

ペキニーズは、マイペースな性格なので、長時間集中してトレーニングすることは苦手です。リーダーが適格な指示を出し、成功したら褒めるということを徹底していきます。

ペキニーズのしつけは、飼い主さんがマイペースな性格に負けないことが大切です。中途半端な状態にしておくと、リーダーの立場はあっという間に壊れ、言うことをさっぱり聞いてくれないという状況になってしまいます。リーダーには従わなくてはいけないということが徹底されると、とても忠実な愛犬になってくれます。

ペキニーズは、マイペースでありながら気の強さも持っています。たくさんのことを覚えようとして混乱してしまうと、しつけ自体がなかなかうまくいかないという状況になってしまうこともあります。たくさんのことではなく、段階を踏みながらひとつひとつ、毎日短時間のしつけを行っていくことがよいでしょう

ペキニーズーのケア方法

ブラッシング

ペキニーズは、毎日のブラッシングがとても大切です。

密集したダブルコートは、換毛期は、特によく抜けます。抜け毛をそのままにしておくと、皮膚病の原因にもなってしまいます。毎日ブラッシングする習慣を持ち、抜け毛をしっかりと除去してあげるようにしましょう。

アンダーコートは毛をしっかりとかきわけながらスリッカーや、コームでブラッシングして取り除くとよいでしょう。スリッカーを使うと、ごっそりとアンダーコートは抜けますが、あまりに強くかけると皮膚まで傷めてしまいます。皮膚を傷めることのないよう、丁寧にブラッシングしましょう。

抜け毛をしっかりと取り除くことができたら、コームをかけて仕上げたり、ピンブラシで毛並みをきれいに整えてあげるとよいでしょう。ブラッシングは、子犬の頃からの習慣として行い、体全体を触っても嫌がることのないようにしておきましょう。

爪切り

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ペキニーズはあまり運動する犬種でもないため、定期的に爪を切らないとどんどん伸びてしまいます

爪が伸びていると、カーペットなどに引っ掛けてしまうことがあります。また、力の入りが弱くなり、踏ん張っていても爪が伸びている為に歩き方までおかしくなってしまうことがあるのです。爪切りを嫌がる場合も多いですが、定期的に行うようにしましょう。

爪が伸びると血管や神経まで伸びてしまいます。血管を切らないように注意して少しずつ角を取るようにカットしていくとよいでしょう。慣れるまで、少しずつ爪にやすりをかけたり、電動つめ削りを使ってもよいでしょう。爪が伸びすぎな状態になる前にトリマーさんや獣医師にお願いすることもひとつの方法です。

爪切りは一度嫌な思いをすると、なかなか習慣にすることが難しくなってしまいます。まずは、爪切り自体に慣らすようにしましょう。普段から爪や足裏を触ったり、毎日少しずつカットしていくようにしてもストレスを減らすことができます。

肛門腺絞り

ペキニーズは、個体差があるものの、肛門腺絞りは、1ヶ月に1回ほどの頻度で行うようにしましょう。

トリマーさんにお願いしたり、シャンプーやブラッシングの際に一緒に行ってしまってもよいでしょう。自宅で行う場合はとても臭い分泌物が洋服などにつかないように注意しましょう。

肛門腺は、肛門の下、時計の4時と8時の方向に人指し指と親指をあてて、下から上に向かって搾り出していきます。肛門周辺は敏感な部分でもありますので、無理に力をいれると炎症を起こしてしまうこともあります。分泌物が水っぽい犬もいれば、ペーストのようにかたくなっている犬もいます。獣医師にお願いしてしっかり絞ってもらってもよいでしょう。

肛門周辺をあまりに嫌がる場合は、攻撃的になり、噛み癖につながってしまうこともあります。普段から体全体、お尻まで触られることに慣らしておくとように日々ボディチェックをしてあげるとよいでしょう。

耳掃除

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ペキニーズの耳は、被毛で覆われている上に、垂れ耳ということで、汚れがひどくなりやすく、耳掃除もとても大切なお手入れのひとつです。特に耳ダニや細菌の感染には注意しなくてはいけません。耳掃除や耳のチェックは週1~2回程行うようにするとよいでしょう。

