2016年7月1日更新

【ペットシッターが解説】アメリカンコッカースパニエルとの暮らしで注意すること

アメリカンコッカースパニエルの性格と性質

性格


アメリカンコッカースパニエルといえば、ディズニー映画の「わんわん物語」で有名になった犬種です。穏やかでありながら、いつも陽気な笑顔を見せてくれるこの犬種は、人気のコンパニオン・ドッグです。

アメリカンコッカースパニエルは、その明るさと活発な性格から、家族だけでなく見知らぬ人、他の犬に対してもとてもフレンドリーです。遊びが大好きで楽天的なので、子供と遊ぶことも大好きですが、穏やかな部分も持っていますので安心して遊ばせることができます。

もともと、狩猟犬であったアメリカンコッカースパニエルは、その賢さから、しつけも比較的しやすいと言われています。

また、感受性が豊かなので、家族の言葉や行動にとても敏感に反応します。甘えん坊な部分もありますので、たっぷりとコミュニケーションを取ることが大切です。お留守番など、長時間ひとりにされてしまうのは苦手と言えます。

性質


アメリカンコッカースパニエルは、もともと鳥猟犬として、人間と共に暮らしていました。その為、その賢さから、しつけやトレーニング、様々なことを覚えやすいと言われています。しかしその分、しっかりとしたリーダーになれる人、たっぷりコミュニケーションを取れる人、運動する時間を作ることができる人に向いている犬種と言えます。

もともと、アメリカンコッカースパニエルは、肥満になりやすく食事バランスにも気を配る必要があります。食べることが大好きですので、遊ぶ度におやつを与えているとあっという間に太ってしまいます。食事管理と運動で肥満には十分に気を付けましょう。

アメリカンコッカースパニエルは、その美しい被毛も特徴的です。毛色はブラック単色、ブラック以外の単色・ホワイトを含む2色以上の単色の3種類です。皮膚病を起こしやすいこともあり、丁寧なブラッシングや定期的なトリミングなどケアがとても大切な犬種でもあります。

アメリカンコッカースパニエルの飼育の注意点

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室内環境

アメリカンコッカースパニエルは、ダブルコートの密集した被毛が特徴的で、夏の暑さや冬の寒さ、どちらも苦手です。普段から、室温は快適に過ごせる温度にしておきましょう。特に、夏の暑さは苦手で、室内でも熱中症になってしまう危険性があります。

夏は熱中症に注意するため、室温は23~25℃ほどに設定しておきましょう。また、万が一、停電などで、冷房が消えてしまった時の為にも、冷感マットなどを利用して、涼める場所を作っておくことが大切になります。また、アメリカンコッカースパニエルは、毛が抜けやすい犬種です。普段からこまめに掃除を行い、部屋の中をきれいに保つよう注意しましょう。

冬は、室温と共に湿度に十分注意しましょう。室温は、人が寒さを感じずに快適に過ごせる26~28℃ほどに設定しておくようにしましょう。

また、暖房によってお部屋の中が乾燥してしまうと、ウイルスが蔓延しやすくなったり、アメリカンコッカースパニエルの絹のようなきれいな被毛が乾燥してしまうことがあります。湿度は50~60%ほどにしておくとよいでしょう。年齢や体調、個体差はありますが、寒がる様子があれば、ペットヒーターやオイルヒーターなどを使って体が冷えないように工夫をしてあげることもよいでしょう。

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アメリカンコッカースパニエルは、関節の病気になりやすいと言われています

股関節形成や膝蓋骨脱臼には特に注意しなくてはいけません。遊ぶことや運動が大好きなので、お部屋の中でのジャンプが関節の病気を誘引したり、骨折の原因になってしまうことがあります。

フローリングは、特に滑りやすく、遊びに夢中になっているうちに体に負担をかけてしまうものです。関節への負担を減らすためにも、カーペットやペット専用の滑り止めつきマット、コルクマットなどを敷いてあげるようにしましょう。

