2016年8月2日更新

【獣医師が解説】猫を拾ったらなるべく早く獣医師へ診断しましょう。

母猫の育児放棄や病気など何らかの事情で母猫のいない子猫を保護したら、まずは動物病院を受診してください。動物病院を受診し、必要な検査や処置を受けることで子猫の生存率は上がるのです。今回は、保護した子猫を動物病院へ連れて行く必要性と動物病院へ子猫を連れて行くときの注意点です。

保護した子猫の診察はなぜ必要?

子猫を保護したら、できるだけ早く診察を受け、子猫の健康状態を把握しましょう。そうすることが子猫の生存率を高めることにつながります。また、動物病院では子猫に必要になるケアや処置についての指導を受けることもできますし、ミルクなどの必要なものを購入することも可能です。

日齢の推定

子猫へのミルクの与え方や必要なミルクの量、その他子猫に必要な世話などは、子猫の日齢によって大きく変わります。そのため、保護した子猫の日齢を推定することはとても大切です。

健康状態の把握と必要な処置の実施

子猫の健康状態をきちんと把握し、必要な処置を受けることはとても大切です。放置されていた時間が長かった場合は、体温が低下したり衰弱したりしていて、授乳がうまくできないことがあるばかりか、子猫の命に関わる状態になっていることもあります。また、伝染性鼻気管炎やその他の感染症にかかっていることもあります。鼻汁や目やに、下痢などが見られる場合は、獣医師に申告し、診断、治療を受けてください。さらには、先天性疾患をはじめ、子猫を育てていく上で注意する必要のある疾患についての診断を受ける場合もあります。
このように、様々な健康問題について総合的な診断を受け、必要に応じて適切な処置を受けるため、必ず動物病院を受診してください。

感染症への対策

保護した子猫がノミやマダニに感染していることはよくあります。また、伝染性鼻気管炎にかかっていて、ひどい目ヤニや鼻汁が見られることもよくあることです。こういった様々な感染症への対策を適切に行うためにも、動物病院を受診することは大切です。
特に、ノミやマダニ、回虫といった寄生虫感染症については、必ず徹底的な対策を行ってください。これらは、子猫の健康に害を及ぼすことはもちろん、人や先住のペットにも深刻な害を及ぼすおそれがあります。保護した子猫にノミやマダニが確認されたからといって、シャンプーはしないでください。ノミやマダニ対策としての効果が不十分なだけでなく、子猫の体を冷やすことにつながります。必ず速やかに動物病院を受診して、適切な処置を受けてください。

子猫の飼育についての指導

はじめて子猫の育児を行うとなると、わからないことがたくさんあることでしょう。是非、動物病院で子猫の飼育についての指導を受けてください。動物病院であれば、子猫の日齢や健康状態に基づいた適切なアドバイスが受けられるでしょう。

保護した子猫の診察を断られることはない?

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保護した子猫の飼育に責任を持てる人が動物病院へ保護した子猫を連れて行く場合であれば、基本的には診察を断わられることはないでしょう。当然のことですが、子猫の診察のみならず、子猫の飼育にはある程度の経済的な負担が必要です。必ず保護した人が責任を持つようにしてください。

こどもが子猫を保護した場合は、必ず保護者をはじめ子猫の飼育に責任を持てる大人が付き添って動物病院を受診してください。こどもだけで動物病院を訪れた場合には、保護者と一緒に再度受診するように言われるでしょう。
また、保護した子猫の飼育を動物病院に依頼するつもりで受診してはいけません。子猫の状態によっては入院治療が必要な場合もありますが、自宅で育てることが可能な状態の子猫であれば、必ず保護した人が責任を持って連れて帰り、飼育してください。入院が必要な状態の子猫であっても、自宅での飼育が可能な状態になって退院した後の飼育は保護した人が行なわなくてはなりません。

保護した子猫を連れて受診する場合、まず動物病院に連絡をとり、診察が可能であるか、費用の目安はどれくらいであるかを確認したうえで受診するとよいでしょう。感染症への対策、子猫の診察に必要な準備などを動物病院側が行う必要があるため、事前に連絡をしておいた方がスムーズに受診できるでしょう。

保護した子猫の診察で必要な費用は?

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保護した子猫の診察で必要な費用は、子猫の状態、地域、動物病院の方針などによって様々です。受診する前に動物病院へ電話をして相談しておくことをお勧めします。保護した子猫だからといって、無料で診察や処置が受けられるとは思わないようにしてください。

子猫を保護したら、責任を持って動物病院へ

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子猫を保護したら、必ずきちんと飼育するという責任を持って動物病院を受診してください。動物病院に預けて飼育してもらおうという気持ちで子猫を動物病院に連れて行ってはいけません。子猫の飼育には時間も費用もかかりますが、必ず子猫の命に責任を持ち、きちんと育ててあげてくださいね。

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