普段の耳掃除はイヤーローションを耳の中に数滴入れて、クチュクチュとマッサージを行います。出てきた汚れと共に、耳の周辺もコットンなどで優しく拭き取ってあげましょう。ただし、悪臭がする場合や黒い耳垢が出てきた時、すでに炎症が起きている時などは、早めに獣医師の診察を受けましょう。

目の手入れ

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ペキニーズの大きくて丸い目は、ゴミやほこりも入りやすく、涙が多くなってしまうことがあります。さらに、長い被毛が目に入ってしまったり、逆さまつげになっていて、涙が多くなるなど、目のトラブルも多い犬種です。涙が多い場合は、早めに獣医師の診察を受けましょう。そのままにしておくと、しわの部分に溜まってしまい、皮膚炎を起こしてしまいます

涙やけはひどくなると、悪臭の原因にもなってしまいます。
目の周りや鼻のまわりの汚れをそのままにしておくと不衛生なので、コットンや専用の涙やけシートを使って拭き取りを行うようにしましょう。また、目や鼻の周りの余汚れのひどい部分は、蒸しタオルなどで拭き取り、さらにコットンなどで細かい部分も拭き取るようにしましょう。水気をしっかり取り除いておくことが大切です。

歯磨き

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ペキニーズの歯磨きはできる限り毎日の習慣にしましょう。歯ブラシを始めから使わなくても、ガーゼや専用の歯磨きシートで汚れを磨くなど、やれる範囲で習慣にしていくことが大切です。汚れを拭き取るだけでも、口臭や歯垢がたまる原因を取り除くことができます。

ペキニーズは頑固な面を持っています。歯磨きは嫌なものではないと覚えるまで、諦めずに日々の習慣にできるとよいでしょう。歯磨き自体が嫌になってしまうと、習慣にすることが難しくなってしまいます。まずは口の中を触ることができるように慣らしていきましょう。

歯磨きができるようであれば、犬用歯ブラシや子ども用歯ブラシを使って、奥歯までしっかり磨きます。難しいようであれば、デンタルケアのガムを与えるなどして、歯垢が溜まることをできる限り予防していきましょう。

ペキニーズがかかりやすい病気

鼻腔狭窄

ペキニーズは短吻種の為、鼻の穴やその奥の気道が先天的に狭くなっており、呼吸困難を起こしやすい鼻腔狭窄になりやすいものです。軽度であれば、そのまま普段の生活に気をつけていくことになりますが、症状によっては手術が必要な場合もあります。

興奮している時や運動時には特に注意しましょう。激しい運動は呼吸困難につながることもありますので、また、暑い時の運動も避けたほうが安心です。日頃からの呼吸チェックを行い、苦しそうにしている場合は、獣医師に相談するようにしましょう。

皮膚疾患

ペキニーズは、皮膚の病気も比較的多い犬種のひとつです。ノミやダニ、アトピー性、アレルギー性などの原因があります。また、トリミング後のバリカンまけで、皮膚の炎症を起こしてしまうこともあります。

皮膚の病気の原因は、様々なことが影響しています。アレルギー性の場合は、アレルゲンを取り除く必要があり、食事を低アレルゲン食に切り替えることで皮膚の状態がよくなることもあります。また、シャンプーの成分が影響している場合や他の疾患が原因となっていることもあります。

いずれにしても、普段からブラッシングを兼ねて皮膚の状態をチェックしておくこと、定期的なシャンプーで皮膚を清潔に保つことが大切です。なんらかの異常を発見した場合は、早めに獣医師に相談しましょう。

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ペットシッター

子どもの頃から動物が好きで、ペットのことを学べる専門学校へ進学。卒業後、会社員を経て、ペットシッターとして独立。愛玩動物飼養管理士、愛玩動物救命士の資格を取得し、日々たくさんのわんちゃんやネコちゃんのお世話に奮闘中。自宅では、トイプードルと猫1匹とのんびりとした時間を過ごす。

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