関節の病気がある場合や高齢になってからは、特に小さな段差ひとつにも気を配ってあげたいものです、ソファなどの段差であっても、ステップをつけてあげたり、抱っこをする、低めのソファを選ぶ、上らせないしつけをして習慣にするなど、日頃から注意することが大切です。

家具の配置

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アメリカンコッカースパニエルは、非常に頭がよい犬種です。

しつけもしやすいものですが、その分、悪いことやいたずらなどをあっという間に覚えてしまうこともあります。そのような行動を減らす為には、普段からの飼い主さんとの関係も非常に大切になります。

アメリカンコッカースパニエルと暮らす際は、犬が安心して過ごすことができるパーソナルスペースを確保してあげるようにしましょう。飼い始めの時からケージやサークルで過ごす習慣を作っておくと安心です。室内にサークルを置き、その中にベッドやトイレ、食事場所を作っておくと、留守番の際や来客時なども安心してその中で過ごさせることができます。特に子犬の頃は、しつけの一環としても、とても有効です。

アメリカンコッカースパニエルは家族と一緒に過ごすことが大好きな上、とても好奇心旺盛な犬種です。リビングなど目が届くところにサークルは設置してあげるとよいでしょう。ただし、直射日光やエアコンの風が直接当たらない場所、転倒のおそれのある家具やインテリアのそばに置かないなど、思わぬ事故につながらないように注意が必要です。

運動


元々鳥猟犬だったアメリカンコッカースパニエルは、今でも、その能力を大切にしながらブリーディングされていると言われています。その為、適度な運動がとても大切になります。スタミナがありますので、トレーニング要素の高い運動を取り入れてあげることで、とても楽しい時間を過ごすことができます。

普段は、朝晩1日2回30分程度の散歩をしてあげるようにしましょう。ボール投げの遊びなども大好きですので、可能な範囲でロングリードなどを活用しながら思いっきり運動する習慣を持つとよいでしょう。また、定期的にドッグランなどで走らせてあげるとストレス発散になります。

運動が大好きな犬種ですが、暑さには弱いですので、散歩や運動の時間帯には十分注意することが大切です。特に夏の散歩は、夕方以降涼しくなってから行くようにしましょう。体力がある犬種ではありますが、運動中の異変を感じた時は、すぐにクールダウンさせてあげることも大切です。

しつけ

アメリカンコッカースパニエルは、非常に賢いのでしつけやトレーニングもしやすいものですが、賢いがゆえにトラウマや嫌なことがあったりと、なかなか前に進むことができなくなってしまうこともあります。しつけを行う際には、成功を重ねてたくさん褒めることと、嫌なことや怖い思いをしないように注意してあげることが大切になります。

元々とても陽気な犬種ですので、たくさん褒めてあげることによって、アメリカンコッカースパニエルは、さらにテンションが上がります。テンションが上がって集中している時はよいのですが、テンションが上がりすぎてしまい、注意散漫になってしまうこともあります。トレーニングを行う際は、テンションや集中の度合いを見ながら行うようにしましょう。

陽気で遊び好きなアメリカンコッカースパニエルだからこそ、子犬の頃からのしつけがとても大切になります。かわいいからといえって、甘やかしていると、リーダーの立場は逆転してしまい、わがままな犬になってしまいます。メリハリのあるしつけや基礎服従のトレーニングがとても大切になります。

アメリカンコッカースパニエルのケア方法

ブラッシング

アメリカンコッカースパニエルは、抜け毛が多い犬種です。毎日のブラッシングと定期的なトリミングが必要な犬種ですので、手入れをしっかりと行うことができないと、皮膚病につながってしまいます。特に全身の毛を伸ばすスタイルにしている場合は、日々の手入れがとても重要になります。

普段の被毛の手入れとしては、スリッカーを使って抜け毛を取り除いたり、もつれや毛玉をほぐしていきます。毛量が多いので、少しずつ毛をかき分けながら行いましょう。その後は、ピンブラシやコームで毛の流れを整えてあげると、きれいな被毛になります。皮膚の状態は脂っぽいことも多い犬種ですので、月1回ほどはしっかりとトリミングに行くようにしましょう。

アメリカンコッカースパニエルは、その美しい被毛で様々なカットスタイルを楽しむことができます。しかし、普段から、被毛の状態を整えておく必要があります。ブラッシング用のスプレーなどを使いながらピンブラシとコームをかけてあげると、静電気を防ぎ、毛のもつれもきれいにほぐしてあげることができます。

爪切り

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アメリカンコッカースパニエルの爪切りはお散歩をしていても、定期的に行う必要があります。運動が大好きですので、外を走りまわっているうちに爪が削れていくことはあっても、綺麗に整っていくわけではありません。爪が引っかかって怪我をすることや、伸びた爪によって歩行姿勢が悪くなったり、爪自体が肉球に刺さってしまうということもあるのです。

アメリカンコッカースパニエルは、非常に賢いので嫌になったことはあっという間に覚えてしまいます。自宅で爪切りをする場合は、出血や痛みを伴わないように注意しましょう。爪切り自体に慣らすところから始め、習慣にしておくと、スムーズに爪切りを行うことができます。爪を切る場合は、血管と神経を切らないように、床に爪がつかない程度の長さを見ながら少しずつ切っていきましょう。

爪切りや体を固定されることを嫌がる場合は、無理に行わないようにしましょう。焦って力が入ると、犬も緊張してしまいます。まずは1本だけからスタートをして、徐々に慣らしていくだけでもよいでしょう。トリミングの際にトリマーさんにお願いしたり、健康診断などの際に獣医師にお願いして、愛犬にも無理をさせないことはひとつの方法です。

肛門腺絞り

アメリカンコッカースパニエルは、定期的に肛門腺絞りを行う必要があります。地面にお尻をこするようなしぐさをした時、肛門腺にすでに分泌物が溜まっていることがあります。肛門膿という分泌液が溜まると、お尻に違和感を感じ、さらにそのままにしておくと、炎症が進み、穴が開いてしまうこともあります。

肛門腺絞りは月に1回のトリミングの際や健康診断をかねて獣医師にお願いしてもよいでしょう。自分で行う場合は、人差し指と親指で犬の肛門をつまみ、下から上につまみ出すように絞ると分泌物が出てきます。とても臭いので、ティッシュなどで肛門周りを囲みながら行うか、シャンプー前に行うと安心です。

肛門付近は、とてもデリケートな部分で、触るだけでも嫌がる犬も少なくありません。日ごろのブラッシングと同様に、体全体を触って肛門付近を触っても嫌がることがないようにトレーニングしておくと安心です。

耳掃除

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アメリカンコッカースパニエルは、週1回程度は耳のチェックを行い、必要に応じて耳掃除を行いましょう

アメリカンコッカースパニエルは、垂れ耳の為、汚れが溜まりやすく、細菌感染や外耳炎なども起こしやすい犬種です。また、毛量も多いので、耳の中の毛を抜いたり、周りの毛をカットする必要もあります。

耳掃除を行う場合は、犬用のイヤークリーナーを使って耳のお手入れをしてあげるようにしましょう。耳にイヤークリーナーを垂らして、あとは外から耳を挟んでクチュクチュ音がするのを確認しながらマッサージするようにしていきます。綿棒を使うと、汚れを中に押し込んでしまうこともありますので、マッサージで出てきた汚れを拭き取る程度にしておきましょう。

定期的な耳掃除をしていても、耳の周辺が赤くなっていたり、黒い耳垢が出る、どんどん汚れが溜まってしまうなど、異常がある場合は、すでに外耳炎を引き起こしている可能性もあります。また、耳を痒がる時は、細菌感染や耳ダニなどへの感染などが疑われます。動物病院を受診し、耳のチェックをしてもらいましょう。  

目の手入れ

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アメリカンコッカースパニエルは、個体差があるものの、目の病気を発症しやすく、涙やけとなる流涙症も起こしやすい犬種です。涙が目からあふれてきてしまう病気ですので、普段から、涙の量が多いと感じた時には早めに動物病院を受診しましょう。

涙やけによって、目の周りの毛が変色してしまわぬよう早めの対策が必要になります。涙やけ対策のグッズは多く販売されています。脂質成分が酸化しているので、涙やけ専用の薬剤成分が入ったシートも販売されています。普段は、優しくコットンで涙や目やになどを拭き取るようにし、定期的な涙やけ対策のシートを使ってみてもよいでしょう。

アメリカンコッカースパニエルは、定期的にトリミングが必要な犬種です。目の周りの毛も、カットしてもらうようにするとよいでしょう。目の病気になりやすい為、日ごろから目の色や目の周りの手入れを行ってあげるようにしましょう。

歯磨き

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アメリカンコッカースパニエルの歯磨きは、子犬の頃から日々の習慣にしてあげたいものです。食べることが大好きなアメリカンコッカースパニエルは、肥満にも注意したいところですが、歯周病にも注意が必要です。歯垢がたまると、歯石になり、歯周病はどんどん進行してしまいます。歯の汚れを拭き取るだけでも効果はありますので、歯磨きを習慣にしてあげましょう。

歯磨きは、子犬の頃からの習慣がとても大切になります。まだ歯磨きに慣れていない場合は、歯磨きシートやガーゼなどを指に巻いて、歯の汚れをふき取ってあげましょう。一緒に歯茎のマッサージも行うと効果的です。歯ブラシで歯磨きを行う場合も、まずは歯ブラシ自体に慣らし、少しずつ磨いていくようにしましょう。

歯ブラシを使う場合は、犬用歯ブラシまたは子供用歯ブラシが便利です。その他、日々の習慣としてデンタルガムを与えたり、歯磨き効果のあるロープで遊ぶ習慣をもつことも、歯磨きの一環になります。無理せず、愛犬にあったデンタルケアを行うとよいでしょう。

アメリカンコッカースパニエルがかかりやすい病気

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皮膚疾患

アメリカンコッカースパニエルは、皮膚の病気になりやすい犬種です。アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などは、原因となるものを探すことが大切になります。ハウスダストや花粉などに原因がある場合や、食事が原因になっていることもあります。また、皮膚がべたつく脂漏症は、酵母マラセチアが原因になります。

日ごろから皮膚の状態をチェックしておくこと、日々のブラッシングなど手入れを怠らないようにしましょう。いつもと違う状態に早く気づくことで、治療も早くなります。かゆがる様子や、皮膚の赤み、べたつきやにおいなどに気づいた場合は早めに獣医師に相談しましょう。

白内障

アメリカンコッカースパニエルは、目の病気も発症しやすいと言われております。その中のひとつに遺伝的に起こる先天性と高齢になっておこる後天性の白内障があります。白内障は、眼の水晶体が白濁していることで飼い主さんも気づくことが多いものです。

徐々に視力が低下するため、最初は気づかなくても、犬の歩き方や夜間見えにくそうにしている姿などで気づき、最終的に失明することもあります。また、糖尿病を原因として、起こることもあります。

白内障は、進行する病気ではありますが、点眼薬によって進行を遅らせることができます。しかし、それも早期発見することができた場合です。普段から目のチェックをすること、高齢になった場合は定期的に健康診断と共に獣医師に目の状態も見てもらうようにしましょう。また、白内障になった場合は、ケガをさせない為にも、室内の環境を整え、散歩などの際も十分に注意してあげましょう。

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ペットシッター

子どもの頃から動物が好きで、ペットのことを学べる専門学校へ進学。卒業後、会社員を経て、ペットシッターとして独立。愛玩動物飼養管理士、愛玩動物救命士の資格を取得し、日々たくさんのわんちゃんやネコちゃんのお世話に奮闘中。自宅では、トイプードルと猫1匹とのんびりとした時間を過ごす。